7/14 白馬岳→唐松岳縦走
冬山の体力トレーニング第二弾は白馬岳の縦走と言うことで、行ってきました。キスケです。
ルールは、1泊2日の行程をワンデイ。10sの荷物。
今回は、猿倉から白馬岳を通って唐松岳まで行き、そこから折り返し白馬鑓温泉から猿倉に下りようと計画しました。
CT25時間40分。気の長くなる行程です。
記録
猿倉→白馬尻45分(CT60分) 75%
白馬尻→白馬岳4時間(CT5時間5分)78%
白馬岳→天狗山荘2時間20分(CT3時間5分)75%
天狗山荘→唐松岳3時間30分(CT5時間)70%
唐松岳→天狗山荘5時間50分(CT5時間)116%
天狗山荘→白馬山荘2時間50(CT2時間50分)100%
白馬山荘→緊急避難小屋1時間15分(CT1時間)125%
行動時間20時間30分(休憩も含む)
2日目
緊急避難小屋→猿倉 記録なし
ちょっと1泊2日でもボリュームがある内容なだけに、気持ち的な所の調整が難しく具体的には、やる気と不安といろいろなプラス要素とマイナス要素が混じってマイナス要因が8割を占めている感じ。
この山行を行うには、前日入りする必要があるので朝早くでて大町山岳博物館に行って、少しでもモチベーションをあげようとしました。
その日の昼過ぎには、猿倉の駐車場に着くが暑くてなかなか寝られない。夜も結局あまり寝られず、猿倉を0時スタートします。
あまり寝られなかったが、体調は良く雪渓も意外にしまっていてサクサク進みます。
この日は新月で、辺りを照らすものは何もない。ヘッドライトを消すと飲み込まれそうなくらいの星空で、天の川も北斗七星も輝いています。
ただ雪渓を登ってる時は寒く合羽は来て登りました。
時より吹く冷たい風と生温かい風が印象に残っています。
大雪渓の上部は崩壊が激しく、終始落石の音がしていました。
ヘッドライトでは、落石の存在がギリギリまで分からずあまりに大きな落石があると立ち止まって確認して登るの繰り返しでした。
山に入る前に、登山者から落石の危険や他の雪渓に迷わないように雪渓の真ん中を歩くといいと聞きましたが、どこが真ん中か全くわかりません。
一応、道を示す赤色の粉みたいのが撒いてある所もあるが、暗いとの踏まれていて分からない所も多いです。
闇夜に轟く滝の轟音に、今いるところは大丈夫かな?落石は直撃しないかな?とか不安なりますが、なるべく早くここは抜けたいのでほぼ休憩なしで乗り切りました。
大雪渓を抜けた100m程上に小雪渓をトラバースしますが、これがちょっと嫌な感じ。整備され登りやすいようにカットしてありますが、凍っていて滑るし、下は全く見えないので落ちたら何があるかわからない。
結局ちょっと悩んでアイゼンはなし、ピッケルも必要なし。
しかし、途中から凍結具合が増して、ピッケルは出しましたがピッケルを出してから1分後には対岸に着きました。なんてこった…
しかし、多分ここは滑落するところだと思います。
帰りにわかったことだが、対岸までは短く、大雪渓でアイゼンを外し小雪渓をアイゼンを付け直すめんどくささがあるトラバースがカットしてある、行けなくもなさそうと思う人は多いと思います。実際にも事故は起きてるし、トラップ的な場所なのでしょう。
小雪渓を少し登ると緊急避難小屋があります。ちょっと眠さの限界が来て、ここで20分仮眠を取ります。
寝たらちょっと回復したので、白馬岳を目指します。
いろいろな登山道は歩いてきたけど、他のところより白馬の岩は濡れると結構滑りやすい。
白馬岳に着いた頃にはちょうど日の出くらいで、多くの人が頂上にいました。頂上の写真と白馬主稜だけちょっとだけ見て次の目的地唐松岳へ。

朝日

白馬山頂
稜線は、幾らかアップダウンはありますが比較的歩きやすい。
白馬鑓を越えて天狗山荘に7時前に着く。
時間はまだたっぷりある。体も辛くはない。
天狗の頭を越え天狗の大下り300m下るがこれを登り返すと思うと行くのを躊躇いそうなる。
そして、下ってからは不帰嶮を200m登る。気持ちの強さが試される所だ。
天狗の大下りも不帰嶮も危ない所には、鎖が付いている。
こう言った場所では、クライミングスキルが非常に役に立つ。先行登山者をドシドシ抜いていくがなかなか唐松まで遠い。
V峰から先が長く感じられた。
V峰のA・B・C尾根を確認しときたかったがそこまでの余裕はなかった。これは、八方尾根から見たほうがよさそうだ。
若干膝に違和感を覚えた頃、唐松岳に到着。
この時点で時間は、10時半。唐松岳は沢山の登山者で賑わっていました。
唐松岳では、不帰嶮の往復をする人なんておらんだろって自分の計画に腹が立ったが、計画してしまったので帰るしかない。
唐松山頂
不帰嶮から膝の違和感が本格的に痛みに変わって辛くなる。
痛みをテーピングと薬でごまかしたが、スピードは上がらない…もう普通の登山者にも抜かされるペースだ…眠気も襲ってくる。
天狗のコル辺りでまた10分くらい睡眠したが、虫がうっとうしくてあまり寝られず、その後天狗の大登り?の途中でも睡眠。
疲れも相まって眠気が強い…
やっとの思いで、天狗山荘に到着。
時間は16時…もう鋸の行動時間分の行動はしているが、まだ行ける。膝は痛いけどなんとかまだ歩ける。
天狗山荘で雪渓から雪を取ってきてアイシングしてる時に、白馬鑓温泉ルートがたった今通行止めになったと聞く。
崩壊やら雪渓が不明瞭やら情報が錯綜してるようだが、これは一大事…
天狗山荘のおばちゃんにこれまでの山行や経緯を説明して何とか通れないかと遭対協の人に聞いて貰ったがダメらしい。
せっかく良くしてもらったおばちゃんの顔に泥を塗るわけには行かず、強行はしなかった。
なので、大雪渓を降りるしかなくなった。
これが早いうちに知っていたら八方尾根から降りたのに…っと、心の中では思ったが、仕方がない。
キツイ時にこそそう言う事は起こるし、だからと言って山では言い訳は出来ない。そして、そういう時こそ楽しもう!
この条件ですら、まだ日帰りは出来る。
捨てなければ可能性はある。諦めなければ、時間はかかっても何とかなるかもしれない。
一緒に不帰嶮を越えてきた人やすれ違った人が心配してくれたが先へ進む事にする。
もうスピードは上がらないのでゆっくり進む。
行きはあんだけ近く感じた白馬岳頂上宿舎〜天狗山荘が気が遠くなるほど長く感じた。
記録を見るとCTでは、歩けていたようだ。
日が沈む少し前に白馬岳頂上宿舎の手前2768mピークへ着く。そこには、日の入りを待つ登山者がたくさんいて、ドロドロぐちゃぐちゃな僕は、場違いなようでした。
頂上宿舎はテント村になっていて、その頃になると4リットル持った水も無くなり1リットル補給。
5分休憩して出発。頑張って降りますが、下ってる最中に完全に暗くなる。
膝はもう激痛で立ってる事さえ辛い…20時を越えた頃下山の可能性が難しくなった。もう膝が動かない…
登ってくる時に仮眠した避難小屋で泊まらせて貰おう。
そこまでも非常に遠く感じた。
何とか小屋に着いて、疲れすぎてご飯も食べずに爆睡…夜は寒すぎて3回くらい起きたがそれ以外は快適だった。
小屋が無かったら、死にはしないと思うけどかなり過酷な本気ビバークになっていたでしょう。
次の日。
本日も晴天でご来光がよく見えます。
膝の調子は、よくありませんが使えそうな木を2つ見つけストックとして使い下りました。
多分3時間くらいの道のりを6時間くらいかけて下りました。
1日目
行動時間更新16時間→20時間30分
累積標高4264m
距離26.6km
ワンデイで行けなかったのは実力不足。
今回は、かなり登りや下りに気をつけたが膝はダメになってしまった。原因と対策をしっかりして次はもっと歩けるようにしないと、冬山はもっと厳しいぞ。