ここで紹介したやり方は、殻の回収が目的。殻を綺麗に割ることが大事なのであって、中身の回収は二の次である。そして鋸(のこ)が必要となる。そして最大の問題点は、かなり時間が掛かること。旅先で困っている人は、使えない。
まず、中の液体、ココナッツ・ジュースというのかウォーターと呼ぶのか知らないが、を取り出す為には、殻を割る必要はない。
ここで書いたが、案外見落とされていて、不必要な苦労をされているのでないか。特に揃える道具も力も、技術も必要ない。ココナッツ・アイを攻めればOK。キッチンにあるオイスターナイフ、ワインのコークスクリュー、箸、旅先ならホテルのボールペン等、何か硬い棒状の物を差し込み、穴を開ける。これだけだ。ただ、三つの眼のうち、苦もなく開くのは一つだけ。どれが当りか、楽しみながら選んでみよう。
中の身、果肉の回収が目的で、殻が直線で綺麗に二つに割れなくても構わない人。キッチンに中華包丁、出刃等、身厚で重いブレード状の物があれば、刃の反対の背中側、峰で叩いて割ることが出来る。刃の側の方が威力はありそうだが、滑って危険。大怪我の元だから、しないようにしよう。大事なことは、殻の円周に想定上の割れ線を描き、その線の延長に従って叩くこと。叩いてはココナッツを回し、ひたすら叩く、叩き続ける。熟練した人なら、二・三発、思いの外あっけないもので、5発6発・・・ やがて亀裂が入り、割れる。片手にココナッツを持つ方法と、台や床の上に置き、雑巾等で固定してする方法がある。
旅先の場合。これも機会だと思ってサバイバル・ナイフを一本買い、上の方法(峰叩き)を取るか、或いはアウトドアであれば大きな石、出来れば角や縁があるものを探す。そして掴んだココナッツをそこにぶつける。逆に石を持ってぶつけても良いが、多分手が痛い。いずれの場合も基本的に上と同じ、割れ線を思い描き、そこにひたすら集中して衝撃を加える。勿論ココナッツは回しながら。
これで、椰子の木だけのある無人島に漂着しても、助けが来るまで生き残れる可能性が、飛躍的に高まった。夏になる前に、練習しておこう。(笑)

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