2006/1/23

あなたの病気に意味がある  患者学入門

 「あなたの病気には意味がある」(高田明和著 光文社 2004年2月)という本があります。そのタイトルに惹かれ読んでみました。「はじめに」では「いろいろな病気の原因を深く探っていくと、それは単に体の異常個所のトラブルや弱点の露呈ではなく、むしろある意味での‘強さの表れ’だということが分かってきます」と書かれています。

 例えば、「血液がドロドロだ」は、生活習慣病の原因で、「さらさらにしなくては」その予防のためによくいわれますが、他方、怪我の際の出血防止に役立ちます。昔のドロドロ血は英雄の体質だったわけです。

 また、うつ病は鋭い感性と高い道徳性によってもたらされる苦しみの側面をもちます。そのような人たちは、かつてある種の高い地位を保証され、例えば宗教家、芸術家などで、そういう人たちが必要とされたであろうと。

 なるほど、病気は決して悪いことばかりではない。

 でも、がんについては「35歳頃までは、遺伝子があなたをがんから守ってくれる。そのあとは、あなた自身で守れ。・・・生活次第で予防は可能です」と・・・。残念ながら「あなたの病気には意味がある」の内容にはなっていません。

 では、白血病にはどんな意味があるのでしょうか。私なりに想像してみました。動物の白血病にはレトロウイルスの関与がいわれています。また、白血病の一種の成人T細胞型白血病・リンパ腫はレトロウイルス感染が原因の一つです。白血病とレトロウィルスは何らかの関係があるように思われます。

 動物のレトロウイルスの研究者である宮沢孝幸氏は「ヒトのゲノム(全遺伝情報)のうち、遺伝子とみなされる部分は3%ほどです。一方、過去に感染したレトロウイルスが宿主のゲノムの一部になった部分(内在性レトロウイルス)は8%もあります。内在性ウイルスにも意味があり、感染を通じて動物からヒトに新たな遺伝子が組み込まれ、進化に影響を与えたのではないかと仮説を立てています。また、ヒトの胎盤形成にレトロウイルスの遺伝情報が使われていることも明らかになっています。」(毎日新聞2004年10月19日 夕刊)と仮説ながら、進化と内在性レトロウイルスとの関連について述べています。

 この仮説を膨らませ、「妄想」にまで進めてみますと、白血病はヒトの進化の過程での「失敗例」といえるのかもしれません。生命は種が生き残るために、多様であることがいわれています。ヒトに限らず、生命は多様な遺伝情報を組み込み、進化してきました。時としてレトロウイルスの遺伝情報として、組み込まれていきます。しかし、その多くは、うまくいかず、失敗します。その一例が白血病ではないかと。そう考えると「私の病気にも意味がある。」ヒトが生物として進化するために必要な出来事だったと思えるのです。

 このことは、立証されたわけではなく、風邪で寝込んでふとんの中で考えた妄想に過ぎません。でも、自分だけの思い込みであっても「私の病気には意味がある」と思いたいものです。
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