そういえば、先日の講習会「飼育学」の席で、私もちょこっと口を出させてもらいましたが、ちょっと説明不足でしたのであらためて書き出しておこうと思いました。
馬のコンディションの作り方について
その場で出ていたお話は試験重視のお決まりの内容で、粗飼料と濃厚飼料・添加物の栄養価とか成分とか。そこら辺は教本にも詳しく出ている話ですが、私はそこに6月の研修の際に聞いた(自分にとって)実用的だと感じて話を走り書きでまとめたことを付け加えました。
例えば馬を太らせたい時は米ぬかや大豆粕が効果的。
タンパク質は必須ですが与えすぎても効果なし。アンモニア臭が強い場合は与えすぎ。
銅と亜鉛のバランスで蹄ケアとコズミのケアができる(と同時に太らない体質に出来る!?)
濃厚飼料はリンが高い。カルシウム:リンは2:1-1:1になるように(ふすま、米ぬか投与時には注意)
そして
*その馬は太っているのかガッチリなのか。
指で体を押してみて脇のあばらが確認できないほどだと太っている。尻・肩は大きいがあばらが確認できればがっちり → 若ければ軽い運動を長く。そうでなければエサで調整
*その馬は痩せているのかスリムなのか。
肩と腰の筋肉を観察する。あばらがどの程度出ているのか。スリムならば栄養不足ではない → 体格を良くしたければタンパク質増加してパワー運動。パワー運動は短時間で行う。
ここは結構重要だと思った。
ボディーコンディションの判断(BCS・・・ボディーコンディションスコア)
見るポイントは@あばらA背骨B尻(と腰角)Cたてがみ部の脂肪D肩先
BCS3・腰・肩の骨が明らかに見える。尻の肉がなく腰角も目立つ(17歳くらいまで対応)
・・・これを下回ると虐待の域
BCS4・触らなくてもあばら(肋骨)が4本見える。尻はフラット(骨は出ていない)
BCS5・あばらは触れば確認できるが見た目は分からない。たてがみの脂が触れる。のどもとの筋の見分けがはっきりしている。
BCS6・あばらは触ってもわからない。腰角の骨がわからない。たてがみの脂がしっかりついて、喉もとの筋が見分けつかない。
BCS7・肋骨は触っても分からない。わき腹とトモ(後肢の)の境が分からない。たてがみの脂がもっこりと付いてる。キ甲の周りにも脂が乗る。
・・・8歳以上の牝では難産多い(甲状腺異常)代謝を上げる食事にする
BCS(ボディーコントロールスコア)は2〜8まで。実際は2〜3と7〜8は健康とは呼べません。
ちなみに目指すべきスコアは
障害馬は4.5〜5.5
馬場馬は5〜6
総合馬は5〜6
と書いてあります。
レイニングホースだったら5〜6、トレイル・プレジャーだったら5くらいでしょうかね?いずれにしても品種に多少の差はあっても4〜6が健康体といえるでしょうね。
また、肢の悪い馬などは負担を減らすために少し軽くしてやった方がいいでしょう。
あとは馬の用途でガッチリマッチョが適しているのかほっそりスリムが適するのか、違ってきます。レイニングなど瞬発力・パワーとスピードが必要で有酸素運動と無酸素運動の複合?は大きく柔らかい筋肉をつける必要があって、エンデュランスは有酸素でしょうね。
これらを考慮して理想の体型になるように、エサと運動を普段から意識して管理していきたいですね。
それと、最後に1番大切なこと。
跳ねるから・元気だから・・・を理由に安易にエサを与えない対応はナンセンス。それは栄養失調にして元気をなくしているということです。
その馬の状況・環境を考慮して原因を取り除く運動や調教でカバーするのが本来の馬管理でしょう。

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