2019/12/7

「天皇奉迎」子ども動員問題についての4日の八王子市議会の傍聴記  ]Vこども危機
  =八王子市議会一般質問傍聴報告=
 ◆ 「天皇奉迎」に子どもたちを動員したことについて


 根津公子です。
 3日に天皇夫妻が対象天皇・昭和天皇の墓に来た際に、市立小学校の子どもたちが駆り出されずに済み、ほっとしました。
 皆さんからも喜びや激励の言葉をいただきました。ありがとうございます。
 3日のメールでお知らせしたように、昨日は市議会一般質問で仲間の議員がこの件を取り上げてくれました。その報告を添付します。
 私の聞き間違えなどあるかもしれませんが、大きくは違っていないと思います。

 ◆ 12月4日(水)「天皇奉迎」に子どもたちを動員したことについて
   八王子市議会一般質問傍聴報告

 登壇した前田議員「道徳」の教科書に掲載されている「ただしいあいさつ」通りの挨拶をして、「軍隊みたいな」と一言批判を加えたところ(道徳については後半で質問にあげていた)、「軍隊をばかにするな!」などとか5〜6人からヤジが飛んだ。


 終始ヤジを飛ばしていたのは、鈴木レオ議員(自民)。ヤジの中での質問はきついだろうに、議長は全く注意しなかった。議長はヤジを擁護したということだ。

 標題の件に関して前田さんは、大日本帝国憲法下の天皇と日本国憲法下の天皇の違い、戦前と戦後の教育の違いについて、八王子の子どもたちが使用している教育出版社中学校歴史教科書から抜粋して紹介し、現憲法は天皇の退位即位を国事行為とは定めていないと発言。
 また、4月23日の「天皇奉迎」について萩生田衆議院議員のブログ(4月26日づけ)を読み上げた。
 「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、「両陛下をお迎えする会」を組織し準備をしました。
 八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」と。
 このブログは萩生田議員自身が書いたのだから、「呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をし」たのは、萩生田氏ということだろう。ほかの人や団体が呼びかけ準備をしたというのであれば、主語が入るはず。
 そのうえで質問に入った。

 @議員:なぜ天皇に敬意を払うのかを、学校はどう教えているのか。
 教委:学習指導要領に「敬意」を教えるよう書いてある。学習指導要領に則った指導をしている。
 議員:ルールだからというのでは納得できる答えになっていない。生徒から「なぜこれが校則なのか」と訊かれて「ルールだから」と答えるのと同じだ。

 A議員;4月9日付け「八王子奉迎会実行委員会結成について」の文書が手元にある。連絡先は町会自治連合会と八王子市都市戦略課となっている。八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体はどこか。
 市:八王子奉迎会実行委員会。

 議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
 市:市は把握していない。

 議員:市は呼びかけられたと認識していいか。
 市:町会自治会連合会から呼びかけられ、同席した。

 議員:市からは誰が出席したか。
 市:協同推進課部長と都市戦略課部長。

 議員:4月9日付け文書は市から発信されたと認識するが。
 市:市はむしろ、控えている。

 議員:萩生田議員は同席したか。
 市:同席したが、市は報告する立場にない。

 B議員:14の私立幼稚園・保育園の園児が沿道に立ったというが、市はどういう情報を出したのか。
 市:安全面からの情報提供をした。

 議員:人格形成過程にある子どもたちの人格形成に支障があると思うが、いかがか。森友学園の幼稚園が教育勅語を暗唱させたのは驚きだが、私立園・学校にはそこの独自の考えがあってのこと。しかし、公立の小学校が沿道に立たせたのは、私立とは違う。なぜ、情報提供をしたのか。
 市:安全管理から。

 議員:昨日(3日の即位の報告に関して)は情報提供をしなかったのか。
 市:報告の義務はないが、道路交通部からの情報を全小中学校に流した。

 議員:市教委が言うには4月23日のときは協働推進課からの情報だった、昨日は道路交通部からの情報だというが、変わったのはなぜか。4月23日については、情報提供のメール文に市教委が〈参加の可否 参加人数 小旗の希望〉を書いたが、小旗はどこから受けたのか。
 市:70本あると、協働推進課から聞いた。

 議員:協働推進課はどこから受けたのか。
 市:奉迎会実行委員会から。配布は町自連。

 議員:町自連は問題ではないか。D校(根津:浅川小)は町会から情報を得たということだが、コミュニティ・スクール構想が出された時、このことを懸念した。校長が断れればいいが、それができていないのだから。「思想・信条の自由」の観点からの文書を、市から町自連に出しても良かったのではないか。
 市:「思想・信条の自由」を侵すとは考えない。

 議員:日本がかつて侵略した国々の外国籍の子ども、日本人の中にも天皇制を肯定しない人もいる。そうした家庭の子どもに対して配慮が必要ではないか。
 市:外国籍であっても、日本の教育を受けるのであれば、学習指導要領に沿った教育を受けることになる。

 議員:受けた教育によって考え方・感じ方は変わってくる。知り合いが韓国籍のお子さんを預かった際に、多摩御陵に連れて行ったら、そのお子さんは激怒したという。受けてきた教育が違うからだ。日本人は学校で学ばないから、知らないのだ。外国籍の人が今後増える。教育長に伺う。天皇について、一つの考えを教えていいものか。
 教育長:天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。
 市長:奉迎会実行委員会は任意団体。住民が歓迎する。

 議員:こうしたことをやった町自連は問題だ。

 質疑応答は、私の聞き間違えもあるだろうけれど、おおよそこんなふう。
 辻褄の合わない市・市教委の答弁がいくつかある。一つ嘘をつくとどこかでぼろは出てくるということだ。

 ア.「八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体」は「八王子奉迎会実行委員会」だと市は答弁した。
 しかし4月12日に行う結成会の通知は4月9日に出したのだ。その時点で、八王子奉迎会実行委員会はできていないのだから呼びかけることはできない。
 連絡先になっている、町会自治連合会か八王子市が呼び掛けたとみるのが順当ではないか。
 また、萩生田議員がブログに書いたことと併せて考えると、萩生田議員が市と町自連を動かしたと思える。そう考えるのは、私だけだろうか。

 イ.市教委が流した「情報」は安全面を考えてとのこと。ならば、その時間帯は子どもたちを教室にとどめておくのがいいはずだ。
 しかし、萩生田議員の「呼びかけ」に応えねばならないとの意思が働いたか。4月の「情報」には、「参加の可否」や「小旗についての希望」まで報告するよう求めている。情報提供と言いながら、参加の可否を書かせた。参加の呼びかけをしてはいけないとの認識が市教委にあったから、あくまでも「情報」提供としたのだと思う。校長の一人は、「市教委は子どもたちを沿道に立たせろとは言わない。斉藤指導担当部長は、『対処してほしい」と言った。対処とは、忖度しなさいということだ』と言った。

 市教委や学校が、天皇敬愛を具体的に教えられるいい機会を、今回は活用しなかったのはなぜか。今回も同じく安全面からの「情報」提供であったのに、「参加の可否」等は書かなかった。
 市教委は、4月23日に子どもたちを沿道に立たせたことを「まずかった」と答弁しなかったが、実際はそう判断したのではないか。4月の件に自信を持っていたのなら、今回も同じ「情報」を提供しただろうから。

 ウ.情報が4月のときは協働推進課から、昨日は道路交通部からに変わったのは、協働推進課が「天皇奉迎」という政治活動に関与するのはまずいと判断したからではないか。
そうでなければ、今回の「情報」も協働推進課が出したはずだ。市・協働推進課は町自連に金銭的補助もし、育成担当する部署である。
 また、今回は「情報」提供の必要性もなかったにもかかわらず、それをしたのは、4月のときに3校に情報提供したことを正当化しようとしての辻褄合わせだったのではないか。

 短い時間の中で、聞き出せなかった点はあると思う。でも、今後ますます、天皇敬愛教育が学校教育に入り込んでくる危険がある中、この問題が市議会で取り上げられたこと自体に意味があると思う。



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