出版業界の片隅でボロ雑巾扱いされる一方、近頃の雑誌休刊ラッシュを「ざまーみろ」と冷笑的に眺めている私としても、↓のニュースには(まあ仕方ないとは思うにせよ)やっぱり感傷的なものを覚えてしまう。
小学館:「小学五年生」と「小学六年生」今年度で休刊
実のところ「一年生」の4月号から「六年生」の3月号まで、毎号欠かさず本屋さんまで雑誌代(毎月のお小遣いとは別立てだった)を握り締めて買いに行った世代だからな。時に1970年代の初期から中盤。上の記事にあるように学年誌が部数的にピークを迎えていた頃の話だ。
特に5〜6年生の頃というと、個人的には父親を亡くした後に転居が続き、なんとか静岡市内のボロい一軒家に落ち着いて……という、子供心にもどこか陰々滅々な気分というか煩悶を覚えながら過ごしていた時代だった(ちなみに当時住んでいた近所の写真は以前
ここに載っけた)。
当時読んでいた「小学五〜六年生」には、ブレイクする前の『ドラえもん』が連載されていた(その話も
ここに書いた)。
あと、後年に青年コミック誌で活躍する六田登が読者投稿欄で小学生相手に結構熱い(まるで当時の深夜ラジオのDJのような)トーク漫画を描き綴っていたのもよく覚えている。
このところ、私が子供の頃から馴染みだった有名人の人たちが次々に亡くなっている(南田洋子とか大原麗子とか山城新伍とか)。なおかつ、昔から慣れ親しんできた、というか「まさか俺より早く出版業界から消えていくとは思わなかった」雑誌の休刊(ていうかはっきり「廃刊」と言え)も相次いでいる。
何だか行く手には滝壺が待ち構え、振り返れば「帰る故郷はもうない」みたいな感じになってきたなあ……。
ちなみに「小学五〜六年生」を読んでた頃に住んでた静岡市内のあのボロ家、ちょっと雨が多めに降っただけでよく雨漏りしたっけな。と、30年以上経った今、都内のボロアパートでこれを書いてる私の横でも、台風の迫った今宵は雨漏り用バケツが湿った音を立てております(汗)。

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