2020/2/19

「関西生コン事件」は、治安維持法下の労働組合弾圧事件の再来だ  ]U格差社会
 ◆ 春さきの風 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 俳句の季語だった「春闘」も、いまや死語同然。
 ストライキ・ピケなど新聞、テレビで報じられなくなって久しい。それは働くひとびとの権利の低下をあらわしている。
 十五日(土曜日)、東京・田町交通ビルで「関西生コン事件を考える集会」があり、私も参加した。
 この欄でも昨年暮れに紹介したが、関西地区の生コンクリート業界の労組員たちが、ストライキや抗議行動しただけで、八十九人が逮捕、七十一人が起訴されている。
 権力者が強権を使って労働者や市民に圧迫を加えることを弾圧という。
 暴力行為もなにもなくても逮捕された委員長や副委員長は、一年五カ月も勾留されたままだ。


 ストライキは、憲法第二八条で「勤労者の権利」として認められている。逮捕そのものが不当なのだ。

 私は中野重治小林多喜二が書いた、九十二年も前の「三・一五事件」を思い出している。
 治安維持法下の弾圧事件で、中野重治は夫ばかりか、赤子を抱えたまま留置場に入れられた妻を主人公にしている。
 赤子は死亡する。悲しみの妻は「わたしらは侮辱の中に生きています」と手紙に書く。
 憲法や労働法があっても警察は威力業務妨害、恐喝未遂で逮捕、組合をやめろと迫る
 裁判所組合活動の禁止を「保釈条件」とする
 只(ただ)今現在の話だ。
 労働運動は民主主義の基盤だ。弁護団は国家賠償請求の訴えを起こす。

『東京新聞』(2020年1月1日【本音のコラム】)


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