2008/7/29

国連人権『民の声』板橋高校卒業式刑事弾圧事件  W板橋高校卒業式
 ★ 国連人権理事会へ「民の声」レポート
 板橋高校「君が代」強制反対刑事弾圧事件

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「雨竜沼の朝」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

【事件の概要】


 「君が代強制」反対の意見表明に対して刑事罰が科された事件である。
 東京都教育委員会は、2003年10月23日、すべての教職員に対して卒業式や入学式などに際して、「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することを命じ、違反したものには服務上の責任を問う」という通達(「10・23通達」)を出した。
 戦前の国家主義・全体主義を彷彿とさせるこの「通達」には、教育現場や一般世論から批判や反発が相次ぎ大きな議論となった。
 板橋高校を2年前に退職した藤田勝久さんは、2004年3月11日同校の卒業式に来賓として招待されていた。開式の20分ほど前に、卒業生の入場を待つ保護者席に、「10・23通達」を批判した週刊誌記事のコピーを配り、起立斉唱の強制は思想良心に関わる重要な問題であるとして、理解と協力を求めた
 藤田さんは、校長から退出を命じられて、開式前に会場を後にした。その後、卒業式は何の影響も受けず、近年にない感動的なものとして行われた。それは、生徒が自分たちが主役との自覚が持てる卒業式だったからである。


卒業生は、国歌斉唱時に9割が着席するという行動で自らの意見を表明し、校長や来賓の都議の「立ちなさい」という命令に対してもひるまなかった。またフィナーレに全盲のハンディを乗り越えた一人の女子生徒のピアノ伴奏で、全員が「卒業の歌」を斉唱した。生徒主体の卒業式は、参列者から賞賛を受けたし、藤田さんが望んでいたものでもあった。
 ところが15日後に藤田さんは「威力業務妨害罪」で警察に訴えられたのである。

【問題の所在】

 有形力等を用いない穏やかな言論活動に「威力業務妨害罪」が適用されるのは異例なことである。
 この背景には、東京都教育委員会が強力に推進する「日の丸・君が代」強制政策がある。「10・23通達」直後の卒業式で、生徒の大半が着席するという事態に衝撃を受けた都教委は、着席は生徒の自由意思によるものではなく誰かに扇動されたものであると決めつけ、「犯人探し」を行って何ら関わりのない藤田さんを標的として訴えたのである。
 都教委は、「日の丸・君が代」強制反対の言動に、教職員に対しては処分を、処分ができない一般市民に対しては刑事罰をもって、弾圧を加え「政治的意図」を実現しようとしている
 裁判でも、藤田さんの呼びかけの憲法的意義や法益の保護は顧みずに、「予期せぬ対応を余儀なくされた」行政側の些末な迷惑論を認め、外形的には穏やかで、内容的にも「反社会的・違法」なものを含まない、当たり前の呼びかけに、「威力業務妨害罪」の適用を認めてしまった。
 「憲法」よりも「刑法」を重視し、個人の権利よりも行政の権限を優先させてしまったのである。もし藤田さんの呼びかけが、「国旗・国歌」に関わるものでなければ、何の騒ぎにもならなかったろう。それが「犯罪」にされようとしている。現在上告中である。

【規約違反】

 日本国憲法には、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(19条)、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」(21条)、とうたわれている。
 また、わが国も批准している国連の自由権規約では、18条に「思想・良心・宗教の自由」、19条に「表現の自由」が明記されている。
 行政当局は、これら崇高な人権の理念に目をつぶり、刑法を思想的・政治的言論抑圧の手段として利用しようとしている。一人の退職教員の良心の叫びを「犯罪」として処罰する日本は、明らかに自由権規約に違反し、民主主義社会を崩壊の危機にさらしている。人権理事会における厳密な審査を望むものである。
タグ: 板橋高校


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