2021/8/6

7月30日夜、スガ首相就任以来15回目の記者会見も、蛇顔・特高顔で台本棒読み。  ]平和
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4262】「メディア改革」連載第70回=
 ◆ “五輪本土決戦”で東京コロナ感染3千人超え
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 ◆ 菅首相は「人流減少」「高齢者感染4%」強調で危機感ゼロ

◎ メルマガでの連載も70回になった。この間、安倍晋三前首相と菅義偉首相とキシャクラブメディアの共犯関係について何度か書いてきたが、“パンケーキ仲間”の内閣記者会(正式名・永田クラブ、官邸クラブとも呼ばれる)の一部記者は、菅氏のあまりに無責任な態度に抵抗を開始したようだ。

 菅氏は7月30日夜、首都圏3県と大阪府にコロナ緊急事態宣言を拡大し、東京都と沖縄県を延長することを決めた後、記者会見した。
 菅氏の官邸での会見は就任以来15回目だ。菅氏は冒頭発言の後、幹事社2社を含め記者13人の質問を受けたが、いつものようにボソボソと官僚が用意した台本を棒読みするだけだった。


 今回も、菅氏は記者の質問の時から黒い表紙の台本に目を落としており、フリーランス記者以外はすべて“仕込み”質問だった。
 菅氏は冒頭発言で、感染急拡大を認めながら、「人流(人の流れ)が減っているのは事実」「ワクチンで高齢者の感染は減っている」などと強調した。
 「最後の宣言とする」と強調したが、危機感が全く感じられない。どういうメンタルをしているのだろうか。
 対策は、ワクチン、飲食店の休業、会話するときにマスクの着用、「簡素」(言葉がおかしい)な審査での給付金、不要不急の外出の自粛などを呼び掛け、「普段の仲間以外と会わない、都道府県を超える移動は慎重に」と述べた。

◎ 「五輪が始まっても、東京の繁華街の人流は減少している」「五輪はテレビで観戦を」と述べたが、一営利企業である国際オリンピック委員会(IOC)のカネ目的のイベントで、外国人が国境を越えて来日し、五輪関係者の259人(8/1現在)が感染している。

 私は千葉県に住んでいるが、友人は4連休で沖縄へ旅行している。五輪強行開催で、「楽観バイアス」が起きていることは間違いない。私の感覚でも、街の人出は全く減っていない。
 菅氏は「こうした」「そうした」「これ」「そこ」を繰り返し、「ワクチンが効くちゅのは…」と「ちゅ」と言うのが耳障りだ。

 ワクチンが職域、大学で進み、1日130万回になったと自慢するが、大企業・マンモス大学学生を特別扱いする接種は、アンフェアだ。皇族でさえ、一般市民の順番で接種している。自治体で公平に接種すべきだ。
 副作用が指摘されるアストラゼネカのワクチンを40歳代用に200万回確保したというが、ワクチンが予定どおり確保できていないからだろう。重症化を抑える新治療薬が29日に承認され、順次配送すると言うが、十分な量を確保しているのか。


 ◆ 「感染爆発」と五輪は無関係と居直り責任放棄

◎ 会見では、小野日子内閣広報官が「記者の質問に移る。一人一問。指名された記者はスタンドマイクに進んでください」などと告げ、「まず、幹事社の北海道新聞の佐藤さん」と指名した。

 佐藤記者は「新規感染者が過去最多を記録する事態になった理由と、自らの責任をどう考えるか。国民の命を守ることが五輪開催の前提としていたが、現在、国民の命と健康は守られているか。五輪はこのまま予定通り開催か」と聞いた。質問の時から、菅氏は台本を読んでいる。
 首相は「東京への交通規制・首都高の1000円引き上げや、東京外への貨物船の入港抑制、テレワークなどの対応によって人流が減少しているということは事実。さらに、抑制をするため、五輪は自宅でテレビ観戦をと要請する」と答えた。
 「ショウコウ」と聞こえたのは、官邸HPの会見記録で、首都高と分かった。貨物船と感染の関係はあるのか。意味不明だ。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0730kaiken.html

◎ 幹事社・フジテレビの杉山記者が「人流が減り、ワクチン効果が出ていると言うが、そうであれば、東京でこれだけ感染が拡大することはないという見解があるが、どう考えるか」と聞いたが、菅氏は「五輪は当初18万人が来る予定だったが3分の1に減らした。国民と接触することのないように規制しており、感染拡大の原因になっていない」と強弁した。

 4番目に指名された神戸新聞の永見記者は「首都圏や関西などで医療崩壊の恐れが指摘されている。どう対応するか」と聞いた後、「先ほど(幹事社の)感染再拡大を招いた責任について答えていないので、それも併せてお願いした」と聞いた。これは、会見で禁止されている「更問」で、いいことだ。
 菅氏は「波を早く収めることが一番の責任」と回答をはぐらかした。

 続いて、フリーランスの江川紹子氏は「人流を減らす具体的な目標と、実現するための方法は」と質問。
 菅氏は「車の規制などで都と連携している。無観客にならない場合で、対策をとった」と答えた。
 江川氏は自席から「具体的な目標は、今の目標は」と再質問。菅氏は「ですから、大会で東京へ集中する人流を防いでいる。そこはできている」と回答した。

 江川氏は「尾身会長に…」と発言。ここで、小野広報官が「自席からの発言はお控えください」と制止したが、同席していた政府分科会の尾身茂会長が「今、ワクチンのことですよね」と聞き、江川氏は「まず、人流をどれぐらい減らすか」と聞いた。
 尾身氏は「人々がコロナ慣れ、宣言慣れ、夏休みがあり、お盆があり、4連休があり、五輪があるということで、なかなか危機感が伝わりにくい状況がある」などと詳しく答えた。


 ◆ 次期衆院選で安倍禅譲・菅政権を倒し新たな政治を

◎ 小野広報官から最後に指名された「Janes Defence Weekly」東京特派員の高橋浩祐氏は「デルタ株の猛威について、あまりにも甘い見通しが感染爆発の背景にある。根拠なき楽観主義の下で五輪を開催していることが感染を引き起こしている。感染の波、止められずに医療崩壊して、救うべき命が救えなくなったときに、総理の職を辞職する覚悟はあるか」と聞いた。

 菅氏は「水際対策はきちんとやっている」「五輪は海外の選手の人と入ってくる方たちと完全にレーンを分けている」と答えた。
 小野氏が「それでは」と言って終了させようとしたが、高橋氏は「辞職の考えについては、その覚悟について教えてください」と再質問。
 菅氏は「感染対策をしっかり対応することが私の責任で、私はできると思っている」と答えた。
 まだ多くの記者が挙手している中、小野氏「以上をもちまして終了させていただきたい」と告げて、会見を閉じた。

◎ 小野氏は昨日、質疑応答に入る際、「自席からの発言禁止」を言わなかった。初めてのことだ。
菅氏は過去数回、記者の自席からの更問に答えている。小野氏の傍若無人の司会ぶりが通用しなくなっている。

 会見は1時間6分で終了した。菅氏の回答は、冒頭発言や27、29日のぶら下がりで言ったこととほとんど同じだった。
 菅氏は「テレビ観戦で人流が抑えられている」と言う。小池百合子都知事も「テレビの視聴率が高い」と記者団に述べた。
 テレビを見ているから、外出が減っているという理屈は通用しない。
 菅氏の会見の後も観光地などの人出が減っていない。

 東京の感染者は8月1日の日曜日も3058人で、日曜日としては初めて3000人を超えた。1日の感染確認が3000人を超えるのは5日連続。全国は1万177人で、4日連続で1万人を超えた。
 この会見でも、菅氏の蛇顔・特高顔は怖い。
 菅氏は「国民の命を守れなければ五輪は開催しない」と国会で何度も明言していた。
 感染再拡大で、責任をどうとるのかにも答えなかった。次の選挙で鉄槌を加えるしかない。


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