2021/4/14

ワクチン研究は軍事研究ではなく、民生研究として重要な課題。それを軽視してきたのは政治の責任。  ]平和
  =軍学共同反対連絡会ニュースレター 第54号=
 ◆ 日本のワクチン開発が遅れているのは、軍事研究を禁止したから?


 3月14日「日曜報道 THE PRIME」での発言が「デイリー」の記事「橋下徹氏ワクチン遅れに『ぼくらの責任もある』開発の“ブレーキ”に言及」に紹介されている。

 それによれば櫻井よし子氏が「ワクチンを作る技術もあるのにいまだに自前で作れていない」と語ったことを受け、自民党外交部会長佐藤正久氏が「国産ワクチン開発は軍民融合の技術で、拒否反応があった。ほかの国はメッセンジャーRNAワクチンは軍と一体で、海外に送る兵士に打つ関係で研究を続けてきた。(日本は)そこを避けてきた。次なる感染症に対しても軍と民の間を取り払ってやるっていうのは政治の責任」と発言、橋下徹元大阪市長は「学術会議が軍事研究の禁止っていうことを言っていて、それを国民、メディアが『おかしい』って言わなかったことも、ぼくらの方の責任もある」と語ったとされている。

 だが、「日本でワクチンができないのは軍事研究をしないから」というのは問題のすり替えでしかない。


 確かに米中などは軍事研究としてワクチン研究を行なってきたのかもしれない。ウイルスを生物兵器として使う場合、味方を守るワクチンは不可欠だからだ。それに対して、日本が国際法で禁じられている生物兵器の研究に関与して来なかったのは誇るべきことだ。

 しかしワクチン研究自体は本来軍事研究で行うべきことではなく、民生研究として重要な課題である。それを日本が軽視してきたことが問題なのであり、その政治の責任を免罪し、学術会議攻撃にすり替えることは許されない

 4月5日の東京新聞が東大石井教授の発言を報じている。
 国立法人医薬基盤・健康・栄養研究所でワクチン研究を統括していた2016年、今のような状況を想定し、未知の感染症に合わせてワクチンを緊急に作る計画を立案し、RNAワクチンの研究を進め、次は人での治験という段階で、国側から『研究費は企業に出してもらってほしい』と告げられ打ち切られたという。

 また日経ビジネス3月30日で塩野義の手代木社長はこう発言している。
 「現状では国内の感染症研究者は非常に少ない。感染症の研究をする人にお金が回らないからです。研究体制や生産体制の構築に、平時から毎年数千億円の規模で基盤整備を進めた方が安い。それには、国のサポートと国民のコンセンサスが不可欠です。」

 ワクチンの問題の根底には、日本が科学研究政策において基礎研究を軽視してきたこと、医療行政において感染症対策を怠ってきたことがある。
 それを軍事研究の問題にすり替えるなどはもってのほかである。 (連絡会事務局)

『軍学共同反対連絡会ニュースレター 第54号』(2021年4月10日)
http://no-military-research.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/04/NewsLetter_No54.pdf
『軍学共同反対連絡会』http://no-military-research.jp/


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ