政局が「
UFOが存在するか否か」をめぐってますます情けなく混迷する中(笑)、派生的にというのか先日「
ゴジラへの対処、研究していた=自衛隊出動、武器使用も可能−防衛省」なんてニュースも出ていましたね。なんでも「
襲来したゴジラは動物とみなされ、ネズミやゴキブリが大量発生した場合と同様、自衛隊法83条に基づく災害派遣として自衛隊の出動は可能。また、暴れるゴジラに対しては、『有害鳥獣駆除』の目的で、武器・弾薬の使用も可能との結論に達した」んだとか。
しかし私が思うに、「頭の体操」としてそういう議論をするなら、ここは「ゴジラ」よりもむしろ「
モスラ」を持ってきたほうが適切だったんではないかという気がするのだがどうか。だって、国会議事堂を叩っ壊すような不逞の輩を「有害鳥獣駆除」の名目でしか撲滅できないなんていったらそれこそ自衛隊の名折れとの誹りは免れないし、60年安保で群衆に国会を包囲されたうえ突入までされながら治安出動もできなかったお前らは、結局50年経ってもやっぱり張子の虎の軍隊だったんだなってな話になりかねないでしょう。
その点、モスラだったら「
東京タワーに繭なんて作られたらどうする」ということで「有害鳥獣駆除」の目的が一発で説明できるじゃないですか。ちなみに、そういえば確かあいつは貴重な文化財であるお城を壊したりもしているし、まさに害虫に該当しよう。そういうわけで、今後防衛省におかれましては、引き続き同種の議論や研究をなされる場合は、ぜひ「ゴジラ」よりも「モスラ」を題材とされますことを僭越ながら提案させていただきます。
で、タイトルに書いた本題。この防衛省「ゴジラ」問題で思い出したのだが、以前に兵庫県の「
但馬TV」のメンバーの方から伺っていた「
餘部鉄橋伝説化プロジェクト」はその後どうなっているのだろうか。
山陰本線の名所として知られる
餘部鉄橋(正確には「余部橋梁」か)が、このほど新たなコンクリート橋に架け替えられることになったわけだが、今や地域の貴重な観光資源となってしまったこの橋のフィナーレを飾るべく、地元の方々の間から立ち上がってきたのが上記のプロジェクトだ。
そして、その目玉となるのが他ならぬ「『ゴジラ』の新作をここを舞台に作ってもらおう」という映画ロケ地誘致案。ようするに「
せっかく餘部鉄橋を壊すなら、最後はゴジラに壊してもらおう」というものだ。
なるほど。確かにこれなら「伝説」に残るかもしれない。だいたいあれだけ映画やテレビで紹介されたりロケ地に使われたりした橋なんだから、せめて最後はそのくらいの葬り方をしてあげるべきだろう。もっとも、いざ実際に映画化するとなれば「なぜゴジラがわざわざ但馬に出現して餘部鉄橋を壊さなければならないか」という必然性までストーリー的につなげていくのが結構難しそうだな。あるいは「美浜原発を壊しに行く途中に立ち寄った」というあたりが一番落としどころとしてはすっきりしそうだけど、それだと企画実現への道程が逆にすっきりしなくなりそうだしな……。
ともあれゴジラ君、そうやって地元からも君を誘致する声が上がっているので善処をお願いする――しかしこれって、はたして43歳の男がクリスマス・イブの午後に書くような話なんだろうか。

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