このところ空手づいているところへ、もう一つ。eBayで注文していた本が届いた。
’KARATE-DO KYOHAN’、近代空手道の父船越(富名腰)義珍先生の古典、『空手道教範』の英訳本である。出版元は講談社インターナショナル。初版は1973年。
届いた物は第何刷かは分らないが、堅表紙装の素材や表紙カバーに表示されている値段(定価:本体4800円(税別)、ISBNコードの方には小さくUS $40.00 と表示されている。)から、比較的最近の物と分る。
勿論新品。絶版になっていれば仕方ないが、古書を集める趣味はない。因みにオリヂナルの日本語版は、1956年の出版とのこと。但しそれは第二版、つまり改訂版。この英訳本の初めの方、-第二(改訂)版の出版に当って- で、船越先生が「初版『空手道教範』の出版から20年が過ぎた。」と述べている。つまり本当のこの本の初版、大本は1936年ということか。更に、「神田の古書店街で初版を探したら、そのあまりの稀少性と値段の高さに驚いた。」とも師は書いている。
* 今投稿前にeBayで探ったら、1935年出版の初版初刷本が、何と$6000.00でというのが見つかった。すごいなー。
高い本、古書は勿体無くて手荒に出来ない。つまり、寝転びながらとか物食べながらとか鼻くそほじりながらとか、読むことが出来ない。”使えない”といって良い。だから、こちらは英語版にのみ傾注。ところがその英語版でも、アマゾンでも他のオンライン書店でも、大抵のところで取り扱い出来ませんとか、2、3週間かかるとか、在庫状況を出版元に確認とか、なかなか直ぐには手に入らないような状況みたいなのだ。
そしてこの本もまた、ネットで検索しても読んだ人のレビューを見ることがない。英語によるものはある。だが、日本の文化・武道に興味のある”外人”の見た目と、日本人の見た目、評価は違う。何も英語版でなくても良い。空手界の古典である『教範』を読んだ人、使った人今使っている人が全く居ないというわけはなかろう。誰もが悉(ことごと)く書いていないというのは、一体どういうことなのだ。武人は稽古に忙しくて時間がない、ネットなんかやっていない、それとも書く必要もない、一顧だに価しない?
届くまで不安だった。古過ぎて写真なんかもなく、難しい文の言い回しで説明してあったらどうしよう、しかも英語だし・・・ と憤慨したり弱ったところで仕方ない。えいやとこれも買った。幸い、かなりのお買い得価格になっていた。だから買う気になったのだけど。
そうは多くないだろうけど、同じ悩みを持ったかもしれない人の為に、少々紹介しておきます。
カバーの内側に「19の型を収めた。」と書いてあるように、これは型の教本です。勿論それだけではありませんが。
出版元、講談社インターナショナルのページ
http://www.kodansha-intl.com/books/html/en/9780870111907.html

カバー裏

写真も豊富

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