2020/9/11

戦後75年目の「8月」、「平和」はやはり批判的に闘いとらねばならないものなのだ。  ]平和
 ◆ 8月 靖国と天皇制を問う2つの行動に参加した。 (立川テント村通信)

 戦後75年目の「8月」が終わった。今年はもろもろの戦争関連報道もコロナの陰に隠れ、例年以上に存在感がなかったように感じる。一方、週刊誌、ネットの基調は、戦後補償をめぐる韓国叩きでやっきである。
 8月15日は韓国では「光復節」、朝鮮では「解放記念日」という祝日である。
 韓国の文大統領はこの目の演説で徴用工訴訟に触れ、「(韓日)協議の門戸は今も大きく開かれています。わが政府は、いつでも日本政府と向かい合う準備ができています」と述べた。
 その同じ日、日本では4人の閣僚が、侵略と植民地支配を肯定する靖国神社への参拝を行った。日本社会の歴史観の大きな欠落を改めて痛感する8月だった。


 ◆ 画家たちの戦争協力藤田を中心に

 そんな8月に、戦後日本の歴史認識を問うふたつの連続行動に参加した。


 8月1日は「コロナ危機と天皇制」という講演会。メイン講演は北村小夜さん。元教員で1925年生まれの95歳。天皇制にたいする批判、特に障害児教育のながい経験からくる「慈愛による差別」という観点からの批判は鋭い。
 北村さんのこの日の話は、画家たちの戦争責任とくに藤田嗣治(つぐはる)をめぐるものだった。

 「20世紀前半の最も重要な日本人画家」とされる藤田には、日本軍の依頼を受けて描かれた一連の巨大プロパガンダ戦争画がある。縦2m、横2・6mのカンバスに描かれた『アッツ島玉砕』は最も有名な作品だ。
 戦時中に戦意発揚のための巡回展も行われ、鑑賞されるのみならず、手を合わせて拝む人、賽銭を投げる人もいたという。

 1968年に藤田が没した後、たびたび回顧ブームが起きている。この中で藤田の戦争画に「反戦」の意図を読み込む意見が出た。
 例えば、戦後リベラル派の巨人で「9条の会」の呼びかけ人でもある加藤周一は、藤田の戦争画を「藤田は確かに軍部に協力して描いたが、戦場の極端な悲惨さを、まさに迫真的に描き出したのである」と評した。

 しかし北村さんは、このような藤田評に大きな異議を唱える。
 藤田の描く「戦場の迫真性」は、軍部の政治意図から離れたことは一度もなかった。
 軍部は、「作戦記録画制作要領」という計画書に基づき画家に戦争協力を要請した。
 この「要領」には画風や場面設定まで詳しい指定がある。要するに、「自由な創作」や「別の意図を込めた創作」などありえないのである。
 そればかりではない、藤田は軍の命令によらずに勝手に「ソロモン海戦に於ける敵の末路」などの戦争画を描いて軍に差し出した。戦時の高揚に同調した作家の前のめりな自意識過剰ぶりすらみえるのだ。

 北村さんは、戦後ひたすら続けられてきた、こうした「戦争中の事実の読み替え」に最も危機感をもっている。それは、「戦後民主主義」と「9条平和主義」の腰の甘さとも密接につながっている。
 「平和」はやはり、批判的に闘いとらねばならないものなのだ。


 ◆ 8・15靖国を批判する集会とデモ

 8月15日は、恒例の靖国神社にむかう「国家による『慰霊・追悼』を許すな!」デモ
 水道橋で行われた前段集会のアピールがみな興味深かつたので紹介しよう。

 日韓民衆連帯ネットワークの渡辺さん
 「今日行われている韓国の仲間の集会では、南北和解を米国がコントロールしょうという『米韓ワーキングチーム』と、翌週始まる米韓軍事演習の反対がテーマとなっている。」

 高田馬場にある「慰安婦」問題の資料館WAMの館長、渡辺さん
 「問われるのは侵略した側の『追悼』の仕方。WAMでは金学順さんが初めて被害を告発した8月14日に、この1年間で亡くなった元『慰安婦』の女性たちの名前を呼び、訴えを紹介する集いを毎年もっている。」

 東京オリンピツク反対運動の京極さん。
 「東京五輪は震災復興五輪からいつのまにか『コロナ克服五輪』へと姿を変えた。徹頭徹尾政治的だ。注目したいのはアスリートから出てきた『五輪中止を』の声。元女子サッカー日本代表の川澄さんは、コロナリスクを考えて聖火リレーを辞退した。米国でもBLM運動を受けて『スポーツにおける政治主張』を容認する動きが広がっている。」

 反基地アクションの池田さん
 「叔父は戦死した。祖母は息子を奪った戦争を批判したが、靖国神社に献金をつづけた。『息子は二等兵。金を送らないとあの世でも上官にいじめられる』と言っていた。死してなお、国家の秩序に縛り付けるのが靖国思想だ。しかし祖母からも、加害を問う声は一度も聞かれなかった。」

***・***

 集会後、デモは靖国神社へ
 機動隊は「三密」丸出しのサンドイッチ規制。例年より少ないが右翼も大量登場
 デモ後の飲み屋にまで乱入して絡んできたが、大ごとにはならなかった。

『立川テント村通信 511号』(2020年9月1日)


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