2013/1/4

次の政権が取り組むべき少子化対策は、非正規労働者の待遇改善  ]Vこども危機
  <世代をつなぐ 12衆院選>
 ◆ 少子化対策 結婚ができる雇用を(TOKYO Web)


 「きょうだいは、いた方がいいと思うんですが、二人目は考えていないですね」。東京都品川区の自営業の女性(39)は話す。
 会社員の夫(39)と保育園に通う息子(6つ)の三人暮らし。息子は来年から小学生だ。「子ども手当や児童手当は助かるが、気持ち程度の額で、あてにできない。今後、習い事や塾にどれだけお金がかかるか。夫の会社の将来だって分からないご時世なので…」
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 民主党の前回のマニフェストの目玉だった子ども手当は、財源問題などから見直しを余儀なくされ、本年度から新たな児童手当が始まった=表。
 その一方、中学生以下の子どもを持つ納税者に適用される年少扶養控除は、所得税が二〇一一年一月から、住民税は今年六月から廃止された。


 このため、子育て家庭への経済的支援は、総支給額で自公政権下より少しアップした程度。高所得者ほど得になる同控除の廃止でできた財源を子ども手当に回したため、子育て世代の間で、所得が高い世帯から低い世帯へ移転された形だ。

 第一生命経済研究所の松田茂樹主席研究員は「高校の授業料無償化など、民主党は子育て支援策に頑張ったと思う。ただ、手当に関する制度が曲折し、受け取る側に安定的に支給されたとの思いが小さくなったことは問題」と指摘する。

 今衆院選でも、民主党「社会全体で子どもの育ちを支援する」と政権公約にうたう。一方、自民党は「『子どもは社会が育てる』との民主党の誤った政策を撤回させ、第一義的には子どもは家庭が育て、足らざる部分を社会が支援する」と「自助」を強調。「多世代同居の促進」などの家族支援政策を盛り込む。

     ◇

 こうした子育て支援策は、少子化対策として毎回争点の一つだが、実は少子化の最大の要因は、若者の未婚化とみられている。生涯未婚率(五十歳時の未婚率)は、男女とも年々増加。一〇年には男性は二割、女性は一割の大台を超えた。

 背景には、三人に一人の若者が非正規労働という雇用の劣化がある。「日本では結婚後に男性が稼ぐ、という性的分業の観念が依然強く、所得の高い男性ほど結婚相手に選ばれる傾向にある」と松田さん。先進国では、日本と韓国が特にその傾向が強いという。経済力のない男性は、結婚願望さえ抱けない状況だ。

 リクルートブライダル総研の鈴木直樹所長は「昔の見合いや職場結婚のように、出会いの機能が社会になくなっていることも未婚化に拍車をかけている」と話す。

 従来の出会いの場に代わり、イベントやパーティー、ネットなどで自ら相手を探す「婚活」が盛んだが、婚活市場でも、男性の経済力は重要な指標だ。女性が結婚相手に望む最低水準は年収三百万〜四百万円といわれ、「三百万円以下だと、女性に選ばれる以前に、自ら婚活の土俵に上がらない男性が多い」と鈴木さん。

 未婚化に歯止めをかける処方箋はあるのか−。松田さんは「次の政権が取り組むべき少子化対策は、子育て家庭への経済的支援などに加え、非正規労働者の待遇改善と強調。晩婚化で不妊に悩む夫婦も多く、結婚や出産の時期など人生設計についての若者への教育も重要とみている。 (砂本紅年、宮本直子)

『東京新聞』(2012年12月11日【暮らし】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012121102000124.html


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