2022/5/16

ネットもリアルも対象の「侮辱罪」法定刑の引き上げは、権力者にとってこんなに好都合  ]平和
 ◆ 立憲民主党の鎌田さゆり議員が鋭く指摘、
   政府は侮辱罪の法定刑引き上げを撤回すべき
(レイバーネット日本)


みなさま 角田です。
 4月27日の衆議院法務委員会の質疑はよかったです。面白かったといえば不謹慎と言われるかもしれませんが、面白かったのは事実です。
 特に、立憲民主党の鎌田さゆり議員の質問はさえていました。政府提出の刑法「改正」案の問題点を鋭く突き出しました。

 鎌田議員が、街頭演説をしていたところ「お前、婆ぁだからとっとと消えろよと言われた場合」、私はこれは侮辱と感じたので、私による現行犯の私人逮捕は可能ですね、と質問。
 これに対して、回答をにごらせていた大臣、警察庁もくいさがる鎌田議員の質問に、最終的には逮捕は可能と認めざるをえませんでした


 現行の侮辱罪は、法定刑は「拘留(30日未満)、科料(1万円未満)」です。この場合、基本的に逮捕・拘留はできません
 というのは刑訴法213条で、住所不定か逃亡の恐れがある場合しか、逮捕・拘留はできないと規定されているためです。しかしこの法定刑が引き上げられ、懲役か禁固1年以下、罰金30万円以下になると、逮捕・拘留できるようになります

 鎌田議員の質問の鋭いところは、政府の侮辱罪法定刑引き上げ案が、SNS、インターネット上における誹謗中傷に限定されず、リアルの現場でも適用されることです。

 立憲民主党の対案は、SNS、インターネット上における誹謗中傷を対象にしようとするものですが、政府案そうではありません。ネットもリアルも対象です。
 そうすると、リアルの現場で侮辱発言をした者は、現行犯逮捕することができます。

 刑訴法213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」としています。
 この何人には、当然市民も含まれます。市民は、現行犯逮捕であれば、犯罪をおかしたものが、市民であれ、警察官でも逮捕できます。

 侮辱罪の法定刑引き上げは、市民が警察官に職務質問などで侮辱的発言を受けた場合、市民が警察官を逮捕できるようになります。ただ、逮捕した場合、直ちに警察に連絡し、引き渡さないと、逮捕監禁罪で市民が逮捕されます。

 侮辱罪は、定義が曖昧で、拡大解釈が可能です。また、人によって、侮辱的発言についてのとらえ方も違います。ある人には侮辱でも、別の人にとっては許容範囲かもしれません。別の見方をすれば、権力者にとっては、侮辱罪で市民などを簡単に逮捕できるということです。

 本来、表現の自由にかかわる規制については、慎重に対応すべきです。
 特に、侮辱罪は「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。」というもので、事実を指摘しないで、不特定多数の人が知ることになる状況で、人を侮辱する(人格的価値に対し、軽蔑した感情を表すこと)ことによって成立する罪です。

 侮辱罪等の表現の自由にかかわるものは、刑法ではなく民亊で対応すべきなのです。
 政府の侮辱罪の法定刑引き上げは、本来、SNS、インターネット上での誹謗中傷で人が自殺するなど重大な問題になっているにもかかわらず、そこに特定した対策をとらずに行うとしているところに問題があります。
 政府は侮辱罪の法定刑引き上げを撤回すべきです。

『レイバーネット日本』(2022-05-08)
http://www.labornetjp.org/news/2022/1651972703841staff01


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