2019/10/21

上意下達で教員の裁量を奪ってきた結果、現場は疲弊している。教員のやる気と創意工夫を引き出すには。  ]Vこども危機
 9月27目(金)の『朝日』オピニオン面の「私の視点×3」欄に、望月由孝さんの投稿が載っていた。望月さんは、およそ30年前のぼくの行徳高校(全)時代の同僚であった。
 彼の主張自体は下欄で紹介するのでそれを読んでもらえば分かるが、基本的にぼくは賛成である。「極めて真っ当で正しい主張だ」と思う一のだが、同時に、「つまらないなあ」とも思ってしまう(望月さん、ゴメンナサイ)。「真っ当で正しい意見」って、何でこんなに「通俗的」なんだろう?

  《朝日「オピニオン面/私の視点」(2019/09/27)》
 ◆ 教員試験の倍率低下 教育現場、裁量増やし魅力を
望月由孝(立正大学非常勤講師)

 先般、「公立小中学校の教員採用試験の競争倍率が下がり、教員の質に影響が出かねない」と報道された。その理由を各地の教育委員会は「他業種の志望者が増えた」「採用予定者数が増えた」「多忙であるなど教職へのイメージが低下した」と答えているが本質をついていない。


 公立高校の社会科教師を41年間勤めあげ、26年前からは大学で教職科目を担当し、現在も日々多くの教員希望者たちと接している立場から原因を考え、その対策を示したい。

 私を含め、多くの教員が教職を選んだのは「給料は民間企業の大卒と比べたら安いけれど、教育は大切で面白く、教職にはやりがいや生きがいがあると感じたから」であり、それは今も変わりないだろう。
 ところが近年、教職を取り巻く環境が悪化し、教員たちは多くのストレスにさらされ身も心も疲弊している。

 さらに人事考課主幹教諭の導入で教員問に賃金格差をつける自治体が増えたため、教員間の協力体制がとれなくなり、人間関係が崩壊している。
 職員会議は校長の伝達機関と化して教育論を交わすことができず、学校現場に閉塞状況が生まれている。それらに耐えられなくなった教員が早期退職したり、休職者や自殺者が出たりしている。
 そんな現実を知った学生たちが「教職の魅力を感じなくなった」ことが競争倍率低下の主な要因であろう。

 では「教職の魅力」を取り戻すためにどうするか。

 まず教員のやる気と創意工夫を引き出すため、私立学校のように教科書の採択を各学校に任せ、学校と教員の裁量権を増やす

 1クラスの人数を30人以下にして、きめ細かい指導を可能にする。

 生徒や教員間、学校間の無益な競争はやめる

 学校教育はチームワークが大切だから、人事考課や学力テスト結果などの査定で学校や教員間の給与に差をつけることは好ましくない

 生徒や教職員、保護者が協力して自分たちの学校をつくり上げていく環境を整えるため、「学校評議員制度」を欧米諸国で広く採用されている決議機関に改め、カリキュラムの決定などにも、生徒と保護者の参加を認める

 また教員間のあつれきをなくすため、主幹教諭や主任制度を見直し、超過勤務に正当な報酬を出し、教員の自主研修を積極的に認める。

 部活動は社会教育への移行も視野に入れるべきだ。

 現にこれらが保証されているフィンランドなどの北欧諸国では教員希望者が増え、経済協力開発機構(OECD)が発表している学習到達度調査でも常に上位を占めている。

 日本でも、教員たちが学校現場で希望と情熱を抱いて生き生きと教育活動する姿を見せれば、教員を志す学生はおのずと増えるであろう。

『勝っ支部通信 1126号』(2019年9月30日)


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