酒飲んでベロベロ。一人で無言で酒を呑むのは、集中力が研ぎ澄まされてるのか、むしろ鈍ってるのか分からないこの感覚がたまらない。
どうすれば平沢進や大槻ケンヂやゆらゆら帝国や萩原朔太郎や、その他の非凡な人々のような、ある種、頭のおかしい詩を書くことが出来るのか。中学高校と、俺はきっと非凡な才能を持ってると信じていたけど、結局ダメだったよ。
結局俺は凡人だ。普通の人だ。常識を持って常識の世界を生きていくただの人だ。
酒精が脳髄に働きかける。
アルコオルという化学物質をもってしても俺は向こう側の世界をのぞくことも出来ない平凡な人間だ。
きっとおれはこのまま何もなさずに、ただ茫漠とこのくだらない人生を歩いていくことだろう、それを幸せな事だと思って!(事実、それはきっと幸せなことだ!)
ああそうだ、小説を書こう。おれの思いのたけを刻み込んだ、そんな文章を!!
と、酒精に侵されていない、冷静な俺が暗い部屋に座る俺の耳元でささやく。
お前にそんな才能はないだろう? 酒を飲んだ勢いだと、言い訳をして忘れちまうのが一番いいぜ?
きっと、酒精に高揚していない俺は、日々の忙しさを理由にそう思うだろう。
まあ、それはそれでいいだろう、とそう平凡な俺は思う。
ああ、アルコオルを飲むと、躯が凍える。心かも知れない。どちらにしても、指は震える。
そして厨二病の医師にして患者の、もう一人の俺が呟く! おお! なんという厨二病か! この治療は不可能だ!
とりあえず、さっさと寝ようぜ。

0