2022/5/22

コロナ・新学習指導要領・ギガスクール・・・多忙化で、教育現場からは悲鳴  ]Vこども危機
  《予防訴訟をひきつぐ会通信「いまこそ」から》
 ◆ 現場からの報告


 (1)村石さん(大田区小学校)

 コロナで学級閉鎖になる場合でも、まずは区教委がオンラインで保護者に通知。その後オンラインの授業になり対応が大変。また遠足の実踏に参加した教員が、朝タブレットでクラスに向かって「朝の会」指導をやるなど、多忙化もここまで?という感じ。
 多忙化の原因は、まずは学カテスト、オリパラ教育、いじめ対策のアンケートや面談など、無駄な施策がどんどん現場に来る。キャリアパスポートなどもその一環。

 さらに新学習指導要領実施で多忙化が増す。小学校3・4年は1時間、5・6年には2時間の英語が入る。免許もないのに担任が主になって授業を行う。
 朝の時間に15分入れるとか、唯一空の水曜の6時間目に詰め込む、土曜授業に入れるなど、もう時間割はパンパン状態


 1998年に「ゆとり教育」が導入されたが、「学力向上」が叫ばれ授業時数増に(2008年)。2017年には英語導入で3年生以上は週1時間増。
 「生徒の悩みを聞く時間がない」「教材研究をどこですればいいのか」「行政に提出する無駄な書類が莫大」など現場からは悲鳴が上がっている。


 (2)藤田さん(世田谷区小学校)

 子どもたちに貧困が広がっている。
 「生きる冒険地図」という本がある。「近くにたよれる大人がいない中を生きている子どもたちの生きる工夫と知恵を描きこんだヒント集」という触れ込みだが、読むと自衛隊の説明があり「寮などがあって給料も良くて・・」と描き出す。まさに「貧困のため軍隊に行きつく」実態が生まれつつある。

 世田谷で佐藤学氏の講演があった。
 彼はその中で「ベルリンの壁崩壊以降、探求型総合学習が主流になったが、日本は出遅れた。35人学級が実現しても世界では最下位。またギガスクールなどと言って教育の民営化が進み、民間委託学校が生まれてくる。効率化が進み、日本の教育が劣悪化していく」と述べている。
 教員の時間外労働は本当にひどくなっている。何とか是正しないと。


 (3)田中さん(特別支援学校小学部)

 私の1日は、5時起床、6時半家を出る、7時半学校着(勤務時間1時間前)、そして夜7時過ぎに帰宅、である。
 学校では休憩時間もとれない。体調崩して教員が休むと、他の教員にしわ寄せが行き、同僚同士の雰囲気が悪くなる。休暇を取るという権利もとりにくく、社会問題に目を向けるゆとりもない。それを放置している教育行政も怠慢だ。
 4:55に勤務が終わるが、私はそれから1時間ほど仕事をしてから帰る(勤務時間1時間後)。でも多くの方が残っている状態。

 勤務時間中は当然緊張の連続。ティームティーチングあり、児童の着替えの援助とか安全管理あり。児童を帰宅させた後も雑用が多い。自分が帰宅するまでに夕食の買い物なども済ませ、夕飯を取り風呂に入るともう9時過ぎ。少しメールチェックなどをした後11時には寝るようにしている。
 こういう非人間的な状況を行政はなぜ放置するのか。


 (4)山ロさん(都立高校)

 都立高校の入試の日、人身事故があり、都全体が試験開始を1時間遅らせた。そのため試験終了が4:40となった。朝早いため当然勤務時間を超えた。
 最後の打ち合わせで、私は「超勤の分はどうなるのか」と軽く質問。対応した副校長は「超勤4項目の災害扱いで、まげてご理解を」などと回答。
 その時感じたのは、他の教員が「超勤」ということに全く無関心だということ。さらに、対応した副校長がその後泣いていた!私は別に強い調子で詰問したわけでもないのに・・
 とにかく管理職もいっぱいいっぱいなんだと感じる。

 ギガスクールの研修がオンラインで行われたが、今後は試験の採点作業もなくなるかも。というのも、共通テストを実施し、機械で採点を行うからと!元教員の夫に話したら「それじゃ、生徒がどこで間違えたかわからないじゃないか」と。まさに教育ではなくなる。
 私は教員として、超勤になってもいいからやりたい、と思う仕事もある。そのためにはゆとりが必要。まず持ち時間を今の18時間から14時間以下に、クラブ活動も時間制限をしてほしい。
 ※この後、都高教青年部ニュースに載ったアンケート結果(職場実態)を紹介。


 ◆ 交流の場で

 A:文科省は働き方改革に関わって、調査・報告を求めているがやめさせるべき。学習指導要領の、とりわけ思想的・政治的なものの法的拘束力を外すべき。

 B:英語を小学校から導入してエスカレートしている感じがするが。

 C:3・4年は英語の成績をつけないが、5・6年は成績をつける。中学ではさらに高度なところから始めることになり、生徒の負担も増えるだけ。

 D:現任校では、年2回誰かの授業を見て学ぶことが推奨されている。カタチだけ真似ても仕方ないので、私は見に行かない。また、退職後の非常勤教員の採用試験を受けたが、面接で「若手の先生への指導をどうするか」「働き方改革と指導方法の研修との両立をどう考えるか」等々としっこく聞かれ「それを現場でやれと?行政がやるべきでは・・」と答えたら落ちた(併願していた再任用はOKだった。非常勤の合否基準はブラックボックスのようだ)。

 E:今、若い教師が社会的な問題を話し合う雰囲気はないのか。免許更新制がなくなっても研修漬けになるのでは

 F:退職後30年以上になるが、今でもオンラインで勉強中。給特法が導入される時、自分がきちんと闘わなかったことが悔やまれる

 G:ウクライナについてはむしろ生徒の関心高い。「先生、第3次世界大戦始まるの?」「戦争ダメだよね」等と言ってくる。また埼玉の超勤裁判をネットで知り、私に聞いてきた20代の教員もいた。彼らも期待し、希望をつかみたがっていると感じる。免許更新制だが、若い人は今でも官製研修漬け。でも「よかった」という感想はない。この間も「免許更新制なくなるとバーターで研修が日常的になりそう」と聞いて「な〜んだ(やっぱり)」との反応。やはり彼らの気持ちに寄り添う必要があると思う。
   (まとめ:加藤)

『いまこそ no.25』(2022年4月27日)


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ