2021/10/22

裁判所が違憲審査権を行使して憲法秩序を回復し、司法の威信を取戻せるかが問われている  ]平和
 ◆ 安保法制違憲訴訟
   東京高裁での熱弁
(『多面体F』から)
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天気のよい日は、裁判所前でアピールをしている(写真は7月5日の第3回期日)

 10月1日(金)朝、台風16号が関東に接近するなか、東京高裁101号法廷で安保法制違憲国賠訴訟控訴審第4回口頭弁論が行われ、傍聴した。台風の雨が降り始めたので、ひょっとすると無抽選入場かと内心期待したが、定員35人のところ2人オーバーだった。幸いにも当選だった。

 安保法制違憲訴訟は、東京以外にも、札幌、大阪、沖縄など全国22地域、東京のように複訴訟のところもあるので25訴訟が提起され、原告総数は7699人に及ぶ(2021年10月現在)。高裁まで進んでいるものも15あるが、残念なことにすべて敗訴している。
 この日は、裁判体の変更で弁論の更新手続きだった。7月までの白石史子裁判長は札幌高裁長官に転任し、


 水戸地裁所長だった渡部勇次裁判長が着任した。この日、原告代理人は寺井弁護士、福田弁護士、杉浦弁護士、など20人近く勢ぞろいされていた。
 弁論の更新は、裁判長が「従前の口頭弁論の結果を陳述しますね」と一言いうだけで、進んでしまうことも多いのだが、この日は代理人5人と原告2人の陳述が90分ほどあり、傍聴者としては得した気分だった。

 裁判所の敷地内では、資料やパンフの手渡しや署名活動を止められることが多い。だがこの裁判では101号法廷で珍しく原告団が資料を配布していた。この資料をベースにその一部を紹介する。
 とてもしっかりした資料で、400字詰め90枚近くあり、ほんの17%程度しか触れられない。ただし、全文朗読すると時間的にムリなので、草稿の一部だけ主張した代理人もいた。
 またこのブログ記事よりはるかに手厳しい原判決への批判が並んでいるので、関心のある部分だけでもぜひ☆違憲訴訟の会のこのサイトや、☆報告集会の動画を参照いただきたい(なお、かな・漢字など表記は当ブログの基準に合わさせていただいた)。

 まず原告陳述で体験に基づくお話をされたが、先に福田弁護士の新安保法制の問題点とこの裁判がもつ意味を紹介したほうが理解しやすいので紹介する。


 ◆ 新安保法制で何が変わったのか、私たちはどこにいるのか  福田護弁護士

 新安保法制以前、日本は自分の国土が攻められなければ、戦争(武力の行使)をできなかった。しかし以降、他国が攻められた場合でも戦争に参加できるようになった。
 これにより、日本における戦争への機会と危険が拡大した。これは、日本国憲法の平和主義原理の根幹にかかわるの法構造の変更であり、これが違憲ではないかを本件で問うている。
 2015年9月19日未明、参議院で与党議員が委員長席に押し寄せ取り囲み、速記に「議場騒然、聴取不能」としか記録されない騒乱のなか、強行採決された。
 このできごとは、国のかたちを変えてしまうほど、この国にとって大きな選択だった、その選択が、憲法上誤りではなかったかが、この裁判で問われている。
 この法律が通ってしまった現在、大部分の国民は、自分で戦争を回避し平和を確保する手立てをもたない。
 原判決の基本的問題点についての解説もあったが、後の棚橋弁護士、古川弁護士、伊藤弁護士の報告に譲る。

 2人の原告本人から陳述があった。

 ● 土田黎子さんは80歳近いお年の方で、45年7月の仙台大空襲時3歳8か月、母の背中に負ぶわれ山の方に逃げ、幸い家族6人そして家も無事だった。父の友人の遺体が畳で運ばれてきた。その畳のヘリに白いウジムシがびっしりとついて蠢めいていた情景、戦争というとこの情景を思い出す
 土田さんの父は教会の牧師で、特高警察の監視が厳しく信者は教会から遠ざかり日曜礼拝には特高警察だけが出席しているという異様な光景だった。不安で重苦しい空気が幼少期を覆っていた。
 日本は平和憲法を今こそ生かして平和を輸出する国であってほしい。戦争を実際に見た一人として、強く願う。

 ● 新倉裕史さんは軍港・横須賀の生まれ育ちだ。
 海上自衛隊と在日米海軍の両方が横須賀市街地の中心に存在する。19年5月にはトランプ大統領と安倍首相が横須賀に来て護衛艦「かが」の艦上で会見した。横須賀は日米軍事一体化を象徴する街で、安保法制後のこの国の軍事化が可視化される街だ。自分の目で軍事化を確認しカメラで撮り、現場の兵士の声を聴く努力を続けてきた。
 現場で感じる安保法制の問題のひとつが米艦防護だ。米艦防護は、国会に諮ることなく防衛大臣が発令でき、マスコミへは原則非公開なので、なんでもできる。初めて実施されたのは2017年5月、米補給艦リチャード・E・バードを護衛艦「いずも」が防護したことだった。20年までに57回実施されたが、すべて非公開だったので国会も社会もチェックもできないままだ。
 今年8―9月に、日、米、英、インド、オランダの5カ国で少なくとも7回の共同演習を実施し、英空母「クイーン・エリザベス」が横須賀に入港した。こうした共同演習・海外寄港は、軍事を外交手段として活用する「砲艦外交」の具体化だ。
 自衛隊の実戦部隊化の中で、自衛官も同じように苦しんでおり、イラク、インド洋への海外派遣で53名の自衛官が自殺している。ミサイル攻撃への避難訓練も実施されており、安保法制は基地の街・横須賀の住民・自衛官に、これまで以上の困難を強いるものだ。


 ◆ 集団的自衛権行使容認の違憲性  棚橋桂介弁護士

 従来の憲法解釈では、自衛権発動の3要件
   @我が国に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと、
   Aこれを排除するために他の適当な手段がないこと、
   B必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
 とされ、自衛隊の実力行使は、つねに相手方からのわが国に対する武力攻撃を受けて開始される受動的なものであり、かつ、その行動範囲が基本的にはわが国の領域内にとどまるので、専守防衛、海外派兵禁止という歯止めがあった。
 また集団的自衛権について、1972(昭和47)年政府見解などで、わが国以外の第三国に別の国から武力攻撃が加えられても、これによってわが国の国民全体の生命等に危険が及ぶことはありえないから憲法上許されないとしてきた。
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