2010/9/29

65歳までの雇用義務  ]U格差社会
 【65歳までの雇用義務】
 ◇ 労働者代表との書面による協定が無ければ希望者全員が対象に

 厚生年金支給開始年齢の引き上げの代替措置としての65歳まで雇用の義務化


 ★ 自公政権の年金改革の犠牲になった高齢者
 構造改革(新自由主義改革)の一環として実施された厚生年金の支給開始年齢の段階的引き下げによって最終的には65歳にならないと厚生年金が満額受け取れなくなりました。
 60歳の定年後65歳までの間、年金収入が頼りですが、それが受け取れないとなれば生きていくことさえままなりません。そこで自公政権は高年法(高齢者雇用安定促進法)を改正し、企業に65歳到達日までの雇用を義務付けわけです。自公政権は、この義務付けが機能しなければ社会不安を招くことまでは考えなかったのでしょうか。

 消えた年金で分かるように、企業に責任の負わせる方法は失敗するに決まっています。ましてや、この不況では消費税を滞納するような企業も沢山ある分けで、60歳を迎えた労働者の雇用を65歳まで延長することは、たやすいことでは有りません。
 結果として、65歳までの雇用延長義務を果たさない企業の犠牲になった労働者が続出すると言うことになっています。


 今年の4月1日からは、厚生年金の定額部分については64歳にならないと受け取ることができません。2013年4月になると65歳にならないと受け取れなくなります。
 その後、順次、引き下げられ、比例報酬部分についても2025年4月には65歳にならなければ受け取れなくなります。
 具体的な厚生年金の支給開始年齢に関しては下の資料1「厚労省の制度を説明したパンフレット」の4ページ目下部の図「厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ」を参照してください。

 ●資料1:「厚労省の制度を説明したパンフレット」↓
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/dl/leaflet2.pdf

 ★ 65歳までの雇用義務を守らせる行政指導を強化する厚労省
 このままでは、60歳を迎えた労働者が生活の糧を失って路頭に迷うことになります。特に中小企業の労働者でこの傾向が顕著に表れ始めました。定年後の労働者の間で大企業の退職者と中小企業の退職者の間に大きな決定的な格差が生まれ始めています。

 慌てた厚労省は、この4月1日、職業安定局長名で各都道府県労働局長宛て通達「高年齢者雇用確保措置の推進等に係る指導について」(職発0401第8号)を発し、高年法順守の為の指導の強化を指示しました。

 ★ 65歳までの雇用義務違反の企業情報をハローワークや労働局の安定部へ
 通達では、ハローワークや労基署の情報で指導を行うとしています。義務違反の企業の情報をハローワークや都道府県労働局の職業安定部へ提供しましょう。

 ●資料2:通達「 高年齢者雇用確保措置の推進等に係る指導について」↓
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T100601L0010.pdf

 その内容は、後に回すことにし、高年法で事業主に義務付けた内容を解説することにします。
 65歳を迎えるまでの雇用を事業主に義務付けた高年法の改正は、中小零細企業イジメとしての性格を持つと同時に中小零細企業に働く労働者を犠牲にするものです。
 しかしながら、労働者にとっては雇用を延長してもらわなければ明日からの生活ができませんから、割り切って事業主に雇用の延長を要求すべきでしょう。事業主は、雇用延長に伴う負担を軽減するための助成金(既に制度化されている助成金)の増額などを政府に要求すべきです。

 ★ 高年法では65歳までの雇用を事業主にどのように義務付けているか
 下のフローチャートは小さくて分かりにくいので下の資料3をクリックすると同じフローチャートがをあります。
 なお、この項の説明は【努力義務から義務付けへ】からはじまります。

 ●資料3:平成18年改正の内容を説明するフローチャート↓
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/dl/hou1a.pdf
 資料3の2ページ目に下のような図が有りますので、そちらをご覧ください。

 ≪注≫資料3の2ページ目の図に表示された年齢は、年齢がその年齢に到達した際に雇用終了となることを意味します。例として63歳との表示の意味は63歳に到達した際に雇用が終了することになります。具体的には63歳誕生日の前日が退職日です。

 【努力義務から義務付けへ】
 平成18年の高年法の改正で、それまでの努力義務から65歳までの雇用の義務付けが行われました。21年度以降の60歳定年到達者に対しては65歳到達時までの雇用が義務付けられています。
 現状、60歳定年到達者に対しては65歳到達時までの雇用義務が発生しています。

 【多くの企業が継続雇用制度の導入を選択】
 雇用延長の方法は@定年の引き上げA継続雇用制度の導入B定年の定めの廃止の三つから選択することになっていますが、@Bを採用する企業は少なくAの「継続雇用制度の導入」が圧倒的に多いのが実情です。
 また、継続雇用制度には二種類あり、一つは定年年齢に達した者を退職させることなく、そのまま雇用する制度(勤務延長制度という)であり、もう一つは定年年齢に達した者を一旦退職させ、雇用条件を変えて雇用する制度(再雇用制度という)です。実情は再雇用制度が圧倒的に多いわけです。

 ★ 希望者全員を対象としない場合には事実上労働者代表の同意が必要

 【「継続雇用制度の導入」の場合には希望者全員を対象にするか全員を対象にしない場合には労使協定で基準を定める必要がある。】

 高年法9条の2項では、希望者全員を対象としない場合には労働者代表との書面による協定が条件となることを定めています。労働者の代表が書面による協定に応じなければ会社は全員を対象者にせざるを得ません。

 【高年法9条2項】
 事業主は、当該事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、前項第2号に掲げる措置を講じたものとみなす。


 ★ 高年法上、来年の3月31日までには中小企業も労使協定がどうしても必要になる
 法律では、労使の対立によって労使協定が出来ない場合には次のとおり猶予期間を設けています。労使協定が締結されるまでは、会社が就業規則で継続雇用対象者の基準を定めることができるとしています。
 ●300人を超える大企業:平成21年3月31日まで(既に過ぎている)
 ●300人までの中小企業:平成23年3月31日まで

 就業規則の規定で継続雇用の対象者を決めてきた中小企業も来年の3月31日までに労使協定を締結して基準を決めない限り希望者全員を継続雇用しなければなりません。この機会に、労働組合は労働者の意見を十分に聞いて会社と交渉する必要があります。
 労使協定までの法律上のスケジュールについては既に示した資料2の3ページ目に下のようなフローチャートがありますので参考にしてください。(フローチャートが縦になっていて見難いので右クリックで横に変更してご覧ください。)

 ●資料2:通達「 高年齢者雇用確保措置の推進等に係る指導について」↓
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T100601L0010.pdf

 ●この記事の続き→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59862986.html

『労働相談 奮闘記(旧「風太郎の労働相談奮闘記」)』(2010/9/21)

http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59862966.html


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