2022/5/24

中国を念頭に置いて米国が旗を振る「経済安保」下で「肥大化する公安警祭」  ]平和
  《月刊救援から》
 ◆ 【焦点】公安警察が一企業を狙い撃ち
   〜「経済安保」の裏側のねらい


 開会中の第二〇八通常国会(六月一五日か会期末です)は、次年度(二〇二二年)予算案が三月中に成立。「サイバー警察局」の新設を決めた警察法の改悪も成立。「侮辱罪」の重罰化と「拘禁刑」に呼称を一本化した刑法の大幅「改正」案の審議が始まっている。
 さらに、岸田文雄自公政権は、摩詞不思義な「経済安保推進法案」を閣議決定の上、国会に上程。この法案、ろくな審議もせぬまま、維新、国民民主、立憲民主も賛成(共産党と、れいわが反対)て四月七日には衆院を通過し、参院で審議中。

 今年二月に公刊された月刊『世界』三月号は、「経済安保の裏側」を特集し、
   @ナショナリズムの論理を経済分野にまで及ほそうとするものではないのか。
   Aアカデミズムや企業の研究・技術開発を軍事に動員しようとするものてはないのか。そして、


   B経済分野でも“軍拡”競争にひた走るということでいいのか。
 と、この法案の狙いを先行的に検証している。

 中でも、青木理の「町工場 vs 公安警察 ルポ大川原化工機事件」は、今から二年以上前の二〇二〇年三月一一日、横浜市都筑区に本社を置く化学機械メーカー・大川原化工機の社長ら三人を警視庁公安部が「外為法」違反の容疑で、デッチ上げ・別件逮捕した顛末について明らかにしている。

 この会社に警視庁公安部が初めて家宅捜索を行ったのは、二〇一八年一〇月三日である。
 業務用のPC、営業書類、社長らの自宅からは個人用のPC、手帳、携帯電話に至るまで、のきなみ押収していった。そして逮捕までの長期間長時間にわたった「事情聴取」を広範に行ってきた。
 この時、警視庁公安部が問題視したのは、二〇一六年に大川原化工機が中国にあるドイツ系化学メーカーの子会社に輸出した噴霧乾燥機だった。
 同種別タイプの噴霧乾燥機の韓国への輸出と合わせて、いすれも不正輸出、「外為法」違反容疑で逮捕。東京地検が起訴。
 逮捕・起訴された三人の内の一人は、東京拘置所内で体調を崩し、その原因が胃がんだと判明しても速やかな治療を受けられず、二〇二一年二月七日に世を去った。

 そして、東京地裁が第一回公判として指定した日(二〇二一年八月三日)の四日前(七月三〇日)、なんと東京地検から驚くような連絡か届いた。
 「起訴を取り消す」というものだった。
 大川原化工機の関係者は、いま国と東京都を相手に国家賠償請求訴訟を起こしている。

 「新型コロナウィルス」感染拡大とパンデミックの深刻化のさなか、この事件は、警視庁公安部と東京地検が「噴霧乾燥機」の分野で有力な一小企業に対して、「生物兵器の製造にも転用可能な化学機械を中国(韓国)に無許可て不正輸出した」(外為法違反)というデッチ上げ捜査で小企業の関係者を精神的にも肉体的にも痛めつけた「権力犯罪」である。
 一時的な「誤認逮捕」とか「誤起訴」とか「人質司法」によるものにととまらない「肥大化する公安警祭」と、中国を念頭に置いて米国が旗を振る「経済安保」が日本でも声高に叫ばれ、この時期、国家安全保障局に「経済班」が新設されている。
 あらためて『世界』三月号の特集の一読をお勧めします。

 ロンアによるウクライナ侵攻は許されない。ロシア軍は、ウクライナ国内から撤兵し、ロシア国内における反戦運動に対するプーチン大統領による弾圧も直ちに止めるべきである。米国・西欧・日本などの「国際社会」は、ロンアに対する「経済制裁」という名の戦争政策は止めて、停戦と平和協議を実現する責任がある。(事務局長山中幸男)

『月刊救援 637号』(2022年5月10日)


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