2010/12/28

最高検検事総長への笠間治雄就任に対する抗議声明  ]平和
 ◆ 最高検検事総長への笠間治雄就任に対する抗議声明
 =笠間治雄・東京高検検事長には、検察改革を行う資格がない
 =最高検察庁検事総長への笠間治雄 東京高検検事長の起用・就任に抗議する!

2010年12月27日
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
Japanese Association for the Rights to Freedom of Speech

? 暮れのどさくさに紛れた、定年まぎわの駆け込み人事 ?
ここまでして、この人物を検察総長にする菅民主党政権の意図は何なのか!
マスコミの検証を求む!

 当会はすでに12月24日付で、次期最高検察庁検事総長選任について、仙谷由人内閣官房長官・法務大臣と検察の在り方検討会議千葉景子座長に対し、笠間治雄・東京高検検事長が次期最高検検事総長の任にふさわしくないことを指摘し検事総長に起用しないよう要請しました。
 あわせて次期検事総長選任については、日本弁護士連合会に対して検察官経験者以外の法律の専門家の推薦を求め、憲法と国際人権条約・自由権規約を遵守し活用できる人物を起用するよう提案しています。


 報道によると、本日27日付で最高検察庁検事総長に笠間治雄東京高検検事長が就任するとされています。
 最高検察庁が24日に、いわゆる厚生労働省元局長無罪事件についてのおざなりな検証結果報告書(以下「報告書」)を、法務省の第3回検察の在り方検討会議に報告し、一般にも公表しました。その際に組織の立て直しを図るための引責人事だとして、大林宏検事総長が辞表を出し、次期検事総長に笠間治雄東京高検検事長を充てるという人事異動について、マスコミは笠間氏の起用を無批判に報じています。

 しかし、この人事こそ菅民主党内閣・内閣官房長官仙谷由人法務大臣が、この事件の問題点をえぐり出して深い問題をかかえた検察の在り方を根本から変える意思のない事をはっきりと表しているのです。
 しかも、年の瀬が押し迫った、あわただしい仕事納め直前の金曜日に発表したこの人事は、年明けの2日には定年となる笠間氏の職を確保するための人事と言われても仕方のないものであり、マスコミ関係者がこの異常な状況での異常な人事について調査し報道することを怠れば、マスコミは国民の信頼を失うことになるのではないでしょうか。
日本の検察問題に対してのマスコミの責任は極めて重く、ジャーナリズムに携わる方の見識が問われています。

 ◆ 最高検による検証報告書そのものに重大な問題点
 ◆ 笠間氏は、最高検次長検事として、公安警察・検察主導のビラ配布弾圧事件の責任者!
 ◆ “国連自由権規約委員会からの勧告を検証した形跡は”皆無“!


 2003年以降のビラ配布弾圧6事件で「犯罪」とされた政府に批判的なビラを配布する行為は、憲法と国際自由権規約に照らしても民主主義国家の国民の基本的権利であり、推奨・賞賛に値する行為であり犯罪ではありません。
 ところが、国連人権理事国でもある日本においては、政府に批判的なビラを配布した市民を、警察・検察によって、「犯罪」として処罰することを目的として、尾行・盗撮などの違法捜査によって人権を侵害した上に、不当逮捕し、立件・起訴し、さらに裁判所までもが証拠採用を拒否し、これを追認して有罪判決を出すという恐るべき憲法違反・自由権規約違反の言論弾圧がまかり通っています。

 ◆ 笠間氏は、2008年4月11日の立川防衛庁官舎ビラ配布弾圧事件の最高裁有罪判決に対する当時の最高検次長検事として、この不当判決の支持を表明し「他人の住居の平穏の侵害が、表現の自由の名の下に許されないのは当然で、妥当な判断」と発言しています。

 このことについて、2008年10月に、国連自由権規約委員会は日本の参政権を確立させる課題として、公選法大石市議事件・立川自衛隊官舎ビラ配布弾圧事件・国家公務員法堀越事件・板橋高校君が代弾圧事件・葛飾マンションビラ配布弾圧事件・世田谷国公法弾圧事件のビラ配布弾圧の6事件などをふまえて次のように勧告しました。

 【勧告(総括所見)26項】
 委員会は、公職選挙法の下での戸別訪問の禁止、選挙運動期間前に配布可能な文書図画への制限などの表現の自由及び参政権に対して課された非合理的な制約につき懸念を有する。委員会は、政治活動家と公務員が私人の郵便箱に政府に批判的な内容のリーフレットを配布したことで、不法侵入についての法律や国家公務員法の下で逮捕、起訴されたとの報告についても懸念する(第19条及び25条)
 締約国(日本政府)は、規約第19条及び25条で保護されている政治活動及び他の活動を、警察、検察官、裁判所が過度に制約しないように、表現の自由と参政権に課せられたいかなる非合理的な法律上の制約をも廃止すべきである


 上記のパラグラフ26では、国際水準から大きく遅れている民主主義の根幹をなす言論・表現の自由が参政権の問題であることを指摘し、日本の警察・検察・裁判所による弾圧は自由権規約19条や25条違反であることを示した上で、「過度に制約しないように」として、言論弾圧の口実としている、公職選挙法や国家公務員法などの自由権規約違反の国内法を名指しして具体的に法改正を行うことを求めて、警察・検察・裁判所のみならず政府に対して厳しく勧告しています。

 ◆ さらに笠間氏は、広島高等検察庁検事長就任挨拶での抱負として、「当庁管内検察庁が、法と証拠に基づき、かつ起訴価値を十分考慮の上、起訴の可否や起訴対象者の選定を慎重に行い、起訴した案件については、妥当な裁判結果を獲得するという、検察の基礎中の基礎を守るように指導を徹底していきたい」と語っています。

 これは笠間氏が、法的拘束力が国内法より上位に位置する自由権規約(国際人権条約)を全く考慮しないばかりか、さらには「妥当な裁判結果を獲得する」として、裁判結果についてまでも、検察が起訴した事件については100パーセント有罪にする指導を徹底すると宣言しているに等しい発言です。99.9パーセント有罪とされている日本の刑事訴訟の異常さを反省もせず踏襲し続けるだけでなく、さらに、裁判の結果まで支配しようとする越権行為の発言です。
 笠間氏の『妥当な裁判結果を獲得する』という発言からは、検察が起訴した事件は何が何でも有罪判決を勝ち取る意図が明瞭です。
 自由権規約委員会から強く勧告されている、取り調べの全面可視化も証拠の全面開示も嘘の自白・冤罪の温床となっている代用監獄の廃止など、冤罪防止策を無視したこの発言からも検事総長の任にふさわしくないことは明らかです。

 ビラ配布弾圧事件の立件・有罪を指揮した元次長検事たちが、現在においても尚裁判官として最高裁に送り込まれており、人権侵害とともに深刻な恐怖政治的な社会的害悪を引き起こしています。
 すでに最高裁判事として送り込まれている元次長検事裁判官らの罷免も大変急がれています。

 ◆ 今回の最高検検証結果報告書の内容に関する重大な問題点

 実は、以上述べた事の以前に、この報告書には、国連人権理事国でもある日本政府の国際的な信用問題にかかわる重大な問題があります。
 それは、前述した内容を含む刑事司法に関する日本の人権保障システム全体に対して国連自由権規約委員会からの直近の勧告(総括所見)を検討した形跡が全くない事です。

 2008年10月の第5回日本政府報告書審査には、各省庁から職員がジュネーブの国連欧州本部に派遣されて審査に臨んでいます。当然審査の結果である自由権規約委員会からの34項目の勧告内容については、法務省外務省をはじめ各省庁が把握しており、政府は批准国として勧告の実施に努める責務があります。当会としても、ビラ配布弾圧事件の無罪判決を求め、裁判員制度開始の前提条件としても勧告の履行を政府と裁判所などに対して勧告の実施を繰り返し要請し続けています。

 取り調べの全面可視化や証拠の全面開示、代用監獄の廃止、死刑制度の廃止などに関する国連自由権規約委員会からの人類普遍の基本的人権に関する勧告は、裁判員となった国民を人権侵害と冤罪の加害者にしないために政府が責任をもって速やかに周知し実施しなければならないことであり、これ以上勧告を無視し続けることは許されません。
以上

『今 言論・表現の自由があぶない!』(2010/12/27)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18455179.html


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