2020/10/27

コロナ禍の自衛隊、変わったこと、変わらないこと  ]平和
  =立川テント村通信=
 ◆ 朝雲レポート(7/30号〜9/17号)


 ★自衛隊はコロナ事態の中でも厳しい訓練を貫徹するのだ。−暑い夏、各地で展開された訓練記事を読むと、なりふりかまわない軍隊の姿が浮かび上がる。
 富士学校学生270人参加の生死を分ける「近迫射撃研修」(7/30号)、対馬戦闘団初編成による上陸部隊迎撃「ゴーストウルフ作戦」(8/6号)、11、39戦闘団9日間の激闘「矢臼別陸自実動対抗演習」(8/13号)、空自戦闘機・米B1爆撃機の日本海・沖縄空域共同訓練(8/20号)、空自、米3軍の39機参加日本海、東シナ海、沖縄周辺共同訓練(8/27号)。これにはF15、F12戦闘機、E3早期警戒管制機FA18、F35ステルス戦闘機が参加した。
 空自−米軍の訓練移転にともなう共同訓練も8/24から9/3にかけて千歳で展開。三沢・嘉手納・千歳・小牧・入間・美保から参加した米軍・自衛隊2百人は全員宿泊先ホテルから外出禁止だった(9/10号)。


 8/24から9/10の北方実動演習では侵攻対迎撃合計1万7千人、車両5千、航空機30が参加。

 ★河野防衛大臣は、7月20日NATO事務総長・マレーシア国防相と電話会談。「自由で開かれたインド太平洋」維持強化での連携を確認(8/6号)、8月8〜9日には与那国・宮古を視察。マスク姿の隊員を前に「国境防衛の戦略的重要拠点」と訓示(8/20号)。
 8/22には米軍横田基地を訪問。在日米軍司令官ケビン中将と会談し、イージスアショア断念を踏まえ弾道ミサイル防衛で日米連携を合意した(8/27号)。
 9月4日、防衛省は陸上イージス断念で報告書を発表。「米側からブースター落下に関する情報が不十分で、演習場内への確実な落下を検証できなかった」と記述(9/10号)。

 ★「中国脅威ー仮想敵」論が朝雲の思想である。
 「中国の尖閣侵入執拗」が今年度防衛白書の強調点。白書特集号の一面「春夏秋冬」では“毛沢東思想からみた日中関係”をタイトルに村井防大名誉教授が「毛沢東の持久戦論から現在の日中関係を見ると持久戦の最終段階、日本を制圧する段階である」と危機感を煽っている(7/30号)。
 村井は9/3号にも登場し、中国の尖閣諸島奪取作戦を「中国は1000人の死者に耐え、日本は100人の死者に耐えない」と日本国民の損害許容限度を嘆いている。なんだこの防衛大名誉教授は!?

 ★コロナ事態もちょっと出ている
 7月24日、25日、与論島からヘリ3機で陽性患者14名を空輸(7/30号)。
 リムパック訓練は縮小実施。参加艦艇も減少した(8/6号)。
 前期遠洋航海は初の2期制に(8/20号)。
 沖縄本島全域が外出自粛に、8/18知事の要請を受けて20人の医療関係者を派遣、22日1個看護班を増援、あわせて3箇所で支援し、8/31終了した(9/3号)。
 恒例音楽まつりは中止に(9/10号)。

 ★だが新隊員募集キャンペーンはコロナに負けないのだ。
 「コロナ下でも対策万全の体験ツアー」を各地で開催。戦車に試乗し「カッコイイ!」と喜ぶ若者に、職種は多い、技術が習得できる…と誘い言葉の数々。
 旭川では市内ホテルを会場に「自衛隊ガールズトーク」。高校生や社会人23人が参加(9/17号)。

 ★コロナ事態を軍隊はどう戦略的に位置づけるのだろうか?
 その一つの例を示す朝雲紙の天声人語欄「寸言」。「核開発が第二次世界大戦の帰趨を決めた。新型コロナの時代、ワクチンで先行できれば、核兵器と同様に世界の力関係を変えうる。この一件に登場する役者は核情報が盗まれた時とそっくり。コロナの季節は『保全の季節』でもある」と論じている(7/30号)。

 ★8月6日号に載っている寄稿「カナダの教訓」(関西大学教授 桜田大造)が興味深い。
 NATOを通じて準同盟国であるカナダの立ち位置について紹介。米国の隣りだからアメリカと深い関係にある。だが米国に飲み込まれることをカナダは忌避している
 アメリカと異なり国民皆保険を持ち充実した社会保障制度があるカナダ。国防費は低レベルで装備も貧弱。軒並み老朽化した戦闘機を運用し、使用年限を延ばしている。防衛白書も毎年出してはいない。
 反米ではないが、米国に飲みこまれるのを忌避する「自主外交」
 朝鮮戦争や湾岸戦争には派兵したが、イラク戦争支持は打ち出さなかった。タイトルは「防衛コミットメントと能力の乖離を回避せよ」。

『立川テント村通信』(2020年10月1日)



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