2013/12/30

ふえみん、「宿泊防災訓練」に強く抗議  Y暴走する都教委
  =ふぇみんも抗議文など提出=
 ◆ 高校生が、自衛隊で防災訓練!?


 今年7月、東京都立田無工業高校が自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区)で「宿泊防災訓練」を行った。ふぇみん婦人民主クラブは7月31日、防衛大臣へ抗議し、東京都教育委員会に対しては生徒の訓練を自衛隊で行わないよう要請書を提出した。宿泊防災訓練に関し東京都に情報公開請求をした元・都立高校教員の永井栄俊さんに聞くとともに、ふえみんの要請等について報告する。

 ◆ 都立田無工業高校、防災訓練の名を借りた「自衛隊隊内体験」
 東京都教育委員会(以下、都教委)は2012年度に、災害時に自分や身近な人を守り地域に貢献する人間を育てる目的で、「都立高校改革推進計画第一次実施計画」を策定。その計画中の「社会貢献意識とその実践力の育成」として、都教委は、12年度から都立高校全179校で防災訓練を行っている。


 多くの高校では生徒が体育館に集められて話を聞く程度だったが、そのうち昨年12校、今年15校が「防災教育推進校」に指定され、消防学校などと連携した訓練を行った。推進校に指定された都立田無工業高校では、今年7月26〜28日の2泊3日、自衛隊朝霞駐屯地内で宿泊訓練をした。
 元教員で長年組合活動を行ってきた永井さんは、自衛隊駐屯地内で高校生が「宿泊防災訓練」をすることは許されるのか疑問に思い、東京都に対し情報公開請求をした。
 その結果、都教委と田無工業高校の池上信幸校長が朝霞駐屯地司令宛てに提出した「陸上自衛隊隊内生活体験申込書」「平成25年度防衛省と連携した宿泊防災訓練サマー・キャンプしおり」などを入手。
 申込書の頭書きには、「隊内生活を体験したいので申し込みます」と書かれていた。
 池上校長は、12年度に都教委(肩書は統括指導主事)から異動。編集部が宿泊防災訓練について都教委に電話で問い合わせたところ、宿泊防災訓練の担当部署は校長の元職場である指導部高等学校教育指導課だった。

 ◆ これが平和な訓練?
 生徒に事前配布された「しおり」によると、訓練の目的は、自衛隊内の施設で規律正しい共同生活を送ること、災害時の知識や技術を学ぶ(応急処置やロープの結び方など)とあり、2年生の一部34人と引率教員6人、都教委から6人が参加した。
 永井さんは「ロープを結んで担架をつくったらしいが、このような目的なら自衛隊でなく、消防署などで十分できること」と言う。
 「訓練」では、高校から朝霞駐屯地へ貸し切りバスで出かけ、3日間、分単位で予定された講話・訓練などを行っていた。
 「生徒たちの宿泊所は自衛隊の隊員と同じ棟。サマーキャンプとあるが、ただのキャンプとは雰囲気が全く違います」。「3日目は朝5時半に起床させられたようです。その時間に駐屯地内で生徒たちが並ぷ様子を撮影した仲間がいました。スケジュールでは6時起床だから、まるで軍隊の緊急点呼のようです」と永井さんは語る。

 ◆ 教育現場が崩壊へ
 永井さんは、「高校生たちが自衛隊で隊内体験するなんて、考えられない。教員は、戦後ずっと学校現場で『教え子を再び戦場へ送るな』を合言葉に平和教育を続けてきたんです。それが崩されそうになっている。東京で始まってしまったら、他の教育委員会も計画して、全国に波及してしまう」と強く懸念する。
 東京都高等学校教職員組合の執行委員長、川上淳さんは、この防災訓練の問題について、「今は組合に入る教員が少なく、田無工業も職場を挙げて反対することが難しいかもしれない。校長サイドの意向に押し切られないよう、組合も取り組んでいく」と語った。

 ◆ ふえみん、「宿泊防災訓練」に強く抗議
 ふえみん婦人民主クラブは、自衛隊と教育がつながることに懸念を持ち、田無工業高校の生徒が自衛隊朝霞駐屯地で宿泊防災訓練をした事実に対し、ただちに7月31日付で防衛大臣と東京都教育委員長に抗議文を送付。
 「憲法9条下、多くの議論がある自衛隊をあえて、(防災訓練の場として)選ばれた」ことに強い違和感があること、「防災訓練に名を借りた自衛隊の宣伝」「勧誘」ではないかと抗議した。

 回答は特に求めなかったが、8月29日付で東京都教育庁総務部教育情報課長から回答があった。
 内容は、12年2月策定の都立高校改革推進計画第一次実施計画において、防災教育推進校を指定すること、「都立高校防災活動支援隊」を結成すること、「消防庁・警視庁・自衛隊や大学、病院、研究所などと連携した災害時支援活動の疑似体験に取り組むこと」、そして「来年2月にも同校2年生を対象に防衛省自衛隊東京地方協力本部による宿泊防災訓練を計画している」ことなどが書かれていた。
 抗議内容とはすれ違った回答だったが、2月にも自衛隊で宿泊訓練を行う計画があることを重く見て、11月7日、都教委に厳重抗議の面会要請および請願を行った。
 請願書には、自衛隊を防災訓練の場に選ぶことの理由、今回の宿泊訓練は都教委からの働きかけだった(自衛隊側の回答)ことに対する是非などを質問。請願に対しては3週間ほどで回答がある予定だという(11月27日現在、まだ回答はない)。
 また、広聴担当者は自衛隊での宿泊訓練について市民の抗議が複数寄せられていると述べた。
 そして、11月27日に行われた都議会文教委員会で、田無工業高校の来年2月の訓練は、江東区夢の島の「BumB東京スポーツ文化館」で行うと報告されたという。
●清水さつき

『ふぇみん』(3041号 2013/12/5)


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