2021/8/6

二重の緊急事態宣言(原子力緊急事態宣言・感染症緊急事態宣言)下のオリンピック  ]平和
 ◆ 祭りのあとで (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 「無理が通れば道理引っ込む」。政治の驕慢(きょうまん)はすでに許されない。
 被ばくとコロナウイルス、二重の緊急事態宣言下のオリンピック。クレージーと言うべきか。

 開会式以来、感染者は爆発的にふえている。競技場と選手村の所在地・東京は一日三千、四千人の感染者。
 テレビをつけるとNHKも民放も「ニッポン!ニッポン!」「金メダル!金メダル!」の絶叫。遠くから祭り囃子(ばやし)の笛太鼓の音が響いてくれば、その音に誘われて出掛けていくのが人情というものだ。
 「危険だ」「集まるな」と首相や知事が言ったにしろ、祭りをやらせているのが政府なのだから、無責任すぎる。外国から何万人もあつめていながら、県境を越えて移動するな、酒を飲むなといっても危機感など醸成されないのは、当然のことだ。


 「原発事故はコントロールのもとにある」と安倍前首相はウソをついて誘致し、コロナウイルスが世界的に広がっても、開催を二年延期にしなかったのは、自分の首相在任を計算してのこと。さらに感染者数を抑えるためにPCR検査を絞り、筋違いの小・中・高の一斉休校を断行。

 小出しに四度にわたった緊急事態宣言など、二代にわたる失政は、国民の安全といのちを守る、とする政治家の覚悟がなかったからだ。医療崩壊がはじまった。閉会式のあと、新たな政治のはじまりにしたい。(ルポライター)

『東京新聞』(2021年8月3日【本音のコラム】)



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