2021/6/20

第2次『五輪読本』裁判 原告第7準備書面から  Y暴走する都教委
 ☆ 次回口頭弁論 9月10日(金)11:30〜 東京地裁803号法廷

 2021年6月15日、第二次『都教委作成オリパラ読本』裁判第5回法廷に傍聴参加の皆様へ
「都教委等を訴える会」事務局
 本日の提出書面のほんの一部ですが、紹介します。

 ◆ 五輪憲章に反し「選手団(NOC)の旗・歌」を
   「国旗・国歌」と誤って記載した『都教委作成オリパラ読本』


 本件訴訟の主要な争点は、五輪大会における「選手団(NOC)の旗・歌」を児童生徒に「国旗・国歌」として認識させる教材による学習を事実上強制させている被告・都教委の載育行政の実態の法的適否の認定にある。

 (被告の主張は)
 @「日本オリンピック委員会(JOC)」が作成した「五輪憲章」等の日本語訳においては原本英文の「選手団の旗」を「国旗」と訳していること


 A日本国内の新聞等、多くのマスコミ、メディアが「選手団の旗」を「国旗」と表記した報道をなしている事実が「公知のもの」として存在すること
 B文部科学省の教科書検定に合格した教科書において、五輪の表彰式では「競技に優勝した選手の国旗を揚げ」等の記述が掲載されていること。
 C五輪大会参加のNOCの数は200を超えているが,非国家領域のNOCの数はその1割にも満たず、「ほとんどは独立国を母体」としたNOCであるのと比較して「例外」であるので、「一部の例外を除き、国旗及び国歌と同じものを指すから」五輪で用いる旗・歌(曲)を「国旗・国歌」と表現することに、五輪憲章との齟齬は何ら存在しないこと(「被告準面1」19p)(中略)

 〈被告論拠B〉について
 (1)被告・都教委らは「被告準面1」(18ページ)において、文部科学省検定済教科書において、NOC旗を「国旗」とした記述が掲載されている事例(乙21・22号証)をもって、NOC旗を「国旗」とする『五輪読本』の記述は不当ではないとしている。

 (2)しかし、一方で「被告準面1」(19ページ)は、かっては「選手団の旗」「選手団の歌」とされていた「五輪憲章」における表記が、現在は「NOCの旗」「NOCの歌」と変更されていることを、認めている。

 (3)五輪大会場での位置付においては「選手団の旗」「選手団の歌」と「NOCの旗」「NOCの歌」同意義であり、実質において差はない。ただし、「国旗」「国歌」という位置づけは、そうした位置づけをしていたかつての「五輪憲章」の規定が、1980年のIOC総会において削除された経過からも、現在の五輪大会において認めらないものであることは明らかである。

 (4)(5)(6)略

 (7)ところで、被告・都教委は文科省による検定済み教科書に「五輪大会」の表彰式場面の写真に合わせた説明に、「表彰式では競技に優勝した選手の国の国旗をあげ」とのある書証を提示しているが、「五輪憲章」に基づくならば「表彰式では優勝した選手のNOCの旗(または、選手団の旗)をあげ」とすべきことになる。

 (8)そうした公正な記述を許さない力関係下に、検定関係者(教科書発行者や検定官等)が置かれて久しい。ところが、2021年3月26日に結果が公表されたところの高校教科書の2020年度検定においてこれまでにない事態が生じていた。

 (9)高校の新科目「歴史総合」のある教科書で、1964年東京五輪大会の開会式写真に下記の説明を付したところ「生徒が誤解するおそれのある表現である」として、修正指示の検定意見が付されたのだった。「美しい秋晴れの下、参加94か国、約700人の選手が入場行進した」

 (10)修正後、検定に合格した記述は下記の通りとなっていた。
   「美しい秋晴れの下、参加した94の国・地域の選手団が入場行進した」(甲20号証)(中略)

 (11)しかも注目すべきなのは、修正指示の理由が「誤りである(誤記である)」ではなく、「生徒が誤解するおそれのある表現である」という点にある。すなわち「94か国」としたのでは、「生徒が誤解する」とはどういうことか。

 (12)「国」だけでの表記では、非国家領域のNOCによる選手団も参加している競技会であること、さらには非国家領域のNOCによる参加者であろうと国家単位の領域のNOCによる参加者であろうと同等の資格と権利を保障されている、極めて公平な競技会であること、また、国威発揚に直結しやすい国家間の成績・メダル数の競い合いではないこと、など五輪の基本理念に気付きにくく、生徒が不十分な理解で終わってしまう(誤解する)おそれがある、という意味に解される。

 (13)略

 (14)この「歴史総合」教科書に対する修正意見と比して、「乙21,22号証」の事例は「国旗・国歌」がらみの教科書記述の検定がいかに杜撰であるかを、象徴的に示していることになる。この意味で、「乙21,22号証」等をもって、「NOC(選手団)の旗」と表記すべきものを「国旗」と表記することに不都合、不合理はないとする主張は成り立たない。

 (15)さらに、上記@に関連する事柄として、「五輪憲章」では「NOC」の統括する領域を示す語として「country」を当て、憲章第4章以外の英文条項でこの「country」が多用されている事実を、原告はすでに指摘している(原告「準備書面6」15−16ページ)。
 最近の日本社会では「日本製外来語」を含め、カタカナ表記による用語が多用されている状況に鑑み、「国・地域」などという不自然な表記をストレートな「カントリー」表記に転換する事は難しくないように思料される。

 (16)そうした社会的な表記の変換は、マスコミによることが多いが、「第2のジャーナリズム」とも言われるほど全国的な波及力をもつ教育の場を通じてでも可能なはずである。ましてや「なぜ『国・地域』ではなく『country』?」という、児童生徒の当然の疑問に対し、その表記に込められた五輪の理念を話題にし、五輪についての適切な認識の啓発にも資することになる。

 (17)その点で、都教委は全国に先駆けて、上記「15」「16」を実践するに絶好の機会である副教材の制作に着手しながら、逆に『国・地域』表記による「国」の印象付けに乗じ、「NOCの旗」を「国旗」と児童生徒にイメージ付ける教育施策を遂行してはばからない。

 (18)この点からも、原告は被告・東京都の主張の根拠に対し、失当であると厳しく指摘せざるを得ない。



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