2009/7/31

韓国から杉並区教会へ要請書  ]Vこども危機
 ◇ 『アジアの平和と歴史教育連帯』が杉並区教育委員会へ要請

2009年7月21日

杉並区教育委員会
委員長      大藏雄之助 様
委員長職務代理者 宮坂公夫 様
委 員      安本ゆみ 様
委 員      大橋辰雄 様
教育長      井出覦臓〕ヘ
韓国ソウル市鐘路区〈以下省略〉
アジアの平和と歴史教育連帯

 2010年度使用の中学校歴史教科書の採択に関する要望書

 「アジアの平和と歴史教育連帯」は韓国の民間の様々な領域で活動する64個の団体で構成されており、2001年の創立当時から東アジアにおける歴史認識の共有を通した真の友好関係と平和実現のために活動している団体です。
 韓日両国は古代から様々な交流を通して隣国としての深い関係を築いてきました。近年においても、日本での韓流ブームに象徴される文化交流や人々の往来の増大などにより、両国市民はお互いをより身近に感じるようになりました。しかし、同時に一方では、日本の侵略戦争や朝鮮植民地支配による多くの未解決の課題が未だに影を落としていることから、歴史認識に関連する出来事が起こる度に両国の間に緊張が走るような状況が繰り返されていることも否定できません。


 近年の韓日友好の潮流を持続的かつ確実なものとして定着させ、両国の信頼関係に役立つようするためには、闇と光の過去をともに踏まえた共通の歴史認識が不可欠でありましょう。そこでは国際社会の常識に反しない、真実に基づいた歴史を教える教育が何よりも大切であることは言うまでもありません。

 しかし、先の4月9日に日本国文部科学省の検定に合格した「自由社」の教科書、及びその複製元ともいえる「扶桑社」の教科書は、極めて深刻な憂慮を表明せざるを得ない内容となっています。
 第一、韓国や中国などアジア諸国の歴史を根拠もなく蔑視する形で記述し、朝鮮半島への侵略や植民地支配が朝鮮の近代化を助けたのだと強弁しています。
 第二に、戦時体制期に関する記述として、創氏改名、徴用、徴兵などについて触れてはいても、日本軍「慰安婦」をはじめ韓国やアジアの人々が強いられた苦痛の正確な実像と反省の内容は全く言及されていません。反面、戦争に駆り出された国民を大きく褒め称え、戦争を賛美し「日本の戦争は正しかった」と教えることで、再び戦争に命を捧げることのできる国民を育てようとしてます。
 第三に、日清戦争や日露戦争をはじめとする帝国主義侵略戦争を美化し正当化することで、転倒した歴史認識を露骨に表しています。

 また、貴国日本においては、教科書検定基準に「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされていること」という条項(近隣諸国条項)が定められています。その条項が、1982年の教科書検定で日本政府がアジア侵略の事実を隠蔽しようとしたことが火種となり、日本に対するアジア諸国の強い抗議が集中した結果設けられたことは、今でも記憶に新しい事実です。しかし、「自由社」及び「扶桑社」の教科書はこの条項に明らかに反しています。
 更に、「自由社」及び「扶桑社」の教科書は、2005年以降「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、つくる会)の分裂により生まれた瓜二つのような教科書ですが、分裂の過程で自ら「完成度が低く」「内容が右寄り」と評価された内容が、「自由社」の教科書にそのまま踏襲されているという矛盾した実体が存在します。「つくる会」の分裂が尾を引き、現在も「つくる会」と「扶桑社」の間で著作権をめぐる利権争いが裁判沙汰として続いていることも踏まえると、「自由社」及び「扶桑社」の両教科書とも、隣国日本や杉並区の公教育の現場に相応しいものだろうかという印象を拭えません。

 杉並区の子どもがこれらの教科書で学んだ場合、杉並の子どもたちは韓国の子どもと真の友人関係を育むことができるでしょうか。アジアをはじめ国際社会の中で未来を担う、常識ある大人として成長していけるでしょうか。逆に、自国への歪んだ愛国主義にとらわれ、韓国をはじめとするアジアの隣国を蔑視し、排他的国粋主義に満ちた価値観から戦争までも肯定してしまう子どもが育てられるであろうことは、火を見るように明らかです。それは杉並区と韓国、どちらにとっても不幸なことです。
 韓国から見る杉並は、隣国日本ではビジネスや旅行の往来が最も覆い首都東京にあり、いつでも気軽に出かけることのできる身近な地域です。とりわけ、韓国ソウル市の瑞草区とは早くから友好都市協定を結び交流を進めるなど、韓国との友好・交流関係に理解のある街であろうという印象がありました。実際、そういった行政レベルの関係を土台に、市民レベルでも子どもの交流をはじめ様々な交流が進み、友好関係が築かれました。
 そのため、2005年に貴教育委員会におかれ扶桑社の教科書を採択された事実は、韓国社会を大きく驚かせ深い失望を与えました。日韓の人々の相互理解や平和的共存には程遠く、むしろ過去の侵略戦争を賛美するような教科書を貴教育委員会が採択された事実は、これまで杉並と韓国の多くの市民が、日韓の不幸な過去を乗り越え相互理解と友情を深めるために積み重ねてきた努力に水を差すような出来事であったためです。

 願わくば、貴教育委員会における今年の教科書採択にあたっては、隣国の人々の思いも踏まえながら、平和の視点に基づく公正な選定にあたられますこと、そして、歴史を歪曲した「自由社」及び「扶桑社」の教科書を採択されませんことを、強くお願い申し上げます。


アジアの平和と歴史教育連帯
共同代表:徐仲錫、安秉佑、張錫春、?成奎、鄭鎭?

歴史問題研究所、韓国労働組合総連盟、全国民主労働組合総連盟、全国教職員労働組合(以上、共同代表団体)、経済正義実践市民連合、基督女民会、企業銀行労働組合、韓国基督教長老会女信徒会、ナヌムの家、対日歴史歪曲是正促求汎国民委員会、大韓仏教青少年教化連合会、独島守護隊、独島有人島化国民運動本部、東北アジア平和連帯、文化連帯、三菱重工業韓国人徴用者裁判支援会、民族問題研究所、民族和合運動連合、ソウルYMCA、ソウル日本人教会、アジア基督教女性文化研究院、歴史学研究所、大韓イエス教長老会全国女教役者協議会、ウリ民族助け合い運動(Koran Sharing Movement)、自主平和統一民族会議、張俊河記念事業会、全国公共労働組合連盟、全国金融産業労働組合、全国競馬場馬匹管理士労働組合、全国女子大生代表者協議会、全国歴史教師の会、全国電力労働組合、全国撤去民協議会中央会、挺身隊問題対策釜山協議会、挺身隊のハルモニと共にする市民の会、全国基督サルリム女性会、済州4.3研究所、祖国平和統一仏教協会、参与連帯、カトリック教女性共同体、カトリック教女子修道会長上連合会、太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会、太平洋戦争犠牲者補償推進協議会、平和をつくる女性の会、平和市民連帯、韓国教員労働組合、韓国教会女性連合会、韓国基督教歴史研究所、韓国基督教社会問題研究院、韓国大学校総学生会連合会、韓国民族芸術人総連合、韓国仏教環境教育院、韓国女性団体連合、韓国女性民友会、韓国女性の電話連合、韓国女神学者協議会、韓国歴史研究会、韓国演劇協会、韓国挺身隊研究所、韓国青年連合会(KYC)、学術団体協議会、韓国基督教教会協議会(KNCC)女性委員会、興士団、21世紀青少年共同体「希望」
(以上、64団体で構成)

『アジアの平和と歴史教育連帯』(ハングル)
http://www.ilovehistory.or.kr/
http://peace.ilovehistory.or.kr/(日本の採択状況)
『エキサイト韓国語翻訳』
http://www.excite.co.jp/world/korean/web/


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ