2020/9/23

東北道佐野SAストライキから1年、運営会社が変わりラーメンの味も変わってしまった  ]U格差社会
 ◆ 東北道佐野SA ストライキから1年
   経営の移管で現場ブラック
(週刊新社会)


 2019年8月14日、全国紙がニュースを配信した。「お盆の帰省ラッシュ真っただ中の東北道・佐野サービスエリア(SA)上り線で、14日未明から、フードコート、売店の営業が一斉にストップした。同SAを運営する、栃木県佐野市のケイセイ・フーズの従業員がストライキを起こしたため。トイレや自動販売機の利用は出来るものの、一部の屋台以外の飲食はできず、お土産も買えず、利用者は困惑している」などの記事だ。

 労働者が「佐野SA上り線の運営会社ケイセイ・フーズ社長の経営芳針についていけません。これは従業員と取引先のみなさんの総意」、「解雇された部長(組合委員長)と支配人(同書記長)の復職と、経営陣の退陣」を求めていることが綴られた。

 「北関東にある名も無いSAのストライキ」はセンセーショナルとなつて、全国を駆け巡り、ストライキは、8月14日から9月25日まで、42日間続いた。


 争議の収拾で、ケイセイ・フーズ労働組合の加藤正樹委員長(総務部長)の解雇は解かれたが、スト解除直後に再び解雇が書い渡されたものの、二度目の職場復帰を果たした。
 しかし、運営会社のケイセイ・フーズ(地元建設業者から別の建設会社に譲渡)は、どうしても解雇したくて、11月6日から自宅待機を言い渡した。
 福田紳一社長は、加藤委員長をどうしても懲戒処分にしたかったようだが、届いたのは「懲戒解雇」ではなく「普通解雇」だった。

 会社は、出勤停止や組合員たちへの高額賠償(ストライキが違法とした請求)の脅しを突きつけ、組合員の自宅に組合幹部を批判する怪文書を送付した。
 やりたい放題の不当労働行為がまかり通り、組合は、「出勤停止や損害賠償請求は、組合つぶし」として、栃木県労働委員会に救済を申し立てした。

 その後、支援共闘が立ち上がったが、ケイセイ・フーズとネクスコ東日本との契約更新(20年4月1日)が望めない状況で、組合員の雇用の確保(年配の男女労働者が多くいる)を優先して、積極的な組合行動を控えざる得なくなった。


 ◆ 佐野SA売店、運営会社変更へ4月から

 SAを管理するネクスコ東日本のグループ会社は、SAへの出店に必要な定期建物賃貸借契約をケイセイと結んでいたが、3月末の契約満了後は再契約をしないとした。
 4月1日からは日の丸サンズ(本社・東京・日の丸自動車グループ)と新たに契約を結んだ。日の丸サンズは「地元の雇用確保に最大限配慮し、できる限り引き続き働いてもらえるようにしていく」とした。
 結果的に職場の民主化と雇用確保を指導した組合指導部の3人(総務部長・支配人・レストランマネージヤー)は雇用継続が受け入れられなかった

 新会社に移行しても4カ月余りは旧来の形態で営業を続けた。施設の改良工事が終え、7月20日から、リニューアルオープンにたどり着いた。
 ストライキから1年を迎えた8月16日に、ケイセイ・フーズ労働組合委員長だった加藤正樹さんは本紙に次のように話した。
 「コロナの影響でまだ佐野におりますが、まあ落ち着いております。次の仕事に向けて、自宅で勉強するいい機会と考え、パソコンに向かっているところです。運営会社・日の丸サンズの社風は典型的なブラック体質。4月からは現場の人たちの待遇が悪化しました。分単位の時給の支給が停止するなど、違法なものも多そうです。ラーメンの味も変わってしまいました。よくあるブラック企業という雰囲気になってしまったようです。しかし、みんな一生懸命がんばっています。いつか良い報告ができるといいのですが……」。

『週刊新社会』(2020年9月22日)


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