2020/3/26

大阪市の「君が代」不起立処分手続きについてのCEART要請報告続報  Z国際人権
◎ 2020年3月CEART(ILO・ユネスコ合同専門委員会)への要請報告(松田)

 教職員なかまユニオンのCEARTへの要請行動に参加し、私の「君が代」不起立処分の過程が「教員の地位に関する勧告」違反であることを訴えてきたので、報告します。
 この要請行動は、2019年9月17日と2019年年12月27日の教職員なかまユニオンのCEARTへの報告(情報提供)の内容を説明するために行われました。
 私の「君が代」不起立処分過程の勧告違反については、2019年9月17日付報告の補足の形で以下の内容を訴えました。

 ◆ 教員の処分手続きにおける瑕疵
   〜「地位勧告」パラグラフ第50項にかかわって〜


 私は、教職員なかまユニオン組合員の大阪市立中学校教員・松田幹雄です。


 2019年9月17日付で、教職員なかまユニオンは、「君が代」不起立・不斉唱を理由とした私の懲戒処分取り消し請求にかかわる2018年10月25日の大阪市人事委員会口頭審理の場での大阪市教育員会の担当者の証言について報告しました
 それは、2015年4月17日に行われた、私の懲戒を決定するための調査と審議の場であるはずの大阪市人事監察委員会教職員分限懲戒部会において、私が提出した上申書の内容を一切検討せず、会議の議事録をつくらず、メモもないというものでした。

 教職員なかまユニオンは、今回の訪問に先立って、2019年9月17日付報告についての補足資料を送っていますが、それに沿って“懲戒処分の手続きが、「教員の地位に関する勧告」第50項に違反していることを訴えたいと思います。

 私は、2015年3月卒業式での国歌「君が代」不起立・不斉唱を理由として、同年5月に懲戒処分(戒告)を受けました。現在、その処分取り消しを求めて、大阪市人事委員会に審査請求を行い、裁決を待っているところです。
 大阪府と大阪市は、児童・生徒に愛国心を育てるという目的で、卒業式・入学式等での国歌「君が代」起立・斉唱を教職員に義務づける国旗国歌条例と、懲戒処分等について規定した職員基本条例を制定しました。大阪市は、国旗国歌条例制定を2012年2月、職員基本条例を2012年5月に制定しています。

 大阪市において、職員基本条例が制定されてから、「君が代」不起立・不斉唱を理由とした懲戒処分は、私、松田幹雄の事例が初めてでした。

 日本の学校の「日の丸」「君が代」強制問題については、「The Historical Background Regarding the Issue of “Hinomaru & Kimigayo“」を参照してもらえればと思います。

 大阪市教育委員会は、職務命令で教職員に起立・斉唱を命じ、卒業式参加者全員が「日の丸」に向かって起立し、「君が代」を歌う場面を「演出」して、児童・生徒に「日の丸」「君が代」とそれらが象徴する国家を崇高なものと感じさせ、国に従う意識を刷り込もうとしています。
 私は、児童・生徒に対して、「君が代」の歴史を隠したまま、「君が代」起立・斉唱を強制し、教職員自らの起立・斉唱行為を通して、児童・生徒に国に従う意識を刷り込もうとする大阪市教委の方針に反対してきました。

 そして、「君が代」起立・斉唱を拒否し、大阪市教委に対して上申書を提出して、「教員としての思想・良心の自由」に基づく行為であることを主張しました。
 また、その行為は、児童・生徒の人権擁護のためであり、教育の荒廃に抗うためであったと不起立・不斉唱の理由を説明しました。
 しかしながら、私の上申書の内容については、どこでも、検討されず、直接弁明する機会も与えられずに処分が決定されました。

 このことは、「教員の地位に関する勧告」第50項のC「弁護の準備のために十分な時間を与えられて、自己を弁護し及び自己の選んだ代理人によって弁護を受ける権利」に違反していることを訴えたいと思います。

 処分の経過の沿って、具体的に、違反の事実について報告します。
 大阪市における懲戒処分決定までの流れは次の通りです。
(1)事故報告書(校長作成→市教委)

(2)事情聴取(市教委が処分対象者を呼び出し)

(3)顛末書(処分対象者作成→市教委)

(4)人事監察委員会にはかる資料【事実の概要、処分事由説明書(案)、処分量定(案)】(市教委作成・決裁)

(5)人事監察委員会教職員分限懲戒部会(年間20回くらいの中で実際会議が行われるのは2回程度。後は持ち回りで各委員から意見書をもらう形。)

(6)教育委員会会議にはかる資料【処分事由説明書(案)、処分量定(案)】(市教委決裁・人事監察委員会での意見を踏まえて必要があれば修正)

(7)教育委員会会議(処分決定)

(8)処分発令(市教委が処分対象者を呼び出し)
 処分対象教職員は、事情聴取に呼び出されて、教育委員会事務局職員の尋問に応じることと顛末書の提出を命じられるだけで、弁明の機会がありません

 事情聴取の場で、教育委員会事務局職員は「この場は弁明の場でもある」と言いましたが、こちらから質問しなければ、処分が決定するまでの手続きについての説明をせず、弁明のために作成した資料(上申書)は受け取りましたが、人事監察委員会や教育委員会会議に資料として出すかどうか「現段階で決められない」と言いました。

 大阪市職員基本条例では、公正さを担保するために、懲戒処分にあたって、学者・弁護士等でつくる人事監察委員会の意見を聴くことになっています。
 しかしながら、教職員の懲戒処分について検討する大阪市人事委員会教職員分限懲戒部会は、ほとんどすべて持ち回りで行われ、年間20回近く開いたことになっていますが、実際会議が開かれているのは年間2回程度です。

 校長からの報告と処分対象者からの事情聴取によって教育委員会事務局が作成する「事実の概要」をもとに、同じ教育委員会事務局が処分の要否と処分量定を決め、人事監察委員会と教育委員による教育員会会議が追認して懲戒処分が決まります。

 「事実の概要」、処分事由、処分量定は、一切当該職員に知らされず、処分発令時に、処分辞令と処分事由説明書を渡されるだけとなっています。

 私は、事情聴取の場で上申書を提出し、さらに顛末書に代えて上申書(2)を提出して、不起立の理由・必然性・正当性を訴えました。
 そして、人事監察委員会教職員分限懲戒部会や教育委員会会議での検討・審議を要望しました。

 教育委員会事務局は、2015年4月17日に人事監察委員会教職員分限懲戒部会を開催しました。その会議で、上申書・上申書(2)は委員の目にふれたということですが、私が要請した意見陳述は認められず、議事録も作られませんでした

 教育委員会事務局は、処分を決定した教育委員会会議において、人事監察委員会教職員分限懲戒部会では、上申書・上申書(2)の内容の検討はせず、処分に当たり斟酌する内容は含まれていないとだけ判断したことを明らかにしています。
 これは、明らかに、ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」第50項違反といえます。

 ※ 私の場合の「教員の地位に関する勧告」第50項違反の事実
 a 懲戒の提起およびその理由を文書により通知される権利
 「懲戒の提起」は、「事情聴取」の中で、口頭

 b 事案の証拠を十分に入手する権利
 校長作成の事故報告書、市教委事務局がまとめた事実の概要、処分事由説明書(案)や処分量定(案)等については、その存在すら知らされず

 c 教員が弁護準備に十分な時間を与えられ、自らを弁護士し、または自己の選択する代理人によって弁護をうける権利
 「事情聴取」では、弁護士等の立ち合いを認めず。人事監察委員会教職員分限懲戒部会で直接弁明の機会をつくってほしいと市教委事務局に訴えていたが、受け入れずに、人事監察委員会教職員分限懲戒部会は秘密裡に開催

 d 決定及びその理由を書面によって通知される権利
 上申書、上申書(2)で訴えた内容がどう判断されたか、処分事由説明書からはまったくわからない。人事監察委員会教職員分限懲戒部会の議事録はなく、教育委員会会議において、市教委事務局から、上申書、上申書(2)は、処分にあたり斟酌する内容はないと判断したとの発言があっただけ。大阪市人事委員会の審理で、処分担当課長は、人事監察委員会教職員分限懲戒部会では、上申書、上申書(2)で訴えた「調教教育」について論議しなかったことを認めた。


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