結局、直接ご面識を得ることはなかったけど、ちょっと気になる存在だった。齢もわりと近かったし。
あなたが雑誌に連載していた記事の校正を毎号やってた時期があるけど、印刷所(そして私も)ネを上げるくらいモンノすげえ悪筆だったのを思い出します。でも、この悪筆を(それも獄中で書かれたヤツを)あなたのお母さんは解読したうえ、原稿にまとめあげたんだ。
あえて自殺がいけないとは言うまい。でも、人が死んで辛いのは死んだ当人よりもたぶん遺された人たちのほうだ。結局お母さんに、夫と息子に先に逝かれるような経験をさせたんだ。バカヤローだな!
でも、今はあなたの冥福を祈る。かつて同じ雑誌に記事を書きつつ同じ時代を過ごした者として、あなたのようになりたくはないけど、あなたの辛さもできることならわかれる自分になりたいと思うから。

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