2021/10/18

根津公子の都教委傍聴記(2021年10月14日)  Y暴走する都教委
 ◆ 闘いの成果!
   〜小山台・立川高校夜間定時制は来年度も生徒を募集
(レイバーネット日本)


 今日の議題は、公開議案
   @来年度都立高校等の第1学年募集人員等について
   A来年度都立特別支援学校高等部等の第1学年募集人員について、
 公開報告
   B請願について
   C「2021年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査」について。
 非公開議案は3件の懲戒処分等について。

 @来年度都立高校等の第1学年募集人員等について

 ・懸案とされてきた小山台高校定時制及び立川高校定時制は、来年度も生徒を募集する。
 ・両国高校、大泉高校は高校段階での募集を停止し、附属中学校の生徒募集を拡大する。再来年度は白鴎高校も同様に募集停止とする。


 「併設型(中学+高校)の高校・附属中を停止するのは何か支障があったからなのか。また、今後は中高一貫の中等教育学校にしていくのか」との質問があったが、「中等教育学校にしていくかは検討していない」とのこと。明確な回答ではなかった。

 B請願は、小山台高校の廃校に反対する会、立川高校定時制同窓会、立川高校定時制の廃校に反対する会が提出した、「閉課程を中止し両校の存続」を求める請願。29196筆の署名も提出されている。
 都教委は「都立高校改革推進計画」(2015年)で4校の夜間定時制高校の閉課程・廃校を決め、すでに雪谷高校(大田区)、江北高校(足立区)の夜間定時制を廃校とした。
 小山台高校、立川高校については、反対する闘いがあり続けたことで、都教委は今なお廃校にできないのだと思う。今日も会の人たちが傍聴されていた。

 請願は、「小山台定時制には外国籍あるいは外国につながる生徒が半数以上在籍し、学校そのものが多文化共生の場となっていて」、それを維持させてほしいと言う。
 学ぶ権利・生きる権利を保障するのは都の責務。社会的弱者に手厚い保障をすべき、と思う。
 そうでなければ、「多文化共生」はオリパラ教育だけの机上の空論となる。

 しかし、都教委は応募倍率の低さを理由に、新設するチャレンジスクールに進めばいいと言う。北村教育委員の発言はそれに加担するように、「強い希望通りに存続できればいいが、チャレンジスクールをつくってそこに行けばいい。閉課程は仕方ない。多文化共生を継承する学校を都教委は提示するように」。
 何の説得力もない。

 C「昨年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査」

 昨日、全国の調査が報道された。ここでは、都の報告。
 ・暴力行為のうち、対教師暴力の発生件数は2016年以降、中学生が減少し小学生が上昇。今年は小学生が211件、中学生は70件。暴力行為全体では、中学生の加害が多い。

 ・いじめの認知件数は、42538件、昨年度の66%。解消(解決)は77%。
 いじめの認知件数がゼロの学校は小学校で116校(9.1%)、中学校は80校(12.8%)、高校は201課程(85.2%)、特別支援学校は55校(90.2%)。
 いじめ発見のきっかけで一番多いのは、小中学校はアンケート調査(小67.1%、中46.7%)、高校は本人からの訴え(25.0%)。
 認知したいじめの半数以上を教職員等が発見している(小学校78.6% 中学校61.4% 特別支援学校50.0%)。
 いじめを受けて「誰にも相談していない」が833件(2.0% 小学校678件、中学校151件、高校4件、特別支援学校0件)。いじめ防止対策推進法28条1項に規定する「重大事態」の発生は23件。

 ・不登校出現率は小学校1.06%、中学校4.93%で小中ともに8年連続で増加。不登校の要因は、「無気力・不安」が最多。
 高校の長期欠席出現率は全日制で3.2%、定時制で29.3%。中途退学率は全日制で0.8%、定時制で5.6%。

 ・対策として、暴力傾向のある児童・生徒の実態、抱える問題やその背泳等を把握し、指導助言ができるよう取り組み事例等を周知。多様性や互いの良さを認め合う態度の育成を目指し、日常の授業から児童・生徒が話し合い、合意形成や意思決定を行う場面を設定することを推進。SOSの出し方に関する教育。引き続き、区市町村教委の教育支援センターの新規設置や機能強化を図る取組みや不登校特例校の設置を進める取組みを支援。児童・生徒一人1台の学習端末を活用した支援方策の検討。スクールカウンセラー等による職員研修や保護者向け講演会の更なる充実。等々を挙げる。

 しかし、7人に1人の子どもが食べることにこと欠き、保護者が子どもと関わる時間を持てない状況を政治が変えない限り、子どもたちの問題行動が改善されることは難しい。この点に及ぶ都教委の対策や教育委員の発言はなかった。だから毎年、調査し対策を立てても、効果がないのだ。

 新井教育委員は次のように発言した。
 「小学校の暴力行為は発達障害に起因するのではないか。小学校の先生の多忙化に拍車がかかるし、他の子どもの学ぶ権利が阻害される。その子の学習権、他の子の学習権、教員の働き方を検討していく。別室でタブレット学習もありか。一緒に学ぶでは、暴力は減らない。」
 これに対して都教委は「一部の子どもが同じことを繰り返す、担任は孤軍奮闘していると複数の学校から報告が上がった」。
 この発言に、私はぞっとした。問題児を切り離す、ことでは、本質的問題解決につながらないばかりか、蔑視・差別意識を助長させてしまうと思う。
 中学校に進学する際には特別支援学級や特別支援学校への進学を進めるのではないか。そうやって互いに学び合い、共生する道を絶つことがやまゆり園事件を起こしたのだ。
 分離せずともに学び生活する中で、子どもたちは互いにうまくかかわりを作っていくはずだ。文科省・都教委は共生共学について、他国から学びしっかり考えてほしい。

『レイバーネット日本』(2021-10-14)
http://www.labornetjp.org/news/2021/1014nezu


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