2014/6/28

国連へ追加レポート「公共の福祉」という名の言論弾圧(3/3)  W板橋高校卒業式
 ◎ 政府回答(184〜186)の根本的な誤りを指摘する(3)
   〜板橋高校卒業式事件から「表現の自由」をめざす会


 3,まとめ
 (1)日本における人権制限の実態

 21. 板橋高校卒業式事件の最高裁判例は、日本政府報告ではあり得ないとされる、まさしく「規約で保障された権利に課されるあらゆる制約が規約で許容される制約を超えて」、「国家権力により恣意的に人権が制限された」典型例である。(第6回日本政府報告para5)

 22. この事件に見られるように、日本では、抽象的な「固有の制約」が存在するかのような前提の下に、何が「公共の福祉」かを曖昧なままにして、「社会としての調和を図り秩序を維持するために」(『List of Issues政府回答』para185)、「公共の福祉」を政府に都合良い解釈で無制限に使い、表現の自由など「人類の平等で奪い得ない権利」(『規約』前文)をいとも簡単に、奪ってしまうという過ちを犯している。


 (2)日本政府は、締約国の義務として、速やかに以下のことを行うべきである。
 23. 以下の勧告を日本政府に出して下さるよう、規約委員会に要望する。

 23-1. 日本政府は、「公共の福祉を理由に本規約の下で許容されている制約を超える制約が課される事態」(『List of Issues政府回答』para186)が現実に存在する実態を認め、19条3項に存在しない「公共の福祉」概念を、人権制約概念として用いることを止めるべきである。

 23-2. 日本政府は、総括所見の勧告を受け容れ、「規約で許容される制約を超える制約」(『第5回日本審査総括所見』)が課されることのないよう、「公共の福祉」について規約19条3項に合致する定義と立法をなすべきである。
  その際に、わが国の憲法で「公共の福祉」が個別の権利に対する制約として明記されている条文は、22条(居住・移転及び職業選択の自由)と29条(財産権)という経済的自由に関するもののみであり、精神的自由を規定した条文には一切用いられていないことを改めて想起することも有意義であろう。

 23-3. これまで「公共の福祉」の名目の下に、不当に刑事罰を科せられてきた精神的自由権に関わる事件については、再審請求があればそれを認めるべきである。

 以上


 *注
 『日本国憲法』(「公共の福祉」検索)一般倫理規定と個別権利制限条項
 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
 第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
 第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
     2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
 第29条 財産権は、これを侵してはならない。
     2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
     3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 フォルホーフ教授の『鑑定意見書』は、下記のアドレスから読むことができます。
 *1) (英文)http://wind.ap.teacup.com/people/html/20100420voorhoof.fujita.legalopinion.pdf
     (和訳)http://wind.ap.teacup.com/people/html/20100531voorhoof.doc
 *2) (英文)http://wind.ap.teacup.com/people/html/20130328voorhoof.japan.fujita.pdf
     (和訳)http://wind.ap.teacup.com/people/html/20130329voorhoof.japan.fujita.doc

 ※「レポート全文(英文)」
http://wind.ap.teacup.com/people/html/20140602repliestothelistofissues.pdf
 ※「レポート全文(和文)」
http://wind.ap.teacup.com/people/html/20140602repliestothelistofissuesjapanese.pdf


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