2013/8/11

核兵器のない世界の模索こそ、被爆国が取るべきリーダーシップ  ]Xフクシマ原発震災
 ▼ 核不使用声明 日本賛同せず 「なぜだ」鬼気迫る市長 (TOKYO Web)

 首相の目の前で、痛烈な政府批判を展開した。九日の長崎市の平和祈念式典で田上市長は、「核兵器の非人道性に関する共同声明」への不賛同やインドとの原子力協定を挙げ、国への疑念を表明。心中にはスイスで感じた政府へのいら立ちがあった。

 ■ 納得できない
 「なぜ賛同できないのか。その理由をお聞かせいただきたい」

 四月二十四日、スイス・ジュネーブ。国連欧州本部の応接スペースで田上市長は天野万利(まり)・軍縮会議政府代表部大使に詰め寄った。
 この日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会は共同声明を七十カ国超の賛同で採択したが、日本は賛同せず。田上市長と松井一実(かずみ)・広島市長を前に、大使はこう釈明した。


 「『いかなる状況下でも核兵器を使用してはならない』という部分が、日本の安全保障政策と合致しない。全ての賛同国に理解を得るには時間切れだった」

 「それは違う。いかなる状況でも核兵器を使用しないことが人類の利益であることは、被爆地としては当然だ。説明は納得できない」。
 即座に切り返した田上市長は、その後も三十分以上、政府の姿勢を問いただす。同席した市幹部は、普段は冷静でにこやかな市長の鬼気迫る表情に驚いた。

 田上市長はこの二日前、大使に声明への賛同の可能性を尋ねていた。
 昨年も同様の声明が提案されたが、日本政府には直前まで声がかからず「検討する時間がなかった」として賛同を見送ったためだ。
 今年は事前に説明を受けている。大使はこの時「まだ最終結論に至っていない」と述べたが、市長は「今回こそは」と期待していた。それだけに不賛同を知り「がっかりした。と同時に、問いたださなくてはと思った」と振り返る。

 ■ 一致した思い
 政府に真意を聞くため上京したが、徒労に終わった。
 長崎平和宣言の起草委員を長年務め、長崎の平和運動の理論的支柱でもある土山(つちやま)秀夫・元長崎大学長(88)は「外務省に『考え方の違いだ』と言われ、冷たくあしらわれたと感じたのだろう」と語る。
 七月、土山氏は市長にこう進言した。「せっかく首相が長崎に来る。良い機会ですよ。被爆地の思いを聞き取ってもらいましょう」

 平和宣言で「原点に返れ」と繰り返した田上市長。「被爆地は政府とともに行動したい。核兵器のない世界の模索こそ、被爆国が取るべきリーダーシップ。主体性を持ってほしい」との思いを込めた。
 土山氏は「これほど強いトーンで政府に注文を付けた宣言は初めて。被爆者と市長の思いが一致した結果だ」と強調した。

『東京新聞』(2013年8月9日 夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013080902000230.html


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