2012/8/26

同種造血幹細胞移植患者への治療早期からの運動介入が身体機能維持に重要  患者学入門

【臨床腫瘍学会2012】 日経メデイカルオンライン記事より 

 造血幹細胞移植患者への運動介入を検討した結果、移植前無菌室での有酸素運動実施率と移植後の6分間歩行との間に強い相関関係が見られたことから、治療早期からの運動療法が身体機能維持につながる可能性が示唆された。京都大学人間健康科学系運動機能開発学の立松典篤氏が、7月28日まで大阪市で開催された第10回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。


 日経メデイカルオンライン
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jsmo2012/201207/526097.html


 

 立松氏らは、造血幹細胞移植期に運動療法による介入を行い、化学療法や放射線療法における運動介入の実施可能性と身体機能の変化について検討した。
 対象は、2010年6月から2011年12月に同種造血幹細胞移植を受けた患者32人。

 まず入院時に、運動介入のオリエンテーションと移植前の全身評価を実施。無菌室での管理期間(前処置開始から生着日まで)は、ベッドから離床するなどして毎日動くようにするほか、ウォーキングや自転車エルゴメーターなどで有酸素運動をし、筋力トレーニングは可能な範囲で行うよう指導した。一般病室での管理期間(生着後から退院日まで)は、リハビリ室でトレッドミル歩行や自転車エルゴメーターによる有酸素運動のほか、筋力トレーニング、ADLトレーニングを実施した。移植から50日後または退院時に全身評価を行った。

 リスク管理として、中止基準は意識障害を伴う合併症、酸素投与を必要とする合併症、収縮期血圧80mmHg以下の循環不全を伴う合併症、高度の疼痛を伴う合併症、著しいPSの低下(KPS40%以下)を伴う合併症、その他主治医が理学療法の実施を困難と判断した場合とした。バイタルや血液データ、患者の主観的症状から状態把握を行うとした。

 移植関連死、リハビリテーション中止、生着不全例を除いた21人についてリハビリテーション実施率を解析した。平均年齢は55.8±9.2歳。身体機能変化を解析したのは14人だった。

 その結果、無菌室管理期間におけるリハビリテーション実施率は91.3%だった。内容別の実施率は、筋力トレーニングが77.1%、有酸素運動が55.1%。平均介入日数は13.1日±4.3日だった。
 また、一般病室での管理期間のリハビリテーション実施率は98.4%。内容別の実施率は、筋力トレーニングが87.3%、有酸素運動が88.6%で、平均介入日数は17.6日±6.2日だった。
 身体機能の変化をみると、移植後50日の膝進展筋力(N・m/kg)は移植前と比べ、84.8%と有意に低下したが、移植後50日の6分間歩行距離(m)は移植前と比べて96.6%となり、有意差は見られなかった。

 さらに、無菌室での有酸素運動実施率と移植50日後の6分間歩行距離との相関関係を調べたところ、相関係数は0.641(p<0.014)で強い相関関係が確認され、移植前早期からの運動介入が重要であることが示唆された。

 立松氏は、「化学療法や放射線療法中でもリスク管理をしっかりと行えば、運動療法は実施可能で、治療早期からの積極的な介入は身体機能の維持につながる」とまとめた。また、化学療法や放射線治療の運動介入の際に重要となるのはリスク管理であるとし、前処置や移植期、生着期など、各期間で予測される経過を十分に予測した上で、多職種で情報を共有することが欠かせないと語った。


 造血幹細胞移植を経験した私の場合はと・・当時の記録と記憶をたどりながら振り返ってみました。

 前処置の期間については放射線治療3日目、化学療法の2日間は離床もままならず、排泄も尿瓶でした。その間の調子のよい時は離床し、トイレ・シャワーなどの日常生活が運動だったと思います。
 移植当日は元気だったのですが、その後10日間ほど食事は入らず、下痢・頻尿のために目の前のトイレにも間に合いませんでした。朝から晩までそうではありませんので、日中シャワーをしたようにも思います。また、食事の代わりに病棟内の冷蔵庫に冷たいものをとりにいくのが数少ない運動でした。ですから、この時にウォーキングや自転車エルゴメーターなどで有酸素運動、筋力トレーニングはとても考えられません。

 無菌室からでて移植後3週間ぐらいすると、少し運動らしきことができるようになり、病棟内を歩き、点滴ラインがあるので、注意しながら、太極拳のDVDを見ながら自分なりに動いたり、屈伸運動などをしました。この期間、日によって、時間によって好不調の波がありました。逆に、この期間決まった何らかのリハビリプログラムがあると適当な刺激・気分転換・リハビリになったかもしれません。

 退院後、筋力の低下を実感したのは近所の公園を散歩したときで歩行はできるのですが、何かフワフワした感じで階段昇降が不安定なことでした。
 
 この研究に参加された患者さんは実際どう感じたのか知りたいものですね。
0




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ