2013/5/20
内部告発者保護法は都教委で機能するか?
◆ 都教委 公益通報窓口を設置
セクハラや体罰を対策に
都教育委員会は26日、都内公立学校などでの教職員の不正行為について、教職員や保護者からの情報を受け付ける公益通報の窓口を新たに開設した。
第三者である弁護士に委嘱しているのが特徴で、表面化しにくいセクシュアル・ハラスメントや体罰などの事案への対策として、コンプライアンス体制を充実、強化する。
第三者窓口の設置は以前から検討されていたが、大阪市立桜宮高校で起きた体罰問題や、都内でも都立雪谷高校と片倉高校での体罰が発覚したことなどを受けて、設置の動きが加速した。
窓口を担当するのは、東京弁護士会の樋口千鶴弁護士。同弁護士は、同弁護士会の内部に設置されている公益通報制度に関する特別委員会のメンバーで、制度についての著作もある。
通報者は、セクハラ、体罰、横領、収賄といった通報内容や発生場所などをチェック式で答える専用の様式を使用して、弁護士あてに電子メールかファクシミリで情報を送付する。通報内容について、違法と考える理由などを可能な限り具体的に記述するための自由欄もある。
弁護士は情報の内容を判断し、法令違反などの不適正な行為であれば、通報として受理し、都教一委や区市町村教委に連絡。各教委が調査を行い、調査結果を弁護士に報告する。
都教委は「体罰など緊急性が高い報告を受けた場合は調査、是正に向けて迅速に対処したい」と話しており、生徒間のいじめなど通報対象に該当しない相談の場合でも関係機関の窓口を紹介するなど柔軟な対応を目指す。
公益通報の制度は、自動車のリコール隠しや食品の偽装表示などを背景として、04年の公益通報者保護法の制定をきっかけに全国的に始まった。
自治体も制度の整備が努力義務とされ、都は同法が施行された06年度から全庁的に窓口を設置した。
知事部局等では総務局人事部が公益通報の処理に関する要綱を設け、人事部人事課や各局人事主管課、東京都人材支援事業団などを通報の窓口としている。
都立学校教職員や都教委事務局職員を通報者の範囲とする都教委でも、総務部に窓口があるほか、同事業団に相談する二つのルートがある。
しかし、通報者の保護を目的とする法制度上、通報として扱うには実名が求められていることや通報の窓口が職場関係で言い出しにくいケースなども見られ、実効性に乏しいという問題点が指摘されている。
実際に都の知事部局等で受けた通報は06年度から11年度までで3件、都教委の受理件数も過去3年間で1件のみで、ほとんどないのが実情だ。
他方、都内公立学校の教育現場では、ここ数年、教員が部下や教え子などに対し長期間に及ぷセクハラを続けるなどの事案も相次いでおりへ都教委では被害の長期化を防ぎ、早期に問題の芽を摘むための対策として、関東近県の例などを参考に第三者を新たに通報の窓口とすることを検討していた。
今回設置した窓口では、国のガイドラインに定めた使用者の裁量性を活用して匿名での通報も可能とし、通報を受理した弁護士が都教委に情報を伝える際には、氏名を名乗った通報者も匿名扱いにすることで通報しやすくする。
通報者の対象範囲としては、都立学校教職員、都教委事務局職員のほか、区市町村立学校の県費負担教職員、都内公立学校に通う児童や生徒、その保護者も加えている。
中傷などの恐れといった課題もあるが、通報用紙には、虚偽、他人の中傷、業務妨害など不正目的の通報の禁止が書かれており、都教委では「万一、寄せられても案件を受け付ける弁護士段階での選別などで対応する」としている。
『都政新報』(2013/4/27)
セクハラや体罰を対策に
都教育委員会は26日、都内公立学校などでの教職員の不正行為について、教職員や保護者からの情報を受け付ける公益通報の窓口を新たに開設した。
第三者である弁護士に委嘱しているのが特徴で、表面化しにくいセクシュアル・ハラスメントや体罰などの事案への対策として、コンプライアンス体制を充実、強化する。
第三者窓口の設置は以前から検討されていたが、大阪市立桜宮高校で起きた体罰問題や、都内でも都立雪谷高校と片倉高校での体罰が発覚したことなどを受けて、設置の動きが加速した。
窓口を担当するのは、東京弁護士会の樋口千鶴弁護士。同弁護士は、同弁護士会の内部に設置されている公益通報制度に関する特別委員会のメンバーで、制度についての著作もある。
通報者は、セクハラ、体罰、横領、収賄といった通報内容や発生場所などをチェック式で答える専用の様式を使用して、弁護士あてに電子メールかファクシミリで情報を送付する。通報内容について、違法と考える理由などを可能な限り具体的に記述するための自由欄もある。
弁護士は情報の内容を判断し、法令違反などの不適正な行為であれば、通報として受理し、都教一委や区市町村教委に連絡。各教委が調査を行い、調査結果を弁護士に報告する。
都教委は「体罰など緊急性が高い報告を受けた場合は調査、是正に向けて迅速に対処したい」と話しており、生徒間のいじめなど通報対象に該当しない相談の場合でも関係機関の窓口を紹介するなど柔軟な対応を目指す。
公益通報の制度は、自動車のリコール隠しや食品の偽装表示などを背景として、04年の公益通報者保護法の制定をきっかけに全国的に始まった。
自治体も制度の整備が努力義務とされ、都は同法が施行された06年度から全庁的に窓口を設置した。
知事部局等では総務局人事部が公益通報の処理に関する要綱を設け、人事部人事課や各局人事主管課、東京都人材支援事業団などを通報の窓口としている。
都立学校教職員や都教委事務局職員を通報者の範囲とする都教委でも、総務部に窓口があるほか、同事業団に相談する二つのルートがある。
しかし、通報者の保護を目的とする法制度上、通報として扱うには実名が求められていることや通報の窓口が職場関係で言い出しにくいケースなども見られ、実効性に乏しいという問題点が指摘されている。
実際に都の知事部局等で受けた通報は06年度から11年度までで3件、都教委の受理件数も過去3年間で1件のみで、ほとんどないのが実情だ。
他方、都内公立学校の教育現場では、ここ数年、教員が部下や教え子などに対し長期間に及ぷセクハラを続けるなどの事案も相次いでおりへ都教委では被害の長期化を防ぎ、早期に問題の芽を摘むための対策として、関東近県の例などを参考に第三者を新たに通報の窓口とすることを検討していた。
今回設置した窓口では、国のガイドラインに定めた使用者の裁量性を活用して匿名での通報も可能とし、通報を受理した弁護士が都教委に情報を伝える際には、氏名を名乗った通報者も匿名扱いにすることで通報しやすくする。
通報者の対象範囲としては、都立学校教職員、都教委事務局職員のほか、区市町村立学校の県費負担教職員、都内公立学校に通う児童や生徒、その保護者も加えている。
中傷などの恐れといった課題もあるが、通報用紙には、虚偽、他人の中傷、業務妨害など不正目的の通報の禁止が書かれており、都教委では「万一、寄せられても案件を受け付ける弁護士段階での選別などで対応する」としている。
『都政新報』(2013/4/27)






