2019/12/9

PISA「読解力」は、「ゆとり教育」で上がり「脱ゆとり教育」で下がった  ]Vこども危機
 ◆ PISA2018 (東京新聞【本音のコラム】)
前川喜平(まえかわきへい・現代教育行政研究会代表)

 OECDが十五歳児を対象に三年ごとに行う国際学力調査PISA。二〇一八年の結果が出た。
 OECD加盟三十七力国中、数学は一位、科学は二位だが、読解力が十一位だった。「ピザ・シヨツク」といわれた〇三年の十二位に次ぐ低順位だ。
 文部科学省は、その理由としてコンピューター使用の導入を挙げるが…。

 日本の順位が過去最も高かったのは一二年の調査だ。読解力一位、科学一位、数学二位。おかげで、当時初等中等教育局長だった僕は「学力低下批判」を浴びずに済んだ。
 「脱ゆとり教育」の成果とも言われたが、それは違う。


 一二年調査の対象者は、小一から中三まで授業時数が最も少ない「ゆとり教育」(〇二〜一一年)を受けた世代なのだ。

 むしろ一八年調査の対象者こそ、授業時数を大幅に増やした「脱ゆとり教育」の世代だ。
 だから、読解力は「ゆとり教育」で上がり「脱ゆとり教育」で下がったとも言える。

 しかし、そもそも読解力テストは文化バイアスが大きく出る。
 一八年の成績低下は、単に問題文が日本の生徒になじみのない内容だったからかもしれないのだ。
 三年後には成績急上昇ということもありうる。

 要は、三年スパンで上がった下がったと一喜一憂しないことだ。少なくとも「授業時数をもっと増やせ」などという暴論が暴走しないよう気をつけよう。

『東京新聞』(2019年12月8日【本音のコラム】)


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