2021/7/26

第11回「日の丸・君が代」問題等 全国学習・交流集会 報告資料〔東京C〕  X日の丸・君が代関連ニュース
  =2021「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会特別号=
 ◆ 東京都障害児学校労働組合(都障労組)通信


 〈「日の丸・君が代」強制は、いまも続く〉
 2021年4月16日現在で、卒業式等の「君が代」不起立による被処分者数は、東京都でのべ484人になります。
 2003年に「10・23通達」(裏面に掲載)が発出され、各学校長から所属の教職員に職務命令が出されました。「10・23通達」が出されてから、18年経ちますが、通達前の様子が思い出せないほど学校現場は様変わりしてしまいました。
 コロナ禍の現在、学校で感染予防から「君が代」斉唱ができない現在も、都教委は卒・入学式で「日の丸」を貼り、「君が代」CDで音楽を流させています。
 かつての都立学校では、自由な議論と民主的な学校づくりが行われていたのです。職員会議では重要な問題は、審議事項として時間をかけて議論が行われ、あらゆる問題を話し合ってきました。かつてを振りかえてみましょう。


 〈予防訴訟―組合員がほぼ全員が原告に〉
 「10・23通達」に違反すると、懲戒処分が伴うことを知って、教職員たちは、何とか阻止できないか考えました。
 一般的な懲戒処分の争い方は、不服がある場合は法定抗告訴訟となります。元凶である「10・23通達」を取り消すには、「通達が内部文書」であるので、取り消したりできないというのが裁判所の考えだったのです。裁判闘争を考えた当時、法律に定めがない無名抗告訴訟しかありませんでした。
 「日の丸」で起立して「君が代」斉唱をする必要がないことを裁判で訴えようと、労働組合ではなく、教職員自身が原告になるという「国歌斉唱義務不存在等請求訴訟」(予防訴訟)を起こしました。まだ懲戒処分が起きていないことをあらかじめ訴える、予防的な訴訟です。
 市民の方々もたくさん支援してくださいました。
 都障労組は組合員に、予防訴訟の原告になる人は、弁護士費用を組合負担するという提起をしたところ、ほぼ全員が原告になりました。

 〈難波判決〉
 東京地裁の難波判決では、主文「原告らが勤務する学校での入学式卒業式等の式典会場において、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務のないことを確認する。他省略」という全面勝訴の画期的判決でした。ところが行政法改正により、高裁・最高裁と敗訴してしまいます。

 〈東京「君が代」裁判〉
 予防訴訟は、処分される前に国歌斉唱義務不存在等をあらかじめ確認する裁判でした。これに対して、「君が代」裁判は、受けた処分が不当だから取り消せというものです。これらの裁判では、「なぜ起立できなかったのか」という原告の気持ちを証人尋問で訴えました。一例を示してみましょう。
・教え子に「日の丸・君が代」を受け入れがたいルーツをもつ生徒がいることで、どうしても立てなかった。
・キリスト教の信仰から、「日の丸・君が代」は受け入れられず、心身ともに不調になり、最後は自分の心に従った。
・生徒自身が「日の丸・君が代」で立てない。勇気が欲しいので担任である自分に「一緒に座って」と言い、その信頼を裏切れないから。
・自分の心を偽って「私は大丈夫」と言い聞かせて、今まで起立してきたが、ついに限界が訪れ、心身ともに不調になってしまった。もう自分を偽れなくなってしまった。
・教員の自分が起立することで、モデルとなって生徒を立たせてしまう。
 東京「君が代」裁判第1次訴訟等から、最高裁判決の主文「懲戒処分のいずれも取り消す(他省略)」と減給以上の懲戒処分がすべて取り消されました。戒告は、取り消されていません。

 〈「再処分」〉
 東京地裁で提訴してから最高裁で判決が出るまで、8年以上かかっています。東京「君が代」裁判を闘った結果として、最高裁で処分が取り消されました。すでに退職した者には、「再処分」はできませんが、都教委は、現職教員を再び聴取して、「戒告」に再処分し直したのです。都教委の処分量定変更によって、新たな「戒告」は、かつての「減給」より過酷な処分になっています。こんなこと考えられますか?

 〈パワハラの横行〉
 意見がいえる職員会議がなくなり、その弊害から民間企業で廃止された人事考課制度が導入され、統括校長、校長、指導・主幹教諭、主任教諭、教諭という職階制が導入され、ますます学校現場が分断されています。
 また、毎年新採教諭100人近くを正規採用することなく、辞職に追い込んでいます。学校現場にパワハラが横行するようになっています。

 〈再任用「不起立」者に対するあらかじめの通告〉
 定年退職後に無年金期間が生じることで「雇用と年金との接続」として、希望者全員を再任用職員として採用することになりました。
 ところが、「不起立」した教員が再任用に合格するや否や、不当にも指導部長より年金がもらえる3年後に「雇用はあり得ないので、あらかじめ通知しておく」と言われたのです。

 〈2018年度から「不起立」者ゼロ〉
 不起立しそうな特別支援学校教員には、小学部2・3年生の担任にし、「卒業式等は教室で授業をする」と職務命令を出しています。高校の教員には、「起立」の意思確認ができない者には、担任外しをする方法で、2018年度からの3年間不起立者をゼロにしました。

 〈東京「君が代」裁判第5次訴訟提訴〉
 「日の丸・君が代」強制反対の闘いは、継続的に都教委に対して請願や抗議を行い、学習会や集会を開催しています。
 2021年3月31日「日の丸・君が代」処分取り消し訴訟第5次原告団(原告15人)が懲戒処分の26件(懲戒処分5人10件と再処分13人16件)の取り消しを求めて、東京地裁に提訴しました。全力で応援しましょう。


 ※資料〈2003年 10・23通達〉
● 入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)

1 学習指導要領に基づき、入学式、卒業式等を適正に実施すること。

2 入学式、卒業式等の実施に当たっては、別紙「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」のとおり行うものとすること。

3 国旗掲揚及び国歌斉唱の実施に当たり、教職員が本件通達に基づく校長の職務命令に従わない場合は、職務上の責任を問われることを、教職員に周知すること。

 ※ 別紙 入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針

1 国旗の掲揚について
  入学式、卒業式等における国旗の取り扱いは、次のとおりとする。
(1)国旗は、式典会場の舞台正面に掲揚する。
(2)国旗とともに都旗を併せて掲揚する。この場合、国旗にあっては舞台壇上正面に向かって左、都旗にあっては右に掲揚する。
(3)屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚状況が児童・生徒・保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。
(4)国旗を掲揚する時間は、式典当日の児童・生徒の始業時刻から終業時刻とする。

2 国歌の斉唱について
入学式、卒業式等における国歌の取り扱いは、次のとおりとする。
(1)式次第には、「国歌斉唱」と記載する。
(2)国歌斉唱に当たっては、式典の司会者が、「国歌斉唱」と発声し、起立を促す。
(3)式典会場において、教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。
(4)国歌斉唱は、ピアノ伴奏等により行う。

3 会場設営等について
入学式、卒業式等における会場設営の取り扱いは、次のとおりとする。
(1)卒業式を体育館で実施する場合には、舞台壇上に演台を置き、卒業証書を授与する。
(2)卒業式を其の他の会場で行う場合には、会場の正面に演台を置き、卒業証書を授与する。
(3)入学式、卒業式等における式典会場は、児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する。
(4)入学式、卒業式等における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとする。
東京都障害児学校労働組合(都障労組)
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