9月に入るや本当に「ガタンッ!」ってな感じで涼しくなってしまった東京。昨日あたりは電車に乗っていてもクーラーが利き過ぎで凍えるくらい。ふと半袖の腕を見たら鳥肌が立っていたほどだ。空調の加減も人間の体温調節機能も、最適化するまでにはやっぱりそれなりに時間を要するらしい。
海にも行かず山にも行かず、コンクリートジャングルの都心を気忙しく右往左往する合い間に、天井付近から熱気の抜けない自室でボ〜ッとしながらひたすら原稿書きにいそしんでいた2007年夏。空前の酷暑に苛んでくれたバカ夏も、去っていったら去っていったで何だか妙にいとおしくなるというのかな。
上の写真は、先月末に閉店した丸井中野本店(JR中野駅南口)の屋上広場から新宿の高層ビル街を撮ったもの。閉店間際の8月半ば、ちょうど一番暑かった頃の昼過ぎ、飯を食うため近くまで来たついでに、涼んでいくのと名残を惜しむのとを兼ねて立ち寄った次第。
ここ数年はいつ訪ねても閑散とした印象のあった丸井中野本店だが、この時は閉店セールでさすがに大賑わい。もっとも、エレベーターで上がった屋上広場は、既に役目を終えたからか単に暑いからなのか、御覧のように人影は皆無。おなじみのロゴマークと「マルイボウル」の特大ピンが、夏空をバックに空しく佇んでいた。
丸井といえば中野が創業の地なのに、その60年の歴史を持つ本店が、まるで海の家が店じまいするかのごとく、夏と一緒にあっさりと去っていってしまった。ただでさえ地盤沈下の著しい中野駅南口商店街なのに、この先いったいどうなることやら。中野全体で見ても、これで区内から大きな会社や店舗がほとんどなくなっちゃったわけで(丸井も一応「本社」はここに残すらしいが)、残る大手企業としては「まんだらけ」が頼りということになるのか(笑)。新宿に近すぎ、一方で高円寺や吉祥寺といった中央線沿線の他の街のような「駅前ブランド」化にも失敗した感のある中野は、商店街も崩壊し、あとは“脱コミュニティ”な存在であるオタクの街と化しつつあるのかもしれない。
ともあれ、あっけなく去っていった夏や潰れた店をいつまでも惜しんでいても仕方がない。今年も既に9月。既に書いた通り、私は今週末には北海道、来週には中国だ。ぼちぼち準備もやんなきゃいけないのだが何とも捗らず。買い物のほうも丸井がなくなっちゃったことだし、さてさて、どうしたものかな。

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