2009/4/18

法廷で投げつけた 怒りの数珠と靴  
 ◆ 法廷で投げつけた 怒りの数珠と靴

 原告席に座っていた下川正和さんは、意を決したように、手に持っていた数珠を裁判長に投げつけた。三月二六日、東京高裁で下された「控訴棄却」の主文を聞いた二秒後だった。
 「あなたたちは偽善者だ!」と発言し、今度は右足の靴を脱ぎ、大きく上段にかまえると裁判長に向かって思い切り投げ放った。傍聴席はほぼ満席、通常ならば「法廷侮辱罪」。数珠は裁判長をかすっているので「傷害」の現行犯で衛視に拘束されるところ。「退廷」ですんだのは、司法の側の後ろめたさからだろう。

 一九九八年一一月、東京在住の下川さんの息子、浩央さん(当時二六歳)が全国をバイクで旅行中、熊本県の清和村(当時、現山都町)で、急に左折した乗用車に巻き込まれ接触、事故死した。乗用車を運転していたのは地元の「名士」の娘。
 これを熊本県は、前方不注意の浩央さんが乗用車後部に追突した不注意と実況見分を捏造、浩央さんを加害者に仕立て上げた。


 それから一〇年、正和さんの闘いは、熊本地裁、福岡高裁と続き、自らの工学知識を使った鑑定書は科学的にいっても画期的なものになった。
 そして今回の高裁判決は、熊本県を相手取り「司法の犯罪・癒着」を東京地裁、高裁と訴えた、ひとつの終着点であったのだ。
 「私が犯罪者となっても全国民に訴え続ける」と、二六日の“直接”行動だった。
土井伸一郎・編集部

『週刊金曜日』(2009/4/10 746号【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=577


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