偶然にも一昨日(19日)、広告業界が輩出した著名なアーティスト2人の訃報に接することとなった。
市川準と
野田凪だ(以下、敬称略にて失礼)。
それにしても市川の訃報については新聞なども大きく取り上げられているようだが、むしろ今の20〜30代(特に女性)には市川よりもはるかに重きを持つ存在であろう野田の訃報は満足に報じられていないようだ(まあ、逝去から訃報が出るまでにタイムラグが生じたこともあるのだろうが)。何かこのあたりにも、今の「広告」というジャンルが置かれた実情があるのかなあ……と思った次第。
ちなみに市川準には、私がまだフリーランスになって間もなかった1996年初夏に一度だけ会ったことがある。思い出すのも懐かしいが、それが私が『創』でその後8年も関わることになる「広告業界特集」の「CMクリエイター」インタビューでの最初の取材だった。
野田凪には、とうとう一度も会うことのないまま終わってしまった。ただ、やはり『創』の広告業界特集を手がけていた末期の頃(2003年前後)、CMクリエイターたちの動静が慌しくなってきた中で彗星のように現れた彼女についての噂を聞くに「いずれ一度話を聞きにいってみたいな」と思っていた人物ではあった。もっとも、私がその後に『創』を見限り、広告業界ルポについても「ま、もういいや」という感じになっていったことで、結局接点のないままになってしまったわけだが。
もとより市川準と野田凪という世代的にも(たぶん二人の間の個人レベルでも)直接の接点がまるでなさそうな二人を並べて論じることは適切でないのかもしれないけど、ちょうどその間の世代にいて広告業界モノを書いてきた私なりに、ほぼ同時にやってきた2人の訃報には、、どこか因縁めいたものも覚えてしまうところではあるのだ。んなわけでここは一つ数回に分けて論考を書いてみようかと思った次第だが、はたして最後まで書ききれるものやら……ではでは。

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