2021/9/20

公立高校普通科の場合「男女半々」が自然。男女別定員撤廃ではなく「男女定員同数」に向けて努力すべき  ]Vこども危機
  《尾形修一の紫陽花(あじさい)通信から》
 ◆ 都立高校の「男女別定員」再考、「男女別学」こそ問うべきである
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(東大合格者トップ校は別学が多い)

 先に「都立高校(普通科学年制)の男女別定員制をどう考えるか」(2021.6.23)という記事を書いた。都立高校に「男女別定員」があることに反対運動がある。それに対して、東京の場合「私立女子高校」が多いためやむを得ないのではないかという自分の考えを書いた。その後、ジェンダー平等を求める弁護士らが「性差別」とする意見書を6月28日に公表した。また朝日新聞7月25日付「フォーラム」欄で「男女別定員は必要か」という大きな特集記事が掲載された。それらを読んで、もう一回書きたいと思ったのである。

 それらの記事では「公立高では都立入試だけ」と大きく報じられている。まるで東京の高校入試制度にだけ全国唯一の「性差別」が存在してるような感じである。


 しかし、東京に「男女別定員」があるということは、すべての都立高校が共学だということである。近隣県では「男女別学」のところがある。「別学」なら当然のことに「男女別定員」は存在せず、性別に関係なく成績順に合皮が決まるのみである。男女の合格ラインの差は生じない。

 東京の「男女別定員」を問題にする人は、何故か全国の公私立高校に「別学」が沢山あることは問題にしない。どうしてだろうか。性別によって進学できる学校が制限されているということは、男女別定員制よりも遙かに重大な性差別だと僕は思うのだが。
 そもそも「男女別学」は憲法に反しないのだろうか。「お茶の水女子大学」「奈良女子大学」のように国立の女子大が存在してるんだから、違憲ということはないのだろう。まして私立学校の場合は、私立学校法で「私立学校の特性」「自主性」を認められている。

 しかし、公立高校の場合はどうなんだろう。戦前はもちろん別学というか、そもそも性別により制度そのものが違った。戦後改革で新制高校が発足したとき、西日本は共学になったところが多いが東日本では別学が続いたと言われる。それはGHQの教育に関する「指導」が東西で異なっていたからと言われたりするが、詳しい理由は知らない。東日本でも近年共学化が進んだところが多いが、それでも北関東には別学が残っている

 埼玉県では浦和、熊谷、川越、松山、春日部高校が男子校である。一方で女子校として、浦和第一女子、川越女子、春日部女子、熊谷女子、鴻巣女子、松山女子などがある。
 群馬県でも前橋、高崎、大田、渋川、館林が男子校で、それぞれの地域に同名の女子校がある。
 栃木県でも宇都宮、足利、栃木、真岡、大田原などで別学になっている。(足利は共学化の予定。)
 不思議なのは茨城県で、水戸第二高校、日立第二高校では「制度上は共学」なのに男子は一人もいなくて「実質女子校」なのである。

 他にも公立の別学高校はあるし、前記高校でも定時制課程では共学というところが多い。校名を見ると、女子校(実質女子校)は「○○女子」とか「第二」を名乗っている。男子校が「○○男子高校」と名乗ることはないのである。埼玉県立浦和高校は東大合格者数で公立トップになることもある難関校として知られている。しかし、その高校を女子が受験することは出来ない。僕にはこっちの方がずっと重大な性差別だと思うがどうなんだろうか。

 大阪では近年になって「男女別定員」を止めたという。その結果男女比のアンバランスが生じているという。
 もし東京で「男女別定員」を取っていなかったら、旧制中学につながる高校(日比谷、立川、両国、戸山、小石川、新宿等)は「実質男子校」、旧制高等女学校につながる高校(白鴎、竹早、駒場、富士、三田、小松川等)は「実質女子校」になっていた可能性があるのではないだろうか。
 それが戦後になって「ほぼ半々」の男女別定員を設けたことで、「都立高校は共学」という考えが定着した。70年代に白鴎高校に入学した自分は、府立第一高女だった過去は歴史が古いという証と思っていただけである。

 上記にあるように、東大合格者が多い高校には別学私立高校がズラッと並んでいる。単に成績優秀者がもともと集まっているのかもしれないが、成績上昇のためには「別学」の方がいいのかもしれない。
 しかし、公立高校の場合は「男女がほぼ半々」であることが望ましいのではないか。
 もちろん高校には様々なタイプがある。専門高校では男女比が異なることが多い。工業高校は男子が多く、商業高校は女子が多い。それは日本の現実社会の反映だろう。そのこと自体も問い直す必要があるが、受験希望者が選んでいるのだから仕方ない。
 一方「普通科」高校の場合は男女半々ずつが自然だと思う。

 もちろん体育の授業や運動部の活動は男女別になる。しかし、学校行事や生徒会活動に男女共同で取り組むことは「男女共同参画社会」へ向けた若い世代のトレーニングとして欠かせないと思う。
 もっとも今の都立高校の募集要項では、男子の方が定員が多くなっている。それは前回記事で書いたように、東京に私立女子高校が多いためである。公私で協議して取り決めるので、なかなか変えるのも大変だと思う。
 しかし、僕はそこはおかしいと思う。「男女定員は同数」に向けて努力するべきだ。そのために経営上の問題が起きる私立高校の方で共学化を目指すべきだろう。しかし、「男女別定員」そのものは「男女共学」を担保する制度だったのではないだろうか。

『尾形修一の紫陽花(あじさい)通信』(2021年09月10日)
https://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/98bf586d87356efe5a9b2e0d6b8ba2d7


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