2020/7/5

原発の即時全廃に向けて「風力」は日本の洋上に無尽蔵に近い  ]Xフクシマ原発震災
 ▼ 洋上風力発電の推進を
   市民の力で原発も石炭火力も吹き飛ばそう
(週刊新社会)


 自然エネルギーは限りなく大きい。とくに発電資源として、風力は日本の洋上に無尽蔵に近い。二酸化炭素を抜本的に削減するには、風力を始めとする自然エネルギーの本格的な利用こそ不可欠である。風力は日本が世界で最も恵まれている天然資源だといってよい。ところが世界諸国で風力発電が急速に普及しているのに対し、日本ではさっぱり伸びていない。自給率向上どころではない。

 ▼ 日本の風力ポテンシャル
 環境省は風力の導入ポテンシャル(潜在発電能力)を、国内の陸上で2億8千万kw、洋上で10億kwから16億kwと見積っている。経産省は陸上で2億9千万kw、洋上で15億kwと算定している。
 ちなみに現在の日本全国の総発電設備容量は2億4千万kwである。風力だけで全電力を賄うことも決して困難なことではない


 ところが電力会社と自民党政権は原発を従来から「重要なベースロード電源」とし、石炭火力なども「基幹電源」としていて、全国的に送電網の拡充・整備を怠っているため、潜在的能力が極めて大きな風力発電は一向に伸びない
 せっかくある基幹送電網の多くの能力は、原発再稼働を待つて空けられているありさまである。

 ▼ 今すぐ必要なこと

 原発の即時全廃のためには、当面は石油や天然ガスによる火力に重きを置き、既設の石炭もしばし許されるとしても、新設は高効率な天然ガスのコンバインド発電(ガスタービンと水蒸気タービンの複合発電)に限定すべきである。

 建設途上にあるJパワー(電源開発)の大間や中国電の島根や東北電と東電の東通りの原発は、火力に改造するか、廃止して博物館か遊園地などに転用すべきである

 それとともに、第一に、電源開発も10電力も、全国の洋上に大型風力発電基地を造ることが必要である。
 第二に、陸地では低周波音波公害の防止に民家等から一定の距離(2キロメートル以上)をとりながら、特に高圧送電線に連系できる丘陵地や山岳地帯など全国の適地に、森林の乱伐は避けながら風力発電を造ることも必要であろう。
 かねてから述べてきたように、夜の原発のために造られた揚水式発電は、風力等の変動電力にこそ全面的に活用しなくてはならない。


 ▼ 世界に遅れをとった日本

 2018年の自然エネルギーの全国発電量(自家消費も含む)は17・4%で、うち水力(主に大型ダム発電)が7・8%、太陽光は6・5%、バイオマスは2・2%、風力はたったの0・7%であった。

 同年の世界諸国の電力消費量を見ると、
 デンマークは風力39%、全自然エネ59%。
 ポルトガルは風力22%、全自然エネ52%。
 ドイツは風力19%、全自然エネ38%。
 スペインは風力18%、全自然エネ37%。
 アイルランドは風力27%、全自然エネ32%
 といったところである。
 日本が風力0・7%、全自然エネ17・4%とは、いかに時代遅れとなっているかは、一目瞭然である。
 今日もこの構成は大差ないであろう。

 目先の利潤のために原発や石炭火力にこだわり、国内ばかりか世界の人々の命と健康と生活を脅かす、恥知らずな日本の独占資本とその政権の横暴をこれ以上許すわけにはいかない。


 ▼ 始まるか洋上風力発電

 世界にすっかり後れをとりながらも、ようやく中部電力が丸紅等12社と共同で、秋田港と能代港に日本初の商業ベースの大型風力発電施設(14万kw)を建設することになり、この2月に着工し、22年運転開始を予定している。
 これを機に洋上風力発電を本格的に拡大できるかどうかは、目先の利潤を追う独占資本に抗して、全国の仲間が原発再稼働反対運動や、石炭火力反対運動等をいかに強化・発展させることができるかにかかっている。
 洋上風力発電を推進すれば、脱原発も、脱石炭も、脱火力も難なく可能となる。

 太陽光発電は、真夏の電力需要がピークになるときに、発電もピークとなって有効ではあるが、最近各地で見られるメガソーラーのような二次災害をもたらしかねない森林伐採、耕地破壊などの乱開発は止めねばならない。

 福島原発事故の直後には、発送電分離が叫ばれ、国が主体となって実行されるかと思われたのに、いつの間にか東電等の「分社化」でお茶を濁している。これでは自然エネルギーの本格的推進のための送配電網の整備・拡充ははかどらない。
   (原野人)

『週刊新社会』(2020年6月16日)


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