「『たろいもポッドキャスティング』近日スタート、か?」
日記・雑記
Jストリーム(
http://www.stream.co.jp/)の久保田直美さんから2日の午後に電話があって、「今度ポッドキャストの関連事業を始めますので協力していただけませんか」との御相談をいただいた。この11月末から公開予定のポッドキャスティング用のポータルサイト(本格的な運用は来年1月から)で提供するコンテンツとして、私にも何かを作って発信してもらいたい、という。同時にアワプラにも声を掛けているということなので、昨日(4日)の朝10時、白石さんと共に渋谷のJストリーム本社まで打ち合わせで行くことになった。
ポッドキャスティングといえば、例のiPodの爆発的な普及に伴い台頭してきた新たなメディアとして、最近では新聞や雑誌などでも盛んに取り上げられるようになっている。私自身も9月に熊本の山江村で行われた「市民メディア交流集会」に参加した際、京都精華大学教授の筒井洋一さんより「こういうのがあるんですよ」と教えられ「へえ〜、こりゃ面白いなあ」と興味を覚えていたところだった。筒井さんはその三日間の交流集会の期間中、持参したiPodとPCを用いて会場の様子や参加者の発言などを逐一ウェブ上にアップしていた(詳しくは「つつい・めでぃあ」
http://d.hatena.ne.jp/ytsutsui/)を参照)のだが、これは私の仕事に例えて言うなら、雑誌のインタビュー取材で録音した内容を記事化するより先にそのまま「放送」してしまえるということだ。
「『岩本太郎インタビュー放送局』ができるわけですね」と冗談めかして言った私に「うん、ぜひそれやるといいよ!」と筒井さんは真面目な表情で薦めてくれた。
以来「やってみたいけど技術が伴わんしなあ、懐具合とも相談せにゃならんし……」と煮え切らないままでいたところ、例によって元気な久保田さんが不意に掛けてきた電話口からのやったら明るくテンションの高い声に気おされる格好で「はい、私でよければ」と答えてしまったのだった。久保田さんには「ユビキタス村TV」や、上記の山江村「交流集会」の際のインターネット生放送局などでさんざんお世話になっている(ていうか私がひたすら足を引っ張りまくっている)ため、何だか頭が上がらないのだ(ちなみに久保田さんは上記Jストリームの公式サイトに掲載されている、渋谷駅から本社までの映像による道案内でレポーター役として出演していますのでご覧のほどを)。
で、いつもより早起きして渋谷まで行くことになったわけだが、朝起きてメールをチェックしたら、久保田さんから「昨夜休日出勤を終えて終電で帰ったところ、自宅の鍵を紛失したのに気づいて、結局ひと晩帰宅できませんでした。朝一番で鍵の手配を終えてから駆けつけますが、10時からの打ち合わせには間に合いそうにありません」とのお詫びの連絡が。
ありゃりゃ、と思っていたら今度は白石さんから「子供がおたふく風邪で熱出しちゃったんですよ〜(泣)。いつもなら無理して行くんですけど、何しろ明日から私、アフリカへ行っちゃうんで……」という、やっぱりお詫びの電話が(笑)。どうもアワプラとかユビキタス村とかの周辺にいると、このように土壇場まで何が起こるかわからないところがあって本当に退屈しなくてすむのだ。
ともあれ、一人で訪ねたJストリームの本社にて、初めてお会いした同社サービス企画部の伊藤直美さんから企画の概要についてお話を伺う。
Jストリームはストリーミング事業の国内大手に位置づけられる企業だが、これまではもっぱら顧客を企業や各種団体とする、いわばBtoBの業態に徹しており、その意味で今回のポッドキャスティング事業は一般消費者向けのBtoC事業としては初のケースになるという。当面は機能を限定した試験的な形でスタートさせ、年明け以降、次第に本格的な内容に持っていきたいとのこと。
まあ、私が伊藤さんからのお話を受けて専門的な解説などできるわけもないので、詳しくはここ(
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/29/news069.html)やここ(
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20089072,00.htm)やここ(
http://podcastnow.net/blog/archives/000569.html)あたりをご覧いただきたいと思うが、要するに私のような知識も技術もないド素人でも気軽にポッドキャスティングを楽しめるようなシステムを構築しつつ、将来的にはそこで収益を上げられるようなビジネススキームを構築しようということらしい。
ただ、とにかくまずはそこで観たり聞いたりできるコンテンツがなければということで、誰かいないかと模索するうち、こういうブログやあちこちのインターネット放送でバカなことを言ったり書いたりしている私に白羽の矢が立ってしまったようだ。
とりあえずは11月末からの3ヶ月間、最低でも週に2回のペースで内容を更新していってもらいたい(もちろん、慣れてしまえばそれ以降も続けてもらって構わない)とのことだった。内容については、基本的に「公序良俗に反しない限りは何でもOK(あと、音楽は著作権フリーのもの以外はNG)」。したがって「魔法使い、サリン〜♪」なんてやつは絶対に流せないとしても、かなり思い切ったことができそうだ。素材のアップについては、もし自分でできない場合は音源を会社まで送ってもらったり、あるいは電話で吹き込んでくれても対応できるとか。
動画も流せるという(できればあらかじめ音声オンリーか動画もありかのどちらかに統一してほしいそうだが)。もちろん、その場合は乗っける前に編集が必要になろうが、やろうと思えば撮りたて映像をビデオカメラからPCやiPodに接続のうえ、すぐ公開してしまうことも可能らしい。
ちなみに、長さについては音声の場合は2〜3時間でも行けちゃうし、動画でもアップロードが大変にしても「最大で15分ぐらいをお勧めします」(伊藤さん)というから、アワプラのサイトで目下公開されてる作品群なんかは余裕で大丈夫みたいだ。動画に対応したiPodの最新機種なんかを見ても、結構鮮明な画像で見れているようだし、これも活用の仕方次第では面白いことができるかもしれない。
そんなこんなで、いろいろ説明をうかがった後でJストリームのオフィス内を見学させていただく。予想外に広々として大勢の社員が働いているのに驚いたが、さすがにストリーミングの国内大手企業という感じであった。一方、スタジオや送出施設はコンパクトだが、在京民放テレビ局のやたらゴテゴテとしたスタジオ風景などを既に見てきたせいか、かえってこの筋肉質な身軽さがいいなと思った次第。ただ、送出ルーム内のモニターに某野球アニメが上映されていたので「これはなんですか」と聞いたら「見なかったことにしてください」と言われたけど(笑)。
見学中に、どうやら鍵の手配が終わったらしい久保田さんも合流。相変わらず元気だった。「ポッドキャスティング第一回目のテーマは『久保田さんがなくした鍵はどこへ行った』しかありませんね」と言ったら笑っていたが、内心怒っていたかもしれない。怖い(汗)。
以上、そんなきっかけから今月末もしくは来月初めより「たろいもポッドキャスティング(仮)」を始めたいと思っておりますので、乞う御期待。
(「岩本太郎のメディアの夢の島」
http://blog.livedoor.jp/ourplanet_iwamoto/と同時掲載)

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