最近の読書感想文。ひさしぶりにラノベ読んだわ。
『悲華水滸伝 2』
著・杉本苑子 中公文庫
『悲華水滸伝』の二巻目。青州編エピローグから呼延灼襲来まで。
好漢たちの個性が爆発する武十回終了までと違って、青州編から先は、割と人物がごちゃごちゃしてくるから、杉本版の簡易な物語の進行は逆に読みやすかった。また、色々はしょっているため、必然的にえぐい描写は少なめになっている
特に黒旋風・李逵の小衙内殺しがないため、日本人にはとっつきやすいんじゃなかろうか。
『支那そば館の謎』
著・北森鴻 光文社文庫
「裏(マイナー)京都ミステリー」と銘売ったミステリ連作短編集。
いやキャラと雰囲気はいいんだよ。主人公とかキャラ立ちはしてるんだけど……肝心のミステリ部分は、まあ普通。住職にももう少し活躍して欲しかったなぁ。
あ、あと水森堅いらねぇーー!
『獅子の玉座〈レギウス〉』
著・マサト真希 絵・双羽純 電撃文庫
マリみて以外のラノベを久しぶりに読んだわ。
ライトノベルというのは読みやすくあってしかるべきだというのに! なんでこんなに読みづらいんだろう。時々挿入される王女のドジっ娘ぶりが鼻につく。もう卒業しろということか? だがまあ、他の部分は、割と真面目にファンタジーしてるんじゃないでしょうか。
『蠅の王』
著・田中啓文 角川ホラー文庫
徳間書店『ベルゼブブ』改題。
田中啓文らしい、頭から尻尾まで全部悪趣味で、バッドテイストな作品。出てくる人物の八割は狂人。後の二割も狂うか死ぬの厭な二者択一。
力作ではあるが、ラストの拍子抜けっぷりもあいかわらず。これは正直短編レベルのラストだろ? 途中の残酷描写で全て力を使い果たしたんじゃなかろうか。
この人の作品はホラーよりも、SF、それも短編の方が出来がいいなぁといつも思う。

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