2021/1/22

黒いサンタが持ってきたクリスマスプレゼントとは、弁明の機会も与えない異例の「再処分」発令だった  X日の丸・君が代関連ニュース
  《被処分者の会通信から》
 ◆ 黒いサンタと新型コロナと再処分
都立特別支援学校教員 田中聡史

 12月25日金曜日正午、副校長から校長室に来て欲しい、と言われました。過去の不起立について、昨年から3回も「事情聴取を行いたい」と打診を受けていたので、また事情聴取のことか、と思いながら校長室に入ると、中には校長の他に黒っぽい背広をきた教育庁の職員(彼らは何の挨拶も自己紹介もしませんでしたが、おそらく教育庁人事部の職員だと思います。)が2名おり、処分を発令されました。
 内容は、戒告処分2件でした。この処分は2013年3月と4月の卒業式入学式での不起立に対して出されたものです。
 2019年3月に東京「君が代」裁判第四次訴訟の最高裁決定で、それらの不起立に対して出されていた減給処分を取り消された後、1年9ヶ月後に改めて出された、いわゆる「再処分」です。


 東京都教育庁は、私が「事情聴取を行う際は代理人弁護士を同席させて欲しい」と要請していたにもかかわらず、結局「事情聴取」すら行わず、突然処分を発令しました。

 私は、「弁明の機会も設けずに処分するのは不当だ」と抗議し、発令通知書等は受け取ったものの、受け取り確認の署名は拒否しました。

 12月25日は終業式でした。昼前に児童を無事に下校させ、疲れ切った体で教室の掃除と消毒をしている最中の呼び出しでした。
 新型コロナウイルスの影響で教育史上最も長かった2学期を終え、教育行政から労いの言葉の一つくらいかけられてもよい時に、抜き打ちのように再処分とは、腹が立つよりむしろ呆れました。

 8月24日月曜日から始まった今年の2学期は、丁度4ヶ月で終業式を迎えました。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、遠足などの校外での活動は一切行われず、例年12月に行われる学習発表会も、体育館での舞台発表を行わず、図工美術等の作品を例年通り廊下の掲示板に展示するのみになりました。
 6日間に分散して授業参観に来た保護者が展示を鑑賞し、併せてYouTubeで展示の様子を配信するという、感染拡大防止を前提としたこの学習発表会が、唯一の大きな行事でした。
 やや単調な2学期の18週間でしたが、子供たちは毎日元気に登校し、それなりに学校生活を楽しんでいました。
 12月の保護者会では、「学校が休校にならないだけでもありがたいです。」という保護者の声がありました。平日は子供たちが毎日学校に来て、毎日給食が食べられることの幸せを、今年の春の休校との対比で私も実感しました。

 12月の半ば、私が担任する小学部2年生の児童から、「田中先生はサンタさんにどんなプレゼントをお願いしたの。」と尋ねられました。「大人のところにはサンタは来ないんだよ。」と私は答えました。
 宗教信仰をもたない私にとって、クリスマスは悩ましい行事です。
 クリスマスプレゼントはサンタが届けてくれるのではなく、大抵、その子の親が買ってくるのでしょうが、その事実を子供に教えると子供の夢が壊れる、と言う人がいます。しかし、子供に物をくれるだけのサンタという神様は、そもそも夢のない神様とも言えるのではないでしょうか。
 経済的に豊かな親をもつ子供は高価なプレゼントをもらうことができ、プレゼントがもらえた子供はサンタに感謝します。サンタという迷信には商業主義と格差社会の現実が反映されます

 こんなことを小学2年生に言うのも大人気ないので、私はあっさりと事実だけを答えました。「大人のところにはサンタは来ないんだよ。」
 ドイツでは、「黒いサンタ」というのもいて、悪い子供はプレゼントをもらえずに黒いサンタに懲らしめられるという言い伝えもあるそうです。
 クリスマスの12月25日に、黒っぽい背広を着て校長室に現れ、私に戒告処分を発令した二人の男性は、あたかも「黒いサンタ」のようでした。「国歌斉唱の際に起立しなかった不信心者にはあくまでも懲戒処分をお見舞いしてやる。」と言わんばかりに。

『被処分者の会通信 第131号』(2021年1月14日)


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