2021/9/30

石炭産業の末路に学ぶ、原発撤退の安全な道筋  ]Xフクシマ原発震災
 ◆ 廃炉交付金 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 自民党総裁選で、河野太郎候補が原発再稼働を認めながらも、核燃料サイクルの将来には否定的発言をしている。自民党内にも使用済み燃料の再処理を否定する理性的な正論がでてきた。脱原発運動のひろがりである。
 総裁決選投票で河野候補が勝利するのか、岸田文雄候補が派閥の駆け引きで首相の座に就くのかは不明だ。が、当面の原発政策が原発利益集団の破滅的な欲望にまだ従うとしても、六ケ所村の再処理工場廃棄の声は高まりそうだ。なにしろ事故続きで、完成の見通し困難な「世にも不思議な工場」なのだ。

 最近、わたしは石炭産業の末路を思い起こしている。
 いまは地球危機の元凶とされているが、産業革命を牽引(けんいん)し「産業のコメ」と言われた。「未来のエネルギー」を喧伝(けんでん)した原発もいまや斜陽。


 斜陽になった炭鉱では重大事故が続発していた。
 一九八一年十月、北炭夕張ガス突出事故九十三名死亡。
 八四年一月、三井有明鉱火災事故八十三名死亡。
 翌八五年五月、三菱南大夕張鉱爆発事故六十二名死亡。
 零細炭鉱はスクラップ化、財閥系の炭鉱は補強されたが、事故続きで破綻。政府は「閉山交付金」を支給して政策転換を図った。

 終わりの見えてきた最大の恐怖、原発の維持管理が不安だ。「廃炉交付金」を制度化して、安全な撤退の道を早急に検討しよう。

『東京新聞』(2021年9月28日【本音のコラム】)




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