2021/4/10

大政翼賛メディアの、トリチウム汚染水海洋放出と五輪聖火リレーの伝え方  ]平和
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4170】「メディア改革」連載第59回=
 ◆ 新聞6社が公式スポンサーの大政翼賛五輪
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 東電福島第一原発で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について、菅義偉首相は7日、「近日中に判断する」と表明した。首相は官邸で全国漁業協同組合連合会の岸会長と会談後、記者団に汚染水の処理は避けて通れない課題だ」などと述べた。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012961671000.html
 菅氏は「風評被害を最小限にする」とも述べた。
 汚染水放出による被害がなぜ「風評被害」なのか。
 7日夜のテレビ朝日「報道ステーション」で、梶原みずほ朝日新聞記者は「22年秋にタンクが一杯になる汚染水は海に流すしかない。菅首相が決断するしかない」とコメントした。
 この人がなぜ出演しているのか理解不能だ。
 FBの投稿を読んでほしい。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173


◎ トリチウム汚染水は「希釈すれば安全」というなら、なぜ、これまでタンクに貯め続けてきたのか。世界につながる海に汚染水を垂れ流すのは暴挙だ
 小出裕章さんが前から提言しているように、汚染水タンクは東電柏崎原発など東電敷地内で保管するしかない

 2013年9月、安倍晋三首相は2020年五輪を誘致する演説で「福島の汚染水はアンダーコントロール状態にある」と断言した。
 記者会見では「原発事故はアンダーコントロールになっている」と答えた。
 東電事件では、原子力緊急事態宣言が今も発令されており、統制不能の状態が続いている

 原発事件に加え、コロナ禍の第4波が襲っている中、聖火リレーが強行されている。報道各社の世論調査では、東京五輪の開催について、反対・延期(延期はあり得ないので選択肢とするのが問題)が今も70%近くある。

 ◆ 池井選手の復活を利用する菅政権と企業メディア

◎ 五輪開催が危ぶまれる中、「五輪代表」を決める競泳の日本選手権で、4月4日、白血病で長期療養していた池江璃花子選手が女子100mバタフライで3年ぶりの優勝を果たし、400mメドレーリレーの東京五輪代表入りを内定させた。池江選手は涙を流しながら「つらくても、しんどくても努力は必ず報われるんだな、と思った」とコメントした。
 池江選手は2019年2月に発病を公表し、治療を乗り越え昨年3月に復帰し、2024年のパリ五輪に照準を合わせてきたが、約1年で日本選手権優勝と東京五輪出場権を獲得したという劇的なニュースだった。

◎ 私も2014年7月、京都で下咽頭がんと分かり、同年末まで、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で放射線治療を受け、がんは消失したと診断された。ところが、昨年3月、同じ部位にがんが再発していると分かり、4月2日に7時間半の咽頭・喉頭・頚部食道の全摘手術を受けているので、大病を乗り越えた池江選手の復活に感動した。

 しかし、キシャクラブメディアが菅政権と共謀して、7月からの東京五輪・パラリンピックが開催されるという前提で、池江選手を政治利用してきたことに注意しなければならない。
 ネットの「リテラ」の<池江璃花子復活劇を五輪強行派が利用、「反対派は池江選手に言えるのか?」の大合唱!>(4月5日)と題した記事が参考になる。
https://lite-ra.com/i/2021/04/post-5845-entry.html

 ◆ 五輪組織委が文春に抗議の愚

◎ 国際水泳連盟(FINA)が飛び込みとアーティスティックスイミングのテスト大会について日本側に中止の可能性を通告したと読売新聞が報道した。
 6日には朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)のオリンピック委員会が五輪への不参加を3月25日に決めていたと分かった。
 カナダは不参加と見られ、欧州各国、米国はまだ参加を決めていない。
 昨年7月23日、五輪組織委は「東京五輪まで1年」イベントに池江選手を起用し、国立競技場からメッセージ動画を配信した。このイベントを演出したのは渡辺直美氏をブタに見立てた演出案が問題になった電通出身の佐々木宏氏だ。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会のメディア威圧も問題だ。組織委は開閉会式の演出内容を明らかにした「週刊文春」に対し、書面で掲載誌の回収、オンライン記事の全面削除を求めている。
https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210401-03-ja

◎ 橋本聖子組織委会長は2日の会見で、「280頁に及ぶ内部資料が(文春側に)入手されており、組織委の秘密情報を意図的に拡散し、業務を妨害した」と述べた。「週刊文春」の加藤晃彦編集長は、開会式の内情を報じることには高い公共性がある」と反論している。
https://bunshun.jp/articles/-/44589
 五輪組織委は、4月1日の毎日新聞に掲載された「五輪『人件費単価』30万円 委託1人日額 肥大化止まらず」という見出しの記事についても、毎日新聞に対し、書面で抗議を行い、紙面及びウェブサイト上で謝罪及び訂正を求めた。
https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210402-07-ja

 ◆ NHKは聖火リレー動画中継で五輪反対の声を消す

◎ 7日の東京新聞特報面によると、NHKがネットで行っている東京五輪の聖火リレーの生配信で、「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」などという沿道の声が聞こえた途端に音声が約30秒、途絶えたことが分かった。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96386
 新聞、テレビで五輪を中止すべきだという論調はほとんどない。これは、東京五輪の「オフィシャルパートナー」に、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞がなっているからだろう。
https://tokyo2020.org/ja/news/news-20160122-01-ja
 また、「オフィシャルサポーター」には、産経新聞、北海道新聞が名を連ねている。
 新聞6社は既に数十億円のカネを出している。在京の大手紙で組織委と契約を結んでいないのは、東京新聞だけだ。ロンドン五輪でマスメディアは1社もスポンサーになっていない。

◎ NHKと日本民間放送連盟で組織する「ジャパンコンソーシアム」は、26〜32年の五輪4大会の国内向けの放送権を計975億円で獲得している。内閣記者会常勤幹事社(19社)のほとんどがスポンサーか放送契約社だ。

 「週刊ポスト」2月15日発売号によると、元博報堂社員の本間龍氏は「五輪史上初めて新聞社がスポンサーになったことは諸悪の根源だ。大事な問題を批判できなくなってしまった。例えば、当初は7000億円とされていた開催費用は今や3兆円を超えている。なぜそうなったか、新聞社がきちんと検証して、そのつど批判すべきだったのにできなかった。もちろん系列のテレビも批判しない」と指摘している。
 五輪報道で、報道各社は、ジャーナリズムの仕事は権力の監視であることを忘却している。日本のマスメディアは発展途上である。


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