2007/7/23

先週末の記事から  患者学入門

 先週末に医療制度をめぐる2つの新聞記事・ネット記事が気になりましたので、ご紹介いたします。
 
 ひとつは「療養病床:転換で介護施設の定員枠撤廃 保険料上げ必至−−厚労省方針」という見出しで、
「高齢者向け長期医療施設である療養病床の削減を図るため厚生労働省は、第4期介護保険事業計画(09〜11年度)で、療養病床から転換する介護施設について定員枠を設けない方針を決めた。(中略)療養病床廃止に伴い行き場を失うお年寄りは、すべて介護施設で受け入れることになる。(中略)厚労省は、療養病床削減によって給付費を3000億円削減し、65歳以上の平均月額保険料(07年度4090円)を極力抑える考えだ。当初想定していた4期計画時の平均保険料(4400円)はアップせざるを得なくなるとみられる。」という内容です。(毎日新聞 2007年7月21日 東京夕刊)

 もうひとつは「入院の診療報酬に新基準・08年度改定、厚労省方針」という見出しで
「厚生労働省は、患者が入院した場合に病院に支払う診療報酬を見直す方針だ。現在は看護師が多ければ診療報酬も高くなる仕組みだが、患者の看護の必要度に応じた数値基準を新たに導入。看護の必要がないのに多くの看護師を抱えている場合には診療報酬を引き下げる。2008年度の診療報酬改定で実施する考え。 以下略」(2007年7月21日/日本経済新聞 朝刊)という内容です。

 確かに、先日書いたように、医療システム・制度の見直しは必要ですが、毎年のように変え、また一度決めたことをその成果が見える前に変えていくのは適当ではないと思います。生命に関わる緊急性の高いことは、すぐに対応しないといけないのですが、財源や理念・方向性などに関わるものは段階的にしたり、時間をかける必要があろうかと思います。そうでなければ医療現場は混乱し、利用者にも大きな影響がでると思います。
 
 療養病床の転用、看護基準の見直しは去年に提案または実施されたものでなかったでしょうか。

 短期間での成果主義は医療制度にはふさわしくないように思います。




 このように頻繁に見直しをしないといけないのは、医療費への財政支出の問題が大きいのではないでしょうか。医療費を一定の枠内にととめないといけないということで、とにかく増加しそうな場合、その成果をみることもなく、とにかく支出を抑えるという方向性になっていると思います。

 また、支出が増加するということで、あわてて「改正」したところが、反対が多く、現実的でなく、結局、何のためにするのかわからなくなっているのではないでしょうか。

 私としては、財源の問題は別にして、総医療費の対GDP比はもっと増加してもよいと思います。それをある程度、診療報酬あるいは介護報酬に振り分け、また患者負担を軽減するとともに、より多くを政策的な医療に振り分けることが必要と考えます。例えば、産科・小児科の救急医療体制の整備、がん治療の体制つくり、難病の治療・研究、地方間の医療格差の是正、精神科リハビリテーションの充実、ワクチンの安全で効果的な接種などです。このようにして、皆が安心して生活できるようにしなくてはいけません。

 また、医療費は単に財政支出の側面だけではありません。医療は新しい産業を興し、拡大し、雇用を創出し、国内総生産の増加に寄与すると思います。投資波及効果は建設や運輸などに比べ、かなり高いといわれています。

 参議院選挙が行われ、年金問題が話題になっていますが、医療も忘れないでねと思います。
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