2019/11/13

世の中全体から総攻撃を受ける加害者家族を偏見から守る活動  ]平和
 ◆ 犯罪加害者家族支援 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 ずうっと気になっている記事がある。「犯罪加害者家族を支援するNPO法人」。本紙、先月二十六日。
 「あの人に迫る」の阿部恭子理事長インタビューは、ユニークだった。
 これまでの犯罪報道は猟奇性と犯人への憎悪をもっぱらとして、世間の処罰感情を拡大させた。
 被害者の感情と生活、厳罰を求める家族の声が伝えられるのは少なくなかったが、最近は検事席側に、被害者家族を座らせるようになった。
 有名事件であれば、あたかも観光地のように、容疑者の自宅に見物人がぞろぞろやってくる。
 「親の顔を見たい」「親の因果が子に報う」。一家は弁明の余地なく、雲散霧消。


 冤罪(えんざい)であっても本人、家族ともに「犯罪者一家」として、一家離散の運命をたどる。
 いわれなき「業病(ごうびょう)」という言葉で差別されたハンセン病発病者の家族もまた、犯罪者のように身を隠して生き続け、家族ぐるみで罰を受けさせられた。
 「お家断絶」。犯罪者を出せば家族は一蓮托生(いちれんたくしょう)」。封建制度の名残だ。

 「家族は絶対的で、不可欠だっていうこの国の根強い前提を、そろそろ崩してもいいんじゃないか」。
 家族と別のコミュニティーを目指す、と阿部さんはいう。
 家族の汚名を着て自殺するひともいる。家族は防波堤であり、桎梏(しっこく)でもある
 「『個』を確立して偏見をなくそう」。その記事の見出しだった。

『東京新聞』(2019年11月12日【本音のコラム】)



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